スズキがMotoGPの台風の目になりつつある
MotoGP第8戦エミリア・ロマーニャGP……最高でしたよ、スズキが!
ジョアン・ミルが!!!
やばかったです。これはもう本物だなと確信しました。
予選はちょっと苦しだのかジョアン・ミルは11番手/4列目からのスタート。
仕方ないことですけど、序盤は集団に巻き込まれてしまいます。
その中でもがいているうちに、トップグループとの差はどんどん開いて……
ヤマハもドゥカティも速くて、さすがに今回はちょっとダメかな?と思いましたが……ジョアン・ミルはジリジリとポジションを上げていきます。
しかし、ドゥカティのD.ペトルッチをパスして、ようやく集団を抜け出した5周目、5位まで浮上したジョアン・ミル。
とはいえ4位のF.クアルタラロ(ヤマハ)までのタイム差は3.3秒以上……トップまではさらに離れています。
コンマ1秒を争うMotoGPにおいて、3.3秒差は軽く絶望的。
レース終盤までに、どこまで差をつめていけるか……と固唾を飲んで見守っていました。
残り4周で先行集団を捉え、一気にミルが襲い掛かる!
その緊迫の時間の中で、なんと単独でトップを走っていたF.バニャイア(ドゥカティ)がレース終盤に差し掛かる21周目(※27周のレースでした)にまさかの転倒!
このクラッシュでミルは自動的に4位となります。
でもその時点ではまだ、前を走るF.クアルタラロ(ヤマハ)までの距離はある……と思っていたら、残り4周。ガンガン攻めていたジョアン・ミルがF.クアルタラロ(ヤマハ)を射程圏内に捉えました。
そこからの2位争いが、今回のレースのハイライトだったといっても過言じゃありません。
スズキの時間の到来です!
スズキGSX-RRがヤマハとKTMを一気にオーバーテイク!
残り3周、3位走行中のF.クアルタラロ(ヤマハ)を華麗にオーバーテイク!
さらに残り2周となった時点で、2位を走るP.エスパルガロまでオーバーテイク!!!
もうなんか、めちゃくちゃ速いよスズキGSX-RR!?
そしてチーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルは
2位でフィニッシュ!
さすがに序盤の混戦中に大きく水をあけられたトップのM.ヴィニャーレス(ヤマハ)には届きませんでしたが、レースがもっと長かったらどうなっていたかわかりません。残り2周でも、どんどんトップとのタイム差を詰めていましたから。
すごかった。ジョアン・ミルの勢いが止まりません。
荒れたレースでクラッシュによる順位の変動もありましたけど、まさか11番手スタートで、序盤は集団に埋もれて……そこからの2位表彰台だなんて。
そして、もうひとつ言うならスズキのMotoGPマシン『GSX-RR』がすこぶる速い!
もちろんライダーの腕前もありますが、最高速で(速いと言われるホンダやドゥカティを抑えて)スズキがトップスピードを叩き出していたラップもあったんです。
気が付けばランキングトップまで4ポイント差
そして、混戦模様の2020シーズンMotoGP。
ライダーのポイントランキングも僅差になってますが……レースが終わってみればジョアン・ミルはこのレースの2位獲得によって80ポイント。ランキング4位は変わりませんでしたが……
ライバルたちの浮き沈みも激しく、実はランキングトップのA.ドヴィツィオーゾですら84ポイント。
トップまで、たったの4ポイント差!?
今シーズン、スズキには、そしてジョアン・ミルにも未だ優勝がありません。
ただし、安定して上位にいる。
それがこの結果です。
1戦でめまぐるしく順位が入れ替わる2020シーズンのMotoGPですが……
これは、いけるかも!?
スズキとジョアン・ミルが年間チャンピオンをロックオン完了です!
いっけえええぇぇっっ、チーム・スズキ・エクスター!
(下に続きます)
アレックス・リンス様……心配しております……
そして前戦サンマリノGPで、終盤はバイクをコントロールすることすら難しかったというアレックス・リンスの怪我が心配で仕方ありません。
今回は精彩を欠いていました。前戦の無理が祟ったのでしょうか……
今シーズンは連戦に次ぐ連戦で、怪我の回復に努める時間がまったくありません。
同じく第2戦で怪我をした王者マルク・マルケスやカル・クラッチローは欠場してますし、リンスは本当に超がんばってる……
この連戦シーズンでは難しいかもしれませんが、はやく回復して、ジョアン・ミルと共にGSX-RRで暴れまわってほしいです。
スズキが台風の目になりつつ2020シーズンのMotoGP。
次戦/第9戦カタルニアGPは一週間後の9/27に決勝レースです。
スズキファンのみなさま、次戦もお楽しみに!