「DR-BIG」の愛称で親しまれた油冷単気筒のビッグオフローダー
今から約30年以上も前、「アドベンチャーバイク」というカテゴリが存在するずっと前の1990年に登場したスズキのビッグオフローダーが「DR800S」です。
当時、世界最大と言われた、779ccの油冷4ストOHC単気筒エンジンを搭載し、過酷なラリーレイドでも快適に走ることができる、まさにアドベンチャーバイクでした。
今回紹介する「DR800S」(1990年型)は、1988年にデビューした「DR750S(727cc)」の後継機モデルになります。
スズキのパリダカールラリーのファクトリーマシンである「DR-Zeta」のスピリットを受け継いだデザインが印象的で、そのクチバシのような形状のフロントフェンダーから『ファラオの怪鳥』という異名を持っていました。
ご存知、現在のスズキのフラッグシップ・アドベンチャーモデルである「Vストローム1050/XT」シリーズのデザインには、このシリーズのモチーフが多く取り入れられていると言われています。
四角いヘッドライトやフロントスクリーン、フェンダーやタンクシュラウドなど、まさにDR-BIGが現在に蘇ったかのようなデザイン。
当時、DR-ZやDR-BIGを担当したデザイナーが、Vストローム1050シリーズの開発チームに加わっていることもあり、スズキの「伝統」を受け継いだデザインになっているのが分かります。
フロントには、小ぶりながら走行風を否してくれるスクリーンや四角いヘッドライト、フロントフェンダーなどが備わっていました。
今から約30年以上も前に登場していますが、いま見てもカッコいいデザインです。
諸説ありますが、今となってはアドベンチャーバイクの定番デザインとも言える、オフロードバイク的なフロントフェンダー、いわゆる「クチバシ」スタイルは、スズキのDR-BIGシリーズが最初とも言われています。
1988年登場のスズキのパリダカレーサー「DR-Z」のモチーフも取り入れられ、大陸を横断もできるように、燃料タンク容量は29リットルも確保されていました。
フロントスクリーンの後ろ側にはスピードメーターとタコメーターのアナログ二眼メーターで、中央にウインカー、ハイビーム、ニュートラルランプがセットされるメーターパネルが配置。
オフロードも想定し、アップライトで幅広なテーパーハンドルが採用されています。
素早くガソリンを入れられるように、燃料を入れる口が2つあるのも、DR800S(1990年型)の特徴。
1988年のデビュー当時は727ccだったエンジンは、1990年型で排気量を779ccまで拡大。
当時の単気筒エンジンとしては世界最大級の「油冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒」を搭載していました。
また、スズキの油冷システム『SACS(Suzuki Advanced Cooling System)』を採用し、2軸バランサーも搭載することで、熱対策と振動軽減に貢献していました。
フロントには280mmの大径となるディスクブレーキを搭載。
オフロード走行の際に、砂などがディスクに付着しにくいように、キャリパーまで覆われたディスクブレーキガードが標準で備わっていました。
(下に続きます)
他にも『Suzuki Global』のYoutubeチャンネルは、貴重なアーカイブムービーやニューモデルの最新映像が更新されています。
みなさんも是非チェックしてみてくださいね!
スズキグローバル「Video Archive」はこちら!
【写真をタップするとYOUTUBEにジャンプします】