Vストローム650XTは純正タイヤでオフロードを楽しめる?
『冒険バイク』だからと言って、必ずしもアドベンチャーバイクに乗るみんながダートを走るとは限りません。
Vストローム650XTがいくらミドルクラス650ccとはいえ、重量200kgオーバーの車体です。
250ccのオフロードバイクと比べたら、巨艦とも言えるアドベンチャーバイクで気軽に林道走行へいくライダーは、むしろ少数派なのではないでしょうか。
ダートを走らなくったって充分楽しいし、ロングツーリングだって気軽にいけます。
でも、オンロードバイクより長いサスペンションストロークや、スポークホイール&アンダーガードなどを装着した「Vストローム650 XT」なら……
オフロード好きの私、編集部イワセはダート走行もちょっと試してみたくなりました(笑)
もちろん、ライダーのスキルや路面状況やタイヤなどで、ダートでの走破性は全く変わってくると思います。
ですから、これが正解というワケではありません。
果たして私のような一般ライダーが、どのくらいダート走行が楽しめるのでしょうか?
Vストローム650XTの純正タイヤはブリジストンの「BATTLAX ADVENTURE A40」を履いています。
トレイルランも少しは想定されてはいますが、ブロックタイヤではないので、柔らかい土や引き締まっていない砂利道は結構滑りそう……
今回は空気圧を規定値のままで、車体をあまり傾けずに走ることにします。
車体の軽さやサスペンションやタイヤ以外にも、オフロード走行に肝要なのは『ハンドル切れ角』です。
通常のスポーツバイクだとハンドルを切ってコーナリングすることはまず無いのですが、オフロードの状況下でスタンディングを走行する場合、時にハンドルを切って曲がることもあります。
一般的な250ccのオフロードバイクのハンドル切れ角が45度くらいに対し、Vストローム650XTのハンドル切れ角は大型バイクにも関わらず最大40度もあるんです!
車格を加味しても充分にハンドルが切れますし、Vツインエンジンならではのスリムな車体はスタンディングをしながらのボディアクションがスムーズに決まります。
ちなみに最小回転半径は2.7mなので、草木が生い茂るような道や狭い道でもとても小回りが効きますし、ハンドルを左右に切って走るようなあぜ道がスゴく走りやすい!
オンロード寄りのタイヤではありますが、サスペンションからタイヤの接地感がしっかり伝わってくるので、引き締まったダート道なら問題なく走れます。
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しかし、ABSのキャンセル機能は無いので、砂利道でのブレーキングは丁寧に行った方が吉です。
でも、ブレーキは前後ともしっかり効いてくれるので、ABSが作動しなくても低速域ならちゃんと停まれます。
また、トラクションコントロールの介入レベルが「OFF、1、2」と選べるので、OFFにすればテールスライドさせることもできました。
結論として、Vストローム650XTは車体が軽く、手足のように動く足周りは、フラットで引き締まったダートやあぜ道なら、私(岩瀬)のような一般ライダーでも充分走れました。
ゆとりあるポジションのおかげで疲れない
姿勢を起こしてリラックスした状態で乗ることができるライディングポジションは快適そのもの。
ハンドルが高めの位置にあり、足を置くステップも後退しない位置にあるので窮屈にならず、ずっと疲れない姿勢を保つことができます。
Vストローム650 XTのシート高は835mmで、サスペンションストロークの長いアドベンチャーバイクの数値としては平均的な高さです。
身長172cmのライダーが両足をついて跨ると、かかとが3〜4cmほど浮きますが、シートの幅や車体がスリムなので、つま先立ちでも不安を覚えることはありません。
車体もアドベンチャーバイクとしては軽い215kgなので、片足立ちでもラクに車両を支えられます。
また、オフロードではスタンディングでの走行をする時も多いと思います。
Vストローム650シリーズは、スタンディングポジションもバッチリ決まるように設計されているんです。
シートの厚みを残しつつも、シート前方はオフロードバイクのように細く絞られているので、スタンディングのボディアクションや足つき性を損なってはいないんですね。
シートに座ればツアラー、スタンディングすればオフロードバイクのような快適さです。
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もしも1台のアドベンチャーバイクを選ぶとしたら
もしも、1台のアドベンチャーバイクを選ぶとしたら、わたし(岩瀬)は、この『Vストローム650XT』にすると思います。
何処へでも走っていけるくらい、長距離のツーリングを快適なものにしてくれる車体に、スポーツバイク譲りのエンジンで俊敏にも走れるし、ツアラーのように景色を楽しみながらゆっくり流すようにも走れる。
排気量以上のパワフルさで、一般的な身長のライダーに不安を与えない車体サイズや重さは、ちょっとしたダートなら走れてしまうほど走破性も高い。
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