スズキは数字よりも『隼』らしさを優先した
![画像: スズキは数字よりも『隼』らしさを優先した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/6bf5021e26c9f59bbeaaa4509280e032097f9366_xlarge.jpg)
現代的な洗練されたスタイリングに、数々のパーツのアップデートや電子制御システムの搭載など、新型『隼』のトピックスは多岐にわたります。
【ディテール編】からの続きです
ですが、やはり最大のトピックスはパワーでしょう。
排気量は従来と同じく1340ccのまま。そしてパワーは最高出力190馬力となりました。2代目の197馬力よりも最高出力はダウンしているんです。
『最高出力ダウン=遅い』ではない
![画像1: 『最高出力ダウン=遅い』ではない](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/1a25a2f8e8695d205f48067723e379ca1c0172b5_xlarge.jpg)
だけど、ここで勘違いをしてはいけないのが最高出力ダウンで隼が『遅くなった』ということではないこと。
こちらの表をご覧ください
![画像2: 『最高出力ダウン=遅い』ではない](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/2340108f2acbc39c4b6839ccfd87553b83d0dc7f_xlarge.jpg)
注目すべきは4つ。
最高出力が190馬力になっており、最大トルクも若干の減少となりますが、最大トルクの発生回転数が200回転、低くなっていること。
そして0-200mのタイムは2代目よりも0.1秒短縮されたこと。
そして0-100km/h加速のタイムが0.2秒短縮されたこと。
最後に名目上のトップスピードは歴代『隼』と同じく最高速299km/hのまま、ということです。
新型『隼(ハヤブサ)』は低~中速を大幅に強化した
![画像1: 新型『隼(ハヤブサ)』は低~中速を大幅に強化した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/12681a2c717c0280bafe34dbefc1b3370fa7dcdf_xlarge.jpg)
このことからわかるのは新型『隼』は最高速299km/hには一切の妥協をせず、その範囲内で強化を施してきた、という事実。
しかもそれは、特に厳しいことで知られる排ガス規制『ユーロ5』に適合させてのことです。
そして今回、新型『隼』は特に6000回転までのパワー&トルク特性に、かなり強化を施しているんです。
それがこちらの表です。
![画像2: 新型『隼(ハヤブサ)』は低~中速を大幅に強化した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/687f7d5eaec4346d50d01a62d5f6f0fa2e9a1882.jpg)
赤色の線(新型・隼)とブルーの線(2代目・隼)を比較してください。
まずパワー(馬力)の部分でも低~中回転域では新型隼が上回っていることがわかります。
そして、それよりも衝撃なのがバイクを加速させる力『トルク』です。
上の表の『Torque』の部分を新型と第二世代のみで比較すると……
![画像3: 新型『隼(ハヤブサ)』は低~中速を大幅に強化した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/92b8ad8a7b09a5b87f14b6dbec332bcdd7d99793.jpg)
私(北岡)は、これを見て大きな衝撃を受けました。
最高に速いと思っていた愛車の2代目隼様のトルクカーブが、中速域でこんなに大きな谷があったなんて……溢れるようなパワーで、まったく気づいていないレベルでした。
そして……新型が、スゴい。
2代目の隼で大きく落ち込んでいるトルクカーブを、理想にかなり近い形で改善しています。
これたぶん……実際の速度以上に、ライダーの体感として(加速力など)圧倒的に速くなっていると感じる可能性が高いです。
![画像4: 新型『隼(ハヤブサ)』は低~中速を大幅に強化した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/547dde0cc0feb67024f7b8c4e3e0567f800721da_xlarge.jpg)
ちなみに、この低~中速域の強化には新しいマフラーも大きく貢献しているとのこと。
その他、エアクリーナーボックスも新形状となり容量アップ。吸排気によるパワー特性のコントロールには大きくこだわっています。
2代目『隼』オーナーとして、勝てる気がしない
![画像1: 2代目『隼』オーナーとして、勝てる気がしない](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/6310b4d4381780bc7a959bbcc9fb80ae532bc902_xlarge.jpg)
私(北岡)はこの新型『隼』の表を見た瞬間に『これはもう2代目の隼じゃ絶対に速さは敵わない』と感じました。
もちろん隼の魅力は絶対的な速さではありません。そのことはオーナーとして重々承知。
だけど仮に、私がふたりいて「よーい、ドン!」でサーキットで競争したら……完全に負けると思う。
まずスタートダッシュ。これはもう低~中速域を強化されたエンジンと電子制御ローンチコントロールで100%勝てません。新型『隼』はその電子制御もあって、先の0-100km/h加速や、0-200m加速のタイムを安定的に出せるはずだからです。
![画像2: 2代目『隼』オーナーとして、勝てる気がしない](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/5bd0e3b5b24877824673ba11eac246fb83df96e8_xlarge.jpg)
