排気量1300ccオーバーで最高出力188馬力。新型に限らず、そのスペックを聞いて『隼はヤバいやつだ』と誤解されることが多いのが悩みのひとつ。 でも、ゆっくり走ったほうが『隼』っていうバイクは楽しかったりもするんです。

隼が『速いだけ』のヤバいバイクなら、ここまでの人気車になってない

新型『隼』様にはじめて乗った時は、愛車の2代目様を超えるスポーティな走りに、いたく感動したのは昨日のことのように覚えています。

でっかいバイクなのに自由自在。新型『隼』は走りがスゴいぜ!

私(北岡)もヒトのこと言えた義理じゃありませんが、そういう話はたくさん見かけられますし、紛れもない事実。まぁ、それくらい新しい『隼』様は進化してるってこと……

な・の・で・す・が!

隼っていうバイクは基本的にゆっくり走っても楽しいバイクなんです。

とはいえ乗ったことが無いと『そんなこと言われてもネェ……』ってなるのが自然なリアクションだと思います。だけど、これは隼使いたちの中では常識みたいなもの。

だって、考えてみてください。

もし隼が『速いけど難しいバイク』だったら、それは一部の人しか楽しめないバイクになっちゃいます。そういう限定的なバイクじゃ、世界中で愛されている、今の人気を確立できたはずがないんです。

実際の話ですが『隼駅まつり』には20代の女性オーナーや、70歳のオーナーまでいる訳ですし。

もし隼が手強いだけのバイクだったら、これほど老若男女問わずに愛されていないはず。

まぁ、そうは言っても、なかなか信じられないと思うので、今回は徹底してゆっくり走った時の新型『隼』様の感想をお伝えしたいと思う次第。

スポーティさ、完全に、一切抜き!(笑)

エンジン回転数は4000回転を上限でツーリング!

という訳で今回はエンジンの回転数を『4000回転までしか使わない』という条件で走ってみます!

なーんて言うと、すごくゆっくりな感じに聞こえるでしょうか?

まぁ、4000回転なんて普通に考えたら、ほとんどナラシ運転みたいなレベルですからネ。

ただね、隼の場合はちょっと事情が違います。

とりあえず高速道路から話をしますが、現実問題として、新型『隼』様の場合で言うと6速/4000回転の時点でもう既に時速120kmになっちゃってる。

新東名や東北道などの時速120km区間も、4000回転で余裕。

つまるところ日本の法定速度は4000回転以下で全部網羅できちゃうんです(笑)

それでいて歴代の『隼』様たち同様、新型も高速道路クルージングは最も得意なシチュエーション。

純粋なツーリングバイクも真っ青の快適すぎる乗り心地と、絶大な直進安定性は、仮に大型バイク初心者の人でも『安心感しか感じない』という状況になります。

でもそれだけなら『2代目の隼』まででも同じこと。

だけど新型『隼』様には、2代目までにはないアレが新搭載されているのです。

新型『隼』のクルーズコントロールが最高すぎる理由

それがこちらの『クルーズコントロール』です。

ボタンをポチッと押すだけで、高速道路を一定速度キープで走ってくれる便利装置。

スズキでは他にVストローム1050などにも搭載されていますが、それと隼様では訳が違う!

だって、隼って、なんだかんだいってもセパレートハンドルで前傾姿勢のバイクですもん。

いくら快適な乗り心地と安定感でも、乗車姿勢として、そのうち疲れてくるのは避けられません。

ところがクルーズコントロールを使うと……

圧倒的にサボれるっ!

ハンドルには手を添えるレベルにして、なるべく上半身を起こす。そしてクルーズコントロールを時速90kmあたりにセットして、左車線を淡々と。

これが最高すぎた。

2代目『隼』様が愛車の私(北岡)として、心の底から羨ましい……

時速90kmくらいで左車線をキープしてると、よほど遅いクルマが現れない限り、前を塞がれることもないし、後ろからトラックとかに追いつかれることも少ないんです。

スロットルを捻ってないので、かなり上半身を起こせます。これによって疲れが抑えられるし、気持ちにも余裕ができる。

ぶっちゃけ右車線(追い越し車線)の速いクルマたちにバンバン抜かれますが、こちらは掛け値なしに時速300kmの実力を秘めているので、優しい気持ちで先を急ぐクルマたちを眺めていられます。

2代目の隼でも高速道路は余裕ありまくりで楽しかったけど、新型はそこに『疲れない』あるいは『ラクができる』という性能が超大幅に増強されているんです。

これは、2代目までの隼では絶対に真似できない……

(下に続きます)

前傾姿勢のバイクだからこそクルーズコントロールが絶大な威力を発揮するんです。

新型はこんなにラクができるのか!? と悔しさすら感じました……

高速道路をゆっくり流すなら、歴代『隼』の中で、新型が断トツにいい。

ちょっとこれ、ズルいだろ?

そうやって軽く嫉妬するほど、新型『隼』は高速道路を淡々とゆっくり走るのが得意なバイクに生まれ変わっていたのです!

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