文:岩瀬孝昌(編集部)写真:岩瀬孝昌、西野鉄兵(編集部)
街乗りの使いやすさを向上させつつ、400ccバイクとしてスポーティな走りも!
125ccや250ccクラスのスクーターが主流となった現在、ある意味“孤高の存在”とも言えるバーグマン400の乗り味はどんなものなのでしょうか?
じっくり時間をかけてバーグマン400を体感してみたいと思います。
走り出すと“出足のダッシュ力”にまず驚きます。
CVTのスクーターらしい「ブォオォォー」というエンジン音と共に、低回転からトルクが出ているから、ストップ&ゴーが多い街乗りでもキビキビ走ってくれるんです。
スロットルを少し開けただけでも、低い回転域からクラッチがスッとつながる感じ。
グイグイ加速していきます!
スロットルレスポンスがスゴく従順で、狭い路地でもパワーを持て余したり、モタついたりするようなことが全くなく、リニアに反応してくれます。
パワー感はかなり強いのに、扱いやすいんです。
それに写真のようなタイル張りのゴツゴツした路面でも、サスペンションが振動を吸収してくれますし、15インチのフロントタイヤはちょっとした段差の乗り越えにやっぱり有利です。
都心を離れ、他のクルマが少なくなると、バーグマン400のツーリング性能の高さがさらにわかります。
特にスロットル操作のラクさには感動しました。
スロットルをわずかに回しただけでグイグイ進んでくれるので、手首が全く疲れません。
まるで“ボタンを押して走っている”ような感覚なんです(笑)
クラッチ操作の不要なスクーターですが「スロットル操作がスムーズだとこんなに楽しいんだ!」と改めて感じました。
コーナーも楽しいのがスズキのバイクらしさ!
そして、4000回転から5000回転くらいが使いやすい回転域ですが、どのスピード域であっても振動がすごく抑えられているのはビックリしました。
でも、仮にスロットルをラフに回したとしても「ドカン!」としたパワーが一気に出るわけではないので、常にリラックスした状態で乗ることができます。
パワーの出方が上品だけど力強い。クルマの高級セダンみたいです。
コーナリングでは、リアタイヤがしっかりトラクションしてくれているのがわかります。
フロント15インチタイヤとリア13インチタイヤの相性も抜群で、前後ともちゃんと接地感が伝わってくるんです。
正直、ビッグスクーターに“走りの楽しさ”まではあまり求めていなかったけど、グイグイ曲がってくれるのでライディングがスゴく楽しい!
バーグマン400の乗り味は、想像以上にスポーティで、ビッグスクーターなのに車体の大きさを全く感じさせないほどクルクルとコーナリングできました。
バーグマン400のリラックスポジションと足つき性
車体が大きく感じないのは、実寸としてコンパクトになった車体寸法以外にも、リラックスして跨ることができるライディングポジションが大きく影響していると思います。
またがった状態のコンパクトさは、ひとクラス小さくなった印象を受けるほどです。
ライディングポジションはスクーターらしく、足を伸ばしてリラックスした状態が乗りやすかったです。足を軽く曲げたポジションでも窮屈さが全くありませんし、ハンドルの位置も絶妙。
シートのバックレストに尾てい骨を当てて乗ることができるので、ニーグリップできなくても安定感があるから、コーナリングがヒラヒラ曲がります。
(下に続きます)
バーグマン400のシート高は755mmで、250〜400クラスのビッグスクーターとしては標準的な数値になりますが、足つき性はバツグンにイイです。
その理由がコレ。
車体を真上からみると、シートの先端がかなり絞り込り込まれているのがわかります。
さらに足つき性を向上させるため、左右の足元付近が絞り込まれた“カットフロアボード”が採用されています。
やはり両足がかかとまでベッタリ付けるのは安心しますね。
駐輪場から出るときも跨ったままスイッチバッグが容易でした。