SUZUKI RM250(1976年)
「現在でも受け継がれるスズキ・モトクロスのDNA」
スズキは1965年頃から日本メーカーとしてモトクロス世界選手権にいち早く挑戦を始め、ワークスマシンのRHシリーズで数々の好成績を納め、“スズキイエロー”を世界に印象付けました。
その後、RHシリーズは市販車モトクロッサーの「TMシリーズ」に受け継がれて行きますが、今回紹介する1976年に登場した「RM250」は、“RM”のネーミングが付けられた最初の250ccモトクロッサーになります。
RM250のベースモデルとなったのは、スズキがモトクロス世界GPで2年連続で優勝した「TM250(1972年)」が起源ですが、エンジンやフレーム、足まわりなどを大幅にグレードアップさせました。
新設計の軽量で強靭なセミダブルクレードル型パイプフレームに、セリアーニタイプのフロントサスペンションを採用。
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特にリアサスペンションは、窒素ガスを封入した油圧式のショックアブソーバーをフレーム中央部にレイダウンして取り付けるなど、現在でも通用するほどの高性能なサスペンションを搭載していました。
公道を走ることができず、クローズドのオフロードレース用に開発されたスズキのモトクロッサー「RM」シリーズは現在でも「RM-Zシリーズ」として受け継がれています。
現行車に例えるならどんな車種?
さて、ここからはあくまでもスズキのバイク編集部 岩瀬の個人的な主観で「現在のバイク」に置き換えてみる妄想企画です。
スズキのモトクロッサー「RM」シリーズは、現在でも4ストロークモデルの「RM-Zシリーズ」として受け継がれていますから、現在のモデルに例えると間違いなく「RM-Z250」になるでしょう。
2ストロークモデルだったRM250シリーズが、4ストロークモデルの「RM-Z250」に生まれ変わって登場したのは2004年ですが、レースに勝つために毎年のようにモデルチェンジやバージョンアップが行われています。
ニューグラフィックを纏った「RM-Z250」の2022年モデルは、ツインインジェクターの採用やエキゾーストシステムの改良、シリンダーヘッドの変更などにより出力の向上を図ったほか、フレームや足回りも強化し、戦闘力を更に高めたモデルになっています。
公道を走れないレース専用マシンなので、オフロードファン以外のライダーには比較的馴染みが薄いマシンではありますが、スズキ・モトクロスのDNAは現在でもしっかりと受け継がれているんですね。