街乗り快適!高速道路快適!と、なんだかんだ快適な面ばかりが前面に出てきている今回の『GSX-S1000GX』の試乗体験。でもいざワインディングに飛び込むと「GSX-S」の名を冠する走りは伊達じゃない……⁉

快適高級ツアラーの走りはしっかり「GSX」⁉

前回の高速道路だけで電子制御サスペンションの設定による挙動や乗り心地の変化は感じることができましたが「GSX-S」を名乗るなら期待するのはスポーツライディングでの走行性能!

前回は高速道路の快適性にフォーカスしましたがワインディングではどうか⁉

まずは高速道路で使用していたソフト+オートモード、SDMS(スズキドライブモードセレクター)はAモードで走り出したのですが……

好みもあるのかやはりこのモードだと柔らかすぎるような……

ブレーキタッチは握り始めで優しく、握り込んでいけばしっかりと効くコントローラブルな感触なのですが、それでもフロントがものすごく動きます。

まるでオフ車か?って思うくらいしなやかに動き、路面追従性は良くて収束も早いのですが、やはり17インチのスポーツバイクを操っている感覚は少し希薄。

ということで今度は極端にH(ハード)+2人乗りに変更してみると、一気にツアラーからスポーツバイクに様変わり!

ブレーキングでもフロントがしっかりと踏ん張り、リアも硬くなったことでコーナリングがよりシャープになりました!

これは、かなり楽しい⁉

正直、電子制御で路面追従性を上げてしまうと、路面からの情報がフラットになってしまうのでは? と思っていたのですがグリップ感はしっかり感じさせつつも余計な動きを抑えてくれているので、終始安心してライディングを楽しめる、そんな印象。

他にもM(ミディアム)や1人乗り+荷物などいろいろな組み合わせを試してみましたが、最終的に気に入ったのはH+1人乗りの組み合わせ。

Mだと個人的にもう少しシャープさが欲しくなってしまい、2人乗りモードだとやや突っ張りすぎるように感じたため、1人乗りモードの方が気楽にライディングを楽しむことが出来ました。

個人的にはもう少しフロント伸側が硬くなってくれると好みに近づくように感じましたが、実はこのサスペンション、好みに合わせて硬さを±3の範囲でセッティングができる「ユーザー」モードが搭載されているので、とことん自分の走りにアジャストしたい方にもバッチリ応える仕様となっていますよ!

今回は怪我が回復したばかりなので細かな調整はナシにしましたが、次に乗る機会があればとことん突き詰めてみたい!

……と、ここまでは電子制御サスペンションに焦点を当ててみましたが、この『GSX-S1000GX』、『GSX-S1000』シリーズなだけに素の状態でも十分高いスポーツ性があるように感じます!

まず17インチホイールを採用しているおかげでスポーツバイクらしいコーナリングの切れ味を体感でき、長い足と17インチホイールの組み合わせにより、まるでモタードマシンのような軽快さでワインディングを駆け抜けます。

上体が起きたライディングポジションによりコーナーの先を見通しやすく、姿勢変更がしやすい点は公道でライディングを楽しむには大きなアドバンテージに。

そしてなによりワインディングを楽しく感じさせてくれたのは、出力特性!

最高出力150馬力を発揮する998cc4気筒のモンスターエンジンですが、電子制御されたスロットルレスポンスが優し過ぎず、過激過ぎずの絶妙なセッティングとなっていて、Aモードでも1速で走れてしまうくらいの懐の深さがあります。

生粋のスポーツモデルほどのカリカリチューニング、といった感触ではありませんが、公道はサーキットではないので程よく楽しむには抜群のフィーリング!

もちろん双方向クイックシフターも標準搭載。
せわしないクラッチ操作が無い点は、周囲の安全確認や排気量の大きなバイクを操る上で大きなメリットでした。

(下に続きます)

正直、高級路線のツアラーモデルをスポーツモデルと同一の視点で比べるのは違う、という感覚はありますが、『GSX-S1000GX』は意識せずともスポーツバイクとして見てしまう、そんな「GSX」のDNAをしっかり踏襲したバイクだとワインディングでは感じました。

さて、思う存分“キレイ”なワインディングを堪能したけれど、“荒れた峠道”はどうだ⁉

To be continued……

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