『Vストローム』シリーズの歴史を調べてみた!
皆さんもご存知かと思いますが、スズキはアドベンチャースポーツ『Vストローム』シリーズの新型『Vストローム1050DE』、『Vストローム800DE』の発売を控えております。
そこで今回は『Vストローム』シリーズの歴史を紹介!
……というのも、恥ずかしながら、私(石神)はまだまだスズキのバイクについては「にわか」もいいところでございまして。新型が発売される前に『Vストローム』の歴史について、しっかり押さえておこうという魂胆です。
そんなわけで調べてみたのですが、ルーツとなったモデルの登場は2002年。
もう20年以上も経っていたのか……。
エンジンなど機構的なルーツを辿ると割ときりがないので、今回は『Vストローム』の名を冠した歴代モデルを簡単に紹介します!
2002 スズキ『Vストローム 1000』(輸出モデル)
ドイツ語で“風の流れ”を意味する『Strom(ストローム)』の名を初めて与えられたモデルが、2002年に輸出モデルとして登場した『Vストローム1000』です。
……クチバシは⁉
現行モデルとは大きくイメージが異なります。でも、そういえば「Vストロームミーティング」でも見た気がする。20年以上も前のモデルだったのか……。
吊り上がった大きなデュアルヘッドライトが印象的な初代『Vストローム』は、冒険心をくすぐるアドベンチャーツアラーでありながら、『TL1000S/R』や『SV1000/S』に搭載された高性能なDOHC4バルブ水冷V型2気筒エンジンやアルミフレームなど、スポーツモデルの要素を取り入れた挑戦的なモデルでした。
エンジンを受け継ぎつつも、フューエルインジェクションをより熟成したものにすることで燃費性能を向上させ、ツアラーとしての長い航続距離を確保しています。
2004 スズキ『Vストローム 650』(輸出モデル)
2002年の『Vストローム1000』に続いて、輸出モデルとして2004年に登場したのが『Vストローム650』です。
こちらも現代で見慣れた“クチバシ”スタイルではなく、『Vストローム1000』に近いスタイリングのモデル。
荷物を積載しやすい形状のリアキャリアや、3段階で調節できる大きなウィンドスクリーン、最大容量22リットルの大型タンクなど、快適なツーリングをサポートする装備が多数用意されていました。
それに加えて大径ダブルディスク、前後ラジアルタイヤ、プリロード調整可能な前後サスペンションなどの装備が与えられ、それまでのミドルクラス・アドベンチャーツアラーにはない、スポーティーな走りを楽しむことができるモデルでした。
2013 スズキ『Vストローム 650 ABS』
そして、『Vストローム650』初登場の2003年から10年。国内初の『Vストローム』となる『Vストローム650 ABS』が、同モデルの輸出仕様より2年遅れて登場しました。
スタイリングは初代『Vストローム650』よりやや細身なイメージに。スポーティな走りを受け継ぎつつ、多機能メーターやABSなどツーリングの快適性をさらに高める装備を手に入れています。
そして、V型エンジンもさらに力強く、扱いやすく進化。街乗りから高速道路、山岳路まで幅広いツーリングスタイルに対応したモデルとなっていました。
2014 スズキ『Vストローム 1000 ABS』
2013年登場の『Vストローム650 ABS』の後を追って、2014年に国内導入されたのが『Vストローム1000 ABS』
「ワイルド&スマート」をコンセプトとしたスタイリングは、フロント部分に往年のラリーマシン『DR750S』をモチーフにしたデザインが採用され、よりインパクトのあるイメージに。
ここでやっと私(石神・24歳)にも見覚えのあるカタチになりました!
