スズキの原付二種スクーター『アドレス』シリーズは歴代、特別な扱いをされています。誰が呼んだか、その名も“通勤快速”。改めて、スクーターの「実用性」って何? ってことを再認識させられます……

スズキの原付二種スクーター『アドレス125』って何がそんなに特別なの?

※本記事の車両は2017年カラーです

スズキのアドレス125って、改めて考えてみると、ちょっと異色のスクーターなのかもしれません。

バイクに詳しい人ならご存じかと思いますが、このバイクは通勤快速の異名をとっています。

通勤。つまり、お仕事。ふわっとした『街乗りバイク』じゃないってこと?

ちなみに、この通勤快速なる異名を象徴するのは1991年に発売されたアドレスV100でしょう。

50ccと同サイズの車体に2ストローク100ccのエンジンを搭載。

小さく、軽く、パワフル。国内だけで21万台以上を販売するという伝説を残しました。

その後継となっているのが、今のアドレス125です。

アドレス125は大きく見えるけど、実際はそうでもない

新しいアドレスは見た目に当時のアドレスV100よりも車体がすこし大きくなっています。

「あのコンパクトさが良かったのに!」というV100ファンの声もあるでしょうけど、実は全幅685mmと現行車もこのクラスとしてはけっこうスリムです。

ぶっちゃけどんな隙間にも入り込めそうなので、運転中は交通ルールの遵守を高いレベルで意識する必要があります。

今の『アドレス125』はパワー系の125ccバイクじゃない

エンジンは最高出力9.4馬力でこのクラスとしては標準的なレベルでしょうか。パワーで特に不足は感じません。

『信号待ちから、次の信号まで』といった区間距離の中での加速はなかなか鋭いものがあります。

ちなみにアドレス125は、メーカー側の実験によると、先代のアドレスV125Sよりもスタートダッシュでアタマひとつ前に出るそうな。

最高速ではわかりませんが、実用域では先代以上。だけど個人的には、けっこう高回転域の伸びがいいと感じてます。バイパスのような大きな幹線道路のハイペースも余裕だった!

でも、それより際立ったのは12インチ化されたフロントホイールによる安定感です。

10インチだと、高い速度域ではどうしても不安定になりがちなんですが、現行車のアドレス125はかなり直進安定性に重きが置かれていると感じます。

スピードが乗ってきた後のほうが、おそらくアドレス125は本領を感じやすいと思う。

あくまで125ccの範疇にはなりますが、原付二種クラスのスクーターとして高速域に強いです。

その安定感はコーナーでも同じ。

フラついたりしなくて、ちゃんとタイヤの接地感が感じられるのに驚きました。

125ccのスクーターって、もっと希薄な接地感だと思っていたんですが……

このリアサスペンションがなかなか良い仕事をしてくれるんです。

スロットルオンでグッと踏ん張る感じが明確。

大らかなハンドリングでぐわっと曲がって、そこから後輪のトラクション重視でコーナリングするのが楽しい特性です。

(下に続きます)

普通のスポーツバイクに例えるなら、大排気量のアメリカンクルーザーとかツアラーに近い感覚。スロットルを開けて、加速しながら曲げていくタイプです。

ちなみに実用重視とはいえ、スタイルも現代的にアレンジされています。

いくら使い倒すことが目的とは言っても、買うなら当然カッコいいほうが良いですから、こういうデザインは嬉しいところ!

でも、なにか足りない……

とはいえですね……

「実用キング!」とか「通勤王!」とまで言うには、個人的にちょっと物足りないかも、と思っています……正直ですみません。

そんな時に(マジで偶然に)出会ったのが『スズキのバイク!』編集部のある新橋で、居酒屋を営む岡田勇さんでした。

プロが仕事で毎日(4年間)スクーターを使い倒すとこうなる!ってお話、この後の続編でちょっとお聞きくださいませ!

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