ふたつの『SV650』の違いを生むのは……
※本記事の車両は2018年カラーです
ちょっと信じられませんが『SV650』と『SV650X』の基本的に違いは“ハンドル変更による乗車姿勢のみ”だそうです。
ステップ位置もシート高も同じ。
それなのに別のバイクだと思えるほどに違いました。
そこは先の【中編】でお伝えした通りですが、もうびっくりするレベルです!
コーナリングだけで話をしていいなら、カフェスタイルの『SV650X』が圧倒的にスポーティ。
それも『安心してバイクを寝かせていける』フィーリングなんです。
フロントタイヤの手応えを頼りに、ガツンと寝かせていっても怖くない!
そして、バイクの動かし方にも違いがあります。
ネイキッド『SV650』が、わずかな体重移動で軽々と左右に切り返せるのに対して、カフェの『SV650X』はすこしフロントブレーキを使ったほうがいい。
ブレーキリリースをキッカケに車体をクルッと曲げてやって、素早い切替しが必要な時は同じくフロントブレーキで車体を立てる。
純粋なスポーツバイクとして扱ってやると、『X』は活き活きと走ります。
軽快さで勝負のスタンダードSV650と、コーナリングに強いSV650X。
どっちもけっこう速い!?
スズキ『SV650』っていうバイクはスポーティさだけで判断できない
乗り比べって、なかなかできる機会がないですけど、本当に驚きました。
ハンドル位置だけでこんなに違うなんて……
これは本当に、2台を並べて乗るという贅沢シチュエーションが為せるワザです。
バイクの楽しさはコーナリングだけじゃない
それでも正直に、ワインディングでの『X』は楽しかった。楽しすぎた。
ある程度の範囲であれば、それほどテクニックを要求されることなく、イージーにエキサイティングな走りが手に入ります。本当に素晴らしいと感じました。
さすがスズキのバイク、カフェスタイルでも走りは一級品です。
ところで、あまりの驚きに『X』のことばかり書きましたが、それはあくまでワインディング&コーナリングに限ったお話。
街乗りやツーリングの機会が多いなら、断然スタンダードのほうがいい。
大型バイクに乗り慣れた人なら250ccみたいに感じるだろうし、大型二輪免許取り立てのビギナーでも400ccのような気分で乗れるはず。
もう圧倒的に気軽だし、疲れない。この差は大きいです。
わたし(キタオカ)は基本的にツーリング愛好家ですから、特にそう思います。
スポーツ性能にしたって、スタンダードの『SV650』もミドルクラスではトップレベルにあることは間違いないんですよ。
狙いすましたコーナリングは『X』が良いかもしれませんが、公道のワインディングは変化の連続です。
つづら折れのタイトな峠で話をするなら、ネイキッドスタイルの柔軟な対応力が有利。
性質が違いますが、やっぱりスズキのバイクは基本的に走りに妥協がありません。
そこは心配しなくていい部分です。
『SV650』も『SV650X』も最後は“走り”で勝負するバイク!
うーん……これは難しい。
ツーリングが好きだからネイキッドのほうが現実的には活躍するだろうけれど、カスタムして眺めて磨いて、たまに峠を走って満足……という『X』との暮らしが、気持ち的に捨てがたい。
個人的な話なら結局、見た目の好みで『X』に決めちゃいそうな気もします(笑)
それに『X』が愛車の場合でも「前傾姿勢がツラいからツーリングしない」ということにはならないと思うんですよ。
腰が痛かろうが何だろうが走るはず。
惚れたら何でもアリ、ってことです。
これを読んでくださったみなさんは、今この時点でスタンダードの『SV650』とセパレートハンドルの『X』のどっちがお好みですか?
わたし(キタオカ)は『X』に一票です!
そして思いますけど……これが“おすすめはどっち?” の答えだと思うんです。
(下に続きます)
誰がなんと言おうと、最後に決めるのは自分ですもの。ここで『自分はやっぱりコッチだなぁ』って感じたほうが正解に決まってます。
さっきも言ったばかりですけどね、最終的にバイクって『惚れたら何でもアリ』なんです(笑)
理屈じゃないし、正しいかどうかも関係ない。
だってボクたち『バイク乗り』って、そういう人種じゃないですか!