街乗りだけじゃ物足りない！『Ｖストローム650』で郊外へ！
初めて試乗する「Ｖストローム」シリーズとなったスズキのミドルクラスアドベンチャー『Vストローム650』。
大柄な車格に反して意外なほど街乗りでも扱い易く、高い快適性を見せてくれました。
しかし、まだ聞いていたような“奇跡のバイク”って印象には届かないので、その辺りをもう少し走り込んで検証したい！
それにやっぱり「アドベンチャーモデル」なら冒険、とまではいかなくても街を飛び出して遠出したいじゃん！
というワケで高速道路を使って郊外へ！
高速道路といえば『GSX-S1000GT』での青森強行軍が記憶に新しいですが『Vストローム650』はいかに⁉
『Vストローム650』なら高速道路でどこまでも！
まず高速道路に入ってチェックしたのは、時速と回転数。
個人的に高速道路はエンジンの振動が少ない回転域でのんびりクルージングしたい派なので、振動の少ない回転域でどのくらい速度が出るかという点は試乗の際は毎回チェックしているポイントです。
『Vストローム650』の6速における80km/h、90km/h、100km/hでの回転数はメーター読みでそれぞれ約3500rpm、4000rpm、4500rpm。
4500rpmくらいから力強さと共に振動が増していく印象があるので、個人的には80～90km/hくらいでのんびり流すのが一番ストレスが無かったように感じます。
もちろん、制限速度いっぱいで大型Ｖツインエンジンの力強さを感じながら走るのも楽しく、6速100km/hで巡航している最中でもしっかり加速するので、120km道路の追い越し車線変更などは楽々です。
また、前回の【①街乗り編】でもお話しした通り、しなやかな前後サスペンションに加え、上体の起きた快適なライディングポジションと肉厚なシートのおかげで乗り心地が超快適！
高速走行中の道路の継ぎ目の通過なんてものともしません。
そして、やはり高速クルージングで大きな恩恵となるのが、この壁のようにそびえ立つウィンドスクリーン！
だんだんと秋も深まってきた10月中旬。風を凌げるウィンドスクリーンは心強い味方！
……なんですが、走行中に左手でウィンドスクリーンのカバー領域を探ってみると、肩からくらい上が絶妙に足りていない……。
しかし、痒い所に手が届くのが『Ｖストローム650』！
ウィンドスクリーンは3段階で高さ調整できるようになっていて、デフォルトで一番下だった位置を一番上にしたらしっかり肩まで守ってくれました！
ちなみに今回試乗した無印の『Ｖストローム650』には『Vストローム650 XT』に標準で装備されているナックルカバーが無いので、冬のツーリングにはオプションでナックルカバーセットを取り付けると防風性能が追加され、鬼に金棒な予感です。
まぁ、ハンドガードが無い状態でも高速復路においては、いっそ笑えるくらいの快適性を提供してくれてたんですけどね！
燃費が良くて航続距離もすこぶる長い！
先に燃費のお話をしてしまうと、413.5km走った今回の総給油量は18.32L。満タン方式で計算すると、燃費は22.57km/Lでした。
こう見ると意外と平均的な数値に見えてしまうのですが、『Vストローム650』の燃料タンク容量は20Lが確保されているので、航続距離に換算すると400kmを優に超えます。
実際、今回は413km走りましたが、無給油で走り切ることができました。
しかも、次のワインディング編で峠を走り回ったのに関わらず、です……。
公式で発表されているWMTCモード値の燃料消費率が23.6kmなので概ね実測燃費は正しく取れているのですが、あれだけワインディングでぶん回した分をまさか帰りの高速道路でカバーできているとは……。
▲各トリップでの平均燃費を表示してくれるインストルメントパネル。写真はワインディングを走った後で、当然ながら燃費はガクッと落ちました（汗）
ワインディングでガソリンを使い過ぎたので帰路の高速道路ではなるべく一定の速度＆スロットル開度で燃費走行を心がけていたのですが、メーターのリアルタイムの平均燃費は、記憶違いでなければ、ときにリッター30km以上を記録していました。
次回はそんなワインディングでの『Vストローム650』についてお話しします。
（下に続きます）
正直、乗り心地が最高に快適で燃費の良い『Ｖストローム650』は、この時点でどこまでも行けてしまいそうな印象を受けましたが、これらはまだまだ『Ｖストローム』の魅力の片鱗でしかありませんでした。
このバイク、ワインディングがヤバすぎる……⁉
To be continued……
【文：石神邦比古（モーターマガジン社）】