新型『GSX-8R』に乗った感想をお届けしたい……のですが
いきなり言い訳がましいですが、この新型『GSX-8R』に乗ってみた感想は（自分で言うのも何ですが）あまりアテにできません！
なにがってバリバリのニューモデルのため、じっくり乗る時間が取れなかったのです。なので今回は本当に“さわりだけ”だと思っていてください。後日、改めてキッチリ乗ってみたいと思っています。
ただ、ひとつだけ間違いなく言えることがあります。
それは私（北岡）がGSX-8R国内仕様情報の発表と共に公開した「GSX-8R妄想インプレ」の記事は、ぜんぜん的外れだったということ。
やはり予測だけで物を言ってはいけない。口は災いのもとです。
その記事の中で、私はGSX-8Rの走りに妄想を限界まで膨らませています。
だけど、実際は大きく方向性が違った。GSX-8Rはフルカウル＆セパレートハンドルなのでバッキバキのスポーツバイクになってくると予想していたんですが、そうじゃなかったんです。
これは「スポーツバイクに対する考えかたが違った」と言うべきなのかもしれません。
それを感じたのは、GSX-8Rと対面を果たし、跨った瞬間でした。
なんか、めっちゃライディングポジションが優しい……
なんならネイキッドGSX-8Sとそれほど変わらないようにすら思えます。
しかもセパレートハンドルながら、ハンドル幅もけっこう広い？
ここは車体の寸法（全幅）などから予測できたはずなんですが、気分的に舞い上がっていたのか（妄想インプレを書いている時点では）完全に見落としていました。
でも実際はネイキッドのGSX-8Sよりも60mm低く、6mm前方にハンドル位置が変更されています。だけどセパハンだから！ って身構える必要はどこにもない。なんなら普通に快適ツーリングとかできそうなんだけど？
だってほら、ご覧の通りです。
身長176cmの私の場合、腕の力を抜いてヒジに余裕を持たせても上半身は「軽い前傾」といった程度。ハンドル幅も広いので「気分はバーハンドル」と言っても差し付かえないレベルでした。
なんか、思ってたんと違う……
ただ、クラッチを当てた瞬間に『あ、これはいいバイクだ』と直感したのも事実です。
クラッチミートと共に車体がスウッと優しく動き出す。バイクの動き出しとライダーの感覚にズレがないというか、乗り手の意志を汲み取ってバイクが即座に応えてくるような感覚です。
一瞬、GSX-8Sとは低回転域のインジェクションのセッティングが違うのか？ と思ったくらいでした。この部分のフィーリングはGSX-8Sよりも好みです。
ただ、乗った日の後にスズキさんが「商品説明会」を開催してくれて、そこで聞いた限りだと「8R」と「8S」のエンジン仕様は完全に同じ、とのこと。
でも体感は明らかに違うので納得いきませんでした。なので、それを開発陣の人（主にテストライダーさん）にぶつけてみたら「おそらくサスペンションの影響だろう」という回答が。
興味のある人はご存じかと思いますが、GSX-8Rは前後にSHOWA製のサスペンションを装備しています。そしてその前後サスは「フルカウルのスポーツバイク」としてセッティングされている。
つまりこれ、一般的に言う「ダイレクト感」というものらしいです。
ダイレクト感っていうと、なんとなくワインディングでスポーティに走っている時のイメージに思えますが、走り出しのクラッチミート程度でもダイレクト感は感じられるのだ！
……ということを、私は今回はじめて知りました。
そして、GSX-8Rの街乗りでの第一印象ですが『とにかく従順』というイメージ。ハンドリングも予想していたよりは穏やかなキャラクターで、クイックさよりも優しさ成分のほうが強く感じられます。
乗り手の操作を受けて、きちんと反応する。これもまた「ダイレクト感」というやつなのでしょう。
そして、足まわりはコシがあるけど硬すぎない感じ。
うーん？ これどういうこと？？？
運転にダイレクト感があって、足まわりにはスポーティさの片鱗が感じられて。だけど乗車姿勢は快適でハンドリングは穏やかって？
ツアラーっぽいような、でもスポーツバイクでもあるような……
（下に続きます）
ぶっちゃけ街乗りでは正体をつかみきれませんでした。
なのでちょっと足を延ばして郊外に出てみることにしたのですが……冒頭にも言ったように「きちんと乗る時間」が取れなかったので、正直このバイクの全容は未だ把握してきれていないと感じています。
そんな状況で恐縮ですが、よろしければこの後もお付き合いくださいませ。ただまぁ、走ってみても少々の「？」が残っているというのが、正直な話なんですが……