兄弟車『Vストローム800DE』と違いすぎて戸惑う……
2022年のミラノショーで発表され、2023年3月に発売を迎えた新設計800ccエンジン搭載の大型ロードスポーツがGSX-8S。
新設計エンジンに加えてフレームも新設計となると、スズキファンとしては期待するしかない訳なんですが、私(北岡)はこのバイクより先に兄弟車となるVストローム800DEに乗っています。
Vストローム800DEはダート走行を強めに意識したアドベンチャーツアラーで、個人的には『なんか上級車向けっぽい……』と尻込みをしていたんだけど、フタを開けてみたら……まぁビックリ!?
ツンツンしててとっつきにくいかと思いきや、一緒にいる時間が長くなるほど優しさが顔を覗かせて……なんかもう惚れそうです。アドベンチャーバイクは特に興味ないよ、という人もよろしければ上記の感想文をお読みくださいませ。楽しすぎて徐々に私のテンションがおかしくなっていきますので。
さて、話を本題に戻しますが今回はGSX-8Sのお話です。
とはいえ先に乗ったVストローム800DEに恋心を抱いている私のこと。その遺伝子を共有した二卵性双生児ともなれば、気になるのは当然でしょう。
しかも、スラッと足長で知的なVストローム800DEと比べれば、小柄だけどちょっと派手めで元気いっぱいなGSX-8Sの見た目にドキドキ……目元が似ているから余計にねぇ。
とまぁ、アホな話はこれくらいにしておいて、GSX-8Sはパッと見だとそれなりのボリューム感があります。とはいえVストローム800DEに比べれば威圧感は無し。それでいて、Vストローム800DEのような優しさが内包されているなら、それって最高じゃないか!? などと思っていました。
で、跨ってみての第一印象ですが。
シートとタンクの絞り込みというか、もともとの骨格(新設計の鉄フレーム)の細さというか……とにかく『くびれ感』がハンパない。
これ、跨らずに『見てるだけ』じゃわからないです。タンク周辺とかシュラウドあたりとか、けっこうボリュームがあるので『そうは言っても800ccか……』という印象を受けるんですよ。でも実際は違った!
マジで400ccかよ……
そう言いたくなるくらいの乗車感です。手を伸ばすとそこに自然にハンドルがあって、シート高は810mmだけど足が下ろしやすいから印象的にはシート高790mmくらいに思える。
しかも車両重量は202kgの軽さ。要するに、身構える要素がどこにもない。
エンジンだって、Vストローム800DEと同じくクラッチミートから発進で使う3000回転あたりまではドライブモードをフルパワーの“A”にしておいてもスルスル~っと優しく走ってくれます。
その先、4000~4500回転あたりで一気にパワーを出してきて、油断するとフロントタイヤが持ち上がるのは既に知っているので、そこだけ警戒しつつ。でも総じて走り出しの印象は『乗りやすそう』のひと言に尽きました。
だが、しかし———。
この先で、私は大きく戸惑うことになるのです。
甘かった。考えてみればわかることだけど、スズキが新型として鳴り物入りで出してきた800ccの『大型ロードスポーツ』が、そんなに甘い訳はないんですよ。だけど色んなことが全部フレンドリーで、今回は最初の時点で読み違えた。
(下に続きます)
まさかこんなにも『400ccくらいのボディサイズに800ccのエグいやつ載せておきましたから!』みたいなノリを地で行くバイクだとは……
正直、GSX-8Sはガチで走らせようと思うとけっこう手強い……。
パワーフィーリングなどはもちろん最新の技術で洗練されているけど、全体の印象としては、ひと昔前で言う“じゃじゃ馬”みたいな感じ。現代版のじゃじゃ馬というか。
その正体、そして『振り回されただけ』に終わった感のあるワインディング……この後に続く【中編】にてお伝えさせて頂こうかと思います。