テクニカルなコースでスズキのMotoGPマシン『GSX-RR』は強い
開幕戦、そして第2戦の舞台となった『ロサイル インターナショナル サーキット』はパワーや最高速がモノを言うサーキットで、例年ドゥカティが強いコースでした。
しかし第3戦ポルトガルGPはテクニカルなコースとなる『アルガルヴェ サーキット』で開催。
こういうコースはバランス型のスズキ『GSX-RR』の得意分野です。
それもあってか、いつもなら予選で苦しむチーム・スズキ・エクスターが大健闘。アレックス・リンスが2番手スタートという期待の膨らむレーススタートとなりました。
スタート直後は乱打戦の様相で、めまぐるしく順位が入れ替わりましたがオープニングラップが終わる頃にはリンスは2位、9番手からスタートのジョアン・ミルが一気に3位へジャンプアップ!
1周目からトップのドゥカティをスズキ2台が追いかけるという、スズキファン歓喜の展開となりました。
アレックス・リンスがトップへ
そして全25周で争われるレースの4LAPめが終わるころに、リンスがトップに躍り出ます。
そこから数周はリンスがトップを快走していたのですが……後方から予選トップだったF.クアルタラロ(ヤマハ)がじりじりをポジションを上げてきます。
F.クラルタラロは9LAPめにリンスをパス。ここで再びトップをスズキ2台が追いかけるという燃える展開となりました。
しかし、勢いのあるF.クラルタラロはその後にファステストラップを連発。スズキの二人をじりじりと引き離しにかかります。
15周目にはミルがJ.ザルコ(ドゥカティ)にパスされて4位へ後退。
しかし、トップのクアルタラロに食らいつくアレックス・リンスは15周目以降にファステストラップを連発!
さすがは後半に強いスズキ!と、ここでも世界のスズキファンは歓喜したことでしょう。ちなみに私(北岡)はそうでした。
まさかのリンス転倒……
しかし、トップを激しく攻め立てるリンスが……まさかの転倒。
勢いが止まらないF.クラルタラロを撃墜できるのはリンスしかいない!と燃えていたのですが、そこから一転……無念のリタイヤです。
でも転倒した直後にも、諦めずコース復帰を試みるリンスの姿勢が素晴らしかった。
激闘の果てのスリップダウン。それ自体は残念でしたが、現状で今シーズン調子のいいヤマハを脅かすのはスズキしかないな、と思わせてくれるリンスの奮戦には今後も期待したいところです!
しかしスズキにはジョアン・ミルがいる!
しかし、チーム・スズキ・エクスターのライダーはアレックス・リンスだけじゃありません。
2020シーズンのライダーチャンピオンであるジョアン・ミルがいます。
この3戦を終わって、改めて思うのはミルの走りは安定感が半端じゃないっていうこと。
なんさか最近は彼が転倒するというシーンをイメージできないっていうレベルにまでなっている気がします。
レースは2位争いが激化し、ラスト5周でミルは3位をキープ。2位表彰台はコンマ1秒ちょいで惜しくも逃しましたが、乱戦模様のレースの中で、ミルは抜群の安定感のまま3位表彰台を獲得という結果になりました。
アグレッシブに戦うアレックス・リンスとクレバーな走りのジョアン・ミル。
チーム・スズキ・エクスターのライダー二人は見ていて本当にワクワクさせてくれます。
トップを脅かす戦闘力を見せつつ、堅実に表彰台を獲得するチーム・スズキ・エクスターの強さを垣間見ることができた1戦でした。
第4戦スペインGPは5月2日開催。次戦の舞台となるへレス・サーキットも低~中速コーナーが連続するテクニカルなサーキットですから、スズキの活躍に期待が高まります!