新型『隼』は最先端の電子制御で完全武装!
現代の超ウルトラパフォーマンスなバイクにおいて電子制御は今や必要不可欠です。
それはナゼって、例えばスズキの『GSX-R1000R』のようなスーパースポーツで限界まで攻め込むような走りをする場合に、200馬力級のパワーは、もはや普通の人の手には負えないレベルにあるからです。
でも私(北岡)の愛車となる2代目隼は最高出力197馬力もあるにも関わらず、普通に乗れます。誰でも楽しく乗れちゃうバイクです。
だけどそれは『隼』というバイクが、ちょっと例外なんだと思っておいてください。
2代目の隼がトラクションコントロールなどの電子制御無しでも成立しているのは、もはや奇跡レベルの完成度を誇るフレームとスイングアームがあればこそ。
じゃあ、新型『隼』も電子制御は無しでも成立するんじゃない? と言われれば……おそらく成立します。
だけど、新型『隼』の電子制御は狙っている部分がスーパースポーツとは違うんです。
そのあたりは、こちらの記事から開発ストーリー動画をご覧いただけると納得できるはず。
17分くらいある動画なので、時間のある時に見てほしいのですが、これを見ると電子制御が嫌い、もしくは苦手な人でも『そういう理由なら仕方ない』と思わざると得ないでしょう。
それを踏まえたうえで、隼の電子制御をあまり難しくならないように、ざっくり説明してみたいと思います。
新型『隼』は電子制御スロットルになりました
電子制御スロットル(略して電スロとか呼ばれます)っていうのは『スロットル開度』を電気信号に変換して、それをECU(エンジンコントロールユニット)っていうコンピューターに送ります。
そうすると頭のいいECUが、複数のセンサーによる情報を加味して『今はこれが最適』としたスロットル開度を決定。燃料をエンジンに送り込むよう指示をするんです。
なのでライダーが『スロットル100%全開だ!』と意気込んでいても、実際には100%全開になっていない。実際はエンジンがその時に必要とする『ちょうどいいスロットル開度』に自動的に調整されているんです。
『え? スロットル開けてるのに実は開いてないって気持ち悪そう』と思うかもしれませんが、低~中速が強化された190馬力の新型『隼』は、それでも速すぎでしょうからそこはご安心ください。
でも、これによってエンジン側は常に最適なスロットル開度の状態をキープ。エンジニアが想定したパフォーマンスを安定的に発揮できます。
純粋に速さだけを求めるバイク(レーシングマシンとか)の場合は、またちょっと話が違いますけど、無駄に燃料を送り込むことが無いので燃費も向上しますし、スロットルの開けすぎで転倒するリスクも軽減できる。
我々のような普通のライダーには嬉しい限り。
これが新型『隼』には搭載されることになったのは、けっこう大きなトピックスでした。
さて……ちょっと前置きが長くなりましたが、ここからが本番。
続編では新型『隼』に搭載される重要な電子制御【SDMS-α】について触れてみたいと思います。
ちなみにですが、個人的には新型『隼』の核心はそこになるのかもしれない……と考えています。
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