そして、コーナーも同じ。
先の【ディテール編】でもお伝えしましたが、ブレーキは大幅に強化されていますし、IMUユニットによる電子制御で、持てるパワーを存分に路面に叩きつけられる新型『隼』は、私の愛機となる2代目『隼』を1コーナーごとに引き離していくイメージしか持てませんでした。
直線がおそろしく長く続くようなシーンでは、すこし差を詰められるかもしれませんが、その時に新型『隼』とは埋められない差がついているはず。それに、トップスピード299km/hを出せる場所なんて、国際規格のサーキットでもなかなかありませんからね。
なによりも新型『隼(ハヤブサ)』が大切したのは耐久性
![画像: なによりも新型『隼(ハヤブサ)』が大切したのは耐久性](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/2130986acf4a729f9928e7dd35ad1a42dc14a61c_xlarge.jpg)
そして驚いたことに、今回の新型『隼』のエンジンにおいて、最も重要視されたのはエンジンの耐久性のようなのです。
そのために、呆れるほどの努力をスズキは行っています。
![画像1: スズキの英断。なぜ新型『隼(ハヤブサ)』は最高出力が190馬力になったのか?【SUZUKI HAYABUSA Third GENERATION/エンジン編】](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/e5b664cea529fc05d60a3bfcdfb80feea3adebd4_xlarge.jpg)
![画像2: スズキの英断。なぜ新型『隼(ハヤブサ)』は最高出力が190馬力になったのか?【SUZUKI HAYABUSA Third GENERATION/エンジン編】](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/edfac6a9dc9006ede2d20e1363d3ccf97fdb1e7c_xlarge.jpg)
新形状のピストンは26gの軽量化、そして新しいコネクティングロッドも3gの軽量化。
併せて29g。たったの29gと思うかもしれませんが、これらのパーツはエンジン内部で毎分10000回転以上の恐ろしいスピードで稼働している部品です。
わずかな軽量化でもエンジンの負担は大幅に軽減され、エンジン耐久性の向上やパフォーマンスアップに貢献します。
![画像: 新型『隼』のオイル通路](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/2fad9305e0d780272f667893cfbc9a4fdfc91f00_xlarge.jpg)
新型『隼』のオイル通路
![画像: 2代目『隼』のオイル通路](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/027e65c88bb8c72a2095bb43e10abd4e4e8e7c60_xlarge.jpg)
2代目『隼』のオイル通路
そしてエンジンオイルの通路はスーパースポーツGSX-R1000の技術を応用した変更が加えられています。
オイル流量と圧力は従来比で54%もアップ。
安定的にオイルを供給できるので、エンジンの負担は大幅に軽くなっているはずです。
細々とした変更は膨大な量で、すべてをお伝えしたら、記事がとんでもなく長くなってしまうので、ここでは部分的な紹介に抑えておきます。
あくまでスズキらしく、隼らしく
![画像1: あくまでスズキらしく、隼らしく](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/d52c030082f486e725c2e936f67d62359f5f342c_xlarge.jpg)
隼は今の時点で既に伝説的。生ける伝説です。
おそらくスズキは単純にパワーアップさせたところで、それが新型『隼』でいいのか?と自問したのでしょう。
そこで選んだのが『隼らしさ』を強化するということ。そのための190馬力です。
![画像2: あくまでスズキらしく、隼らしく](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2021/02/05/0f188eaa25cd295da7df1a0ab8fd00155b1d504a_xlarge.jpg)
普通はなかなか、この決断はできません。だってパワーを下げたら、がっかりする人も出てくるだろうから。
だけどスズキは流石です。『パワーダウンした』と言われることを恐れて、どこもやれなかったそれを、やってきました。
そして、先代よりもスムーズに、速く。そしてタフにしてきたんです。
あくまで隼は隼として、それを正しく進化させるための190馬力。まっすぐブレがありません。
だから私(北岡)は逆に楽しみになってます。
190馬力の新型『隼』が、どんなバイクに進化しているのか!?
日本の道を走れる日が来るのが、今から待ち遠しくて仕方ありません!
190馬力になった新型『隼』って、ぶっちゃけどう思った?
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【ディテール編】
【電子制御編】
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新型『隼(ハヤブサ)』が1340cc/190馬力を選んだ理由は?
技術的な部分の動画はこちらから!
Hayabusa | official technical presentation video = All version= | Suzuki
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