RG500Γ(1985)
「世界GP500のチャンピオンマシンを公道仕様にしたロードゴーイングレーサー」

RG500Γ(1985)
現在の二輪ロードレース最高峰であるMotoGPの前身は、2001年頃まで「WGP(ロードレース世界選手権)」と呼ばれ、最高峰クラスは500ccの2ストロークエンジン車で競われていました。
スズキはこのWGP500ccクラスに水冷2ストロークのスクエア4気筒エンジンを搭載したワークスマシン「RGΓ(XR35)」で参戦。1976年から1982年まで7年連続メーカーチャンピオンを獲得するほどロードレースにも強いメーカーでありました。
RG400Γ(1985)

RG400Γ(1985)前期型<1型>
そして、レースで培った技術を市販車にフィードバックすることで、私たちが乗ることができるバイクにもそれまでになかった最新技術を次々に搭載し、数々の大ヒットモデルを誕生させていきました。
その中でも1985年に登場した「RG500/400Γ」は、ワークスレーサーRGΓの技術を惜しみなく採り入れた“ロードゴーイングレーサー”と呼ぶに相応しいレーサーレプリカでした。
ちなみに"RG-Γ"とは「ランディ・マモラ」選手などのレジェンドライダーが、1980年代の世界ロードレースGP500ccクラスで輝かしい功績を納めた名機中の名機。
“RG”は「レーサー・オブ・グランプリ」の称呼で、“Γ”はギリシャ語の「栄光」を意味する「ゲライロ」の頭文字をとったもので、車名からして特別な名が与えられているのがわかります。


市販車のRG500/400Γのエンジンは、ワークスレーサーRGΓのエンジンを公道仕様にリファインしたスズキ独自の「水冷2ストローク・ロータリーバルブ・スクエア4気筒エンジン」を、アルミ合金製ボックス型