今となってはなかなか見ることが難しくなった貴重な「スズキの歴代バイク」を紹介する連載企画。 そんなスズキの歴代バイクを振り返りながら、もし「今のバイクに例えるなら…?」と、編集部 岩瀬が独断と偏見で選んでみたいと思います。今回は人気漫画の主人公も乗った『GS400』です!

SUZUKI GS400(1976年)

「400ccクラス初のDOHCエンジンを搭載!」

SUZUKI GS400(1976年)

2ストロークエンジンを得意としていたスズキでしたが、時代の要求に沿って4ストロークエンジンの開発にも着手しました。

1976年にはスズキ初となる750ccの「空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒エンジン」を搭載した大型二輪車『GS750』が市販化され、スズキ4ストロークエンジンの歴史が本格的にスタート。

そして、同年に400ccクラスで初となる「空冷4ストロークDOHC2バルブ2気筒エンジン」を搭載した『GS400』が発売されます。

4ストロークエンジンの開発においては、競合他社にやや遅れをとっていたスズキでしたが、当時の400ccクラスでは唯一となるDOHCエンジンを採用したことで大きな話題となりました。

400ccの2気筒エンジンは、最高出力36PS、最大トルク3.2kg-mを発揮。

重くなりがちな4気筒エンジンを搭載しているにも関わらず、重量172kg(乾燥)という驚異的な軽さを実現していました。

スリムな車体に加えて、外装は極力シンプルなデザイン。そのバイクらしい普遍的なスタイルは根っからのバイクファンやカスタム好きから絶大な支持を受けました。

SUZUKI GS400E(1978年)

1978年には、バリエーションモデルとして、星形キャストホイールを採用した『GS400E』も登場しています。

『GS400』の人気を更に高めたのは、1982年から連載が始まった人気漫画「湘南爆走族」の主人公“江口洋助”が乗っていたことで、当時の漫画ファンやバイクファンが熱狂するほどの大ヒットモデルとなりました。

また湘南爆走族は実写映画化もされ、主人公には俳優の“江口洋介”が、青いタンクにピンクのファイアーパターンが入った『GS400』のカスタム車で劇中に登場するなど、一大ブームを巻き起こしています。

(下に続きます)

現行車に例えるならどんなバイク?

さて、ここからはあくまでもスズキのバイク編集部 岩瀬の個人的な主観で「現在のバイク」に置き換えてみる妄想企画です。

スズキの「GS」シリーズは、更にスポーツ性能を高めて高性能化された「GSX」シリーズに受け継がれていくことになりますが、現在のモデルに例えると(排気量などは異なりますが)普遍的なスタイルというところで「SV650」に近いものを感じます。

SV650(2022) 車両価格:803,000円(消費税10%込み)

SV650はトラスパイプフレームに650ccのVツインエンジンを組み合わせスリムな車体を実現。大型バイクでありながら装備重量199kgの軽さも注目すべきポイントです。

不等間隔爆発がもたらすVツインエンジンの鼓動感と軽量コンパクトな車体は、驚くほど素直なハンドリングを生み出しています。

令和2年度の国内排出ガス規制に対応させた「SV650 ABS」の2022年モデルが1月26日より発売されています。

シンプル且つスタイリッシュなデザインと、誰にでも扱いやすく乗り手を選ばない「SV650 ABS」は、オーソドックスなスタイルで人気を博した「GS400」と重なるように思えるのです。

こういったユーザー想いの設計は『スズキらしさ』として今も昔も変わっていませんね。

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