軽量・コンパクトな車体は取り回しがしやすく足つきも良好。エンジンも低中速で扱いやすさを高めたものに進化しました。
また、スズキの二輪車で初となるトラクションコントロールシステムが採用されるなど、装備も充実したものでした。
2014 スズキ『Vストローム 650XT ABS』
『Vストローム1000 ABS』と同時に、『Vストローム650 ABS』に、ワイヤースポークホイールを採用したバリエーションモデルである『XT』が登場しました。
『Vストローム1000 ABS』同様、フロント部を『DR750S』をイメージした形状に変更し、チューブレスタイヤ対応のワイヤースポークホイールを装備。
この時点では、エンジンのアンダーガードは『Vストローム650ABS / XT ABS』両方とも装備していて、ナックルカバーなどの装備追加はありませんでした。
2017 スズキ『Vストローム 650 ABS / XT ABS』
そして、おそらくVストロームシリーズの転換期となるのが2017年。
Vストロームシリーズが全面改良されてモデルチェンジした年です。
シリーズ共通で、1988年発売の『DR-BIG』を想起させるスタイリングとなり、『Vストローム650 ABS』はここで現行モデルのカタチに。
最高出力・最大トルクと共に、アドベンチャーツアラーとしての快適性も大幅に向上。可変式スクリーンは従来モデルより高く設定され、座り心地と足つき性に配慮したスリムなシートを採用。XTモデルにはアンダーカウルやナックルカバーも装備されました。
また、「ローRPMアシスト」や2段階から選択できるトラクションコンロトールの採用で、より快適なライディングが実現しました。
2017 スズキ『Vストローム 1000 ABS / XT ABS』
『Vストローム650 ABS / XTABS』と同時に、『Vストローム1000』も全面改良を受け、ワイヤースポークを採用した『XT』モデルもラインナップ。
エンジンはVストローム1000らしい出力特性を維持しながらも、32.1km/Lという優れた燃費性能を実現しました。
『Vストローム650』シリーズと共通した装備の追加・改良が行われましたが、『Vストローム1000』には、モーショントラック・ブレーキシステムが装備されました。
2017 スズキ『Vストローム250』
そして、2017年が『Vストローム』シリーズの転換期と言える最大の理由が『Vストローム250』の登場です。
シリーズ共通の“クチバシ”スタイルとタフなイメージを強調するヘッドライトを備えたデザインで、瞬く間に大人気モデルとなりました。
250ccクラスとしては大柄な車体に、GSX250R譲りの低中速での扱いやすさに長けた水冷並列2気筒エンジンを搭載。
ウィンドスクリーンやリアキャリア、ナックルカバーなど、ツアラーとしての快適性を高める装備が多数用意され、街乗りから長距離ツーリングまで幅広いシーンでの扱いやすさが魅力です。
普通二輪免許で乗り始めることのできる『Vストローム250』は、大型免許保持者がメインだった『Vストローム』の人気を更に拡大&促進させるモデルになったことは間違いありません!
2020 スズキ『Vストローム1050/ XT』
そして2020年、『Vストローム』シリーズの旗艦である『Vストローム1000 ABS』がモデルチェンジ。
現行モデルの『Vストローム1050』と、ワイヤースポークタイプの『Vストローム1050 XT』が登場しました。
「The Master of Adventure」をコンセプトに全面改良した新型は、より長距離ツーリングを快適に楽しむための性能向上や電子装備の充実が図られました。
排気量1036ccエンジンは、電子制御スロットルにより3つのモードセレクトから出力特性を選ぶことができ、さまざまな環境でより快適なライディングが可能に。
上級モデル『XT』にはヒルホールドコントロールなどの最新の電子制御も多数用意され、ナックルカバーやアルミ製アンダーカウル、アクセサリーバー、センタースタンドなどの装備が充実しました。
そして、スタイリングは『DR750S』のスタイリングを現代的にアレンジすることで、よりスポーツアドベンチャーらしいタフなイメージを強調したデザインになりました。
(下に続きます)
と、ここまでが私の調べたざっくりとした『Vストローム』シリーズの系譜です。
これから登場する新型は、未舗装路も視野に入れた設計が図られているようですが、もともとオンロードでのスポーツ性能&快適性を追求したという『Vストローム』シリーズが、どのような進化を遂げているのか今から楽しみです!
といっても、基本オンロード性能をスポイルするようなチューンはしていないそうですが……。
『Vストローム1050 DE』、『Vストローム800 DE』に関する情報が気になる方は以下の記事をご覧くださいませ!