Vストローム1050XTと『走り』に違いがありすぎです……
Vストローム1050の扱いやすいパワー特性に甘えて、ちょっと雑にクラッチミート。いつもどおりスルスルと動き出す車体。ここまではキャストホイール仕様のVストローム1050とワイヤスポークホイール仕様のVストローム1050にそれほど大きな差は感じません。
でもその先……
『発進』から『加速』に移るためにアクセルを開け足した時!
え……っ!?
なんか、速い?
っていうかパワー感がVストローム1050XTと全然違う。断然、力強い!
大げさに聞こえるかもしれませんが体感としては『排気量が50ccくらい違う』って言われたほうが納得するくらい、キャストホイール仕様のVストローム1050がパワフルなんです。
だけどもちろん、排気量が違うなんてことは無いし、ギア比だって同じ。
なんだこれ? 何が原因でこんなにパワー感が違う?
内心、ちょっと焦ってバイクを一旦停車。道端に座り込んでスマホを取り出し、スズキの公式サイトでスペックシートをチェックです。
そこで見つけた差は……車両重量でした。
Vストローム1050って、ワイヤースポークホイール仕様のVストローム1050XTより重量にして11kgも軽いんです。
ちなみに、同サイズであればキャストホイールとワイヤースポークホイールの重量を比較した場合は『キャストホイールのほうが軽い』というのが現代的な一般論。
そのうえでVストローム1050XTは、豪華ツーリング仕様としてセンタースタンドやアクセサリーバーをはじめとした装備が盛りだくさんなので、ホイールの違いだけじゃなく、そのあたりでも重量差が大きくなっていると推測されます。
リッタークラスの大排気量車といえど11kgの差はさすがにデカい……
そして、それ以上に好感触だったのは『パワー感がしっくりくる』ということでした。
ちょっとわかりにくい話で申し訳ないんですが『このエンジンは、こっち(Vストローム1050)が本当の姿なんだな』という感じ。
Vストローム1050XTだけしか知らなかった頃には、そんなこと思いもしなかったけど、Vストローム1050&XTが搭載する排気量1036ccの水冷Vツインエンジンが本来持つポテンシャルを感じることができたような気がしています。
軽く回るフィーリングはそのままに、だけど厚みのあるトルクに支えられている安心感がある。それが何とも心地よいフィーリングで……本気で反省しました。やっぱりバイクっていうのは『乗ってみるまでわからないもの』だっていうことを再認識した次第です。
しかも、違いは『パワー感』だけじゃない
そのうえで、走りの違いはエンジンだけじゃないんです。
キャストホイール仕様のVストローム1050……動きのすべてに『軽さ』がある!
これはもうキャストホイールの恩恵だと思いますが、ライダーの要求に対する応答がXTよりも明確です。
キャストホイール自体の軽さによるバネ下重量の軽さ、ホイール自体の剛性がもたらす違いは想像以上に大きいものでした。
乗り手が曲げようとすれば、スウッと軽やかにバイクが動き出す。元々がアドベンチャーバイクとしてのハンドリング特性なので『鋭い』とか、そういう種類のものじゃありません。
だけどライダー側の入力にスマートに応えてくれることそのものが『心地いい』と感じます。
しかもね、ブレーキフィーリングまで違うんですよ。スポークホイールっていうのは強い負荷が掛かるとホイールリム自体がたわむ(それによってオフロード走行時などの強い衝撃を逃がす)んですが、キャストホイールにはそれがない。
ブレーキレバーを握って、フロントフォークが縮み、ブレーキがきちんと効力を発揮するまでのライムラグが少ないと言うか……優しさの中にダイレクト感があるんです。
いやいや……なんだろう、これ?
見た目は完全に『武骨な男のアドベンチャーバイク』っていう風体なんだけど、走らせていると、だんだんそう思えなくなってくる(笑)
(下に続きます)
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どっちかっていうと、大型ネイキッドに乗っているみたいな感覚のほうが近い。
諸々はアドベンチャーバイクの動きなんだけど、なんかこうオンロードスポーツに乗ってるみたいな昂揚感があるんです。
Vストローム1050って本当に『アドベンチャーバイク』なのか、ちょっと疑問になってきた(笑)
まぁ、こういうのはコーナーで試してみるのがいちばんわかりやすいので、次回はワインディングへ突撃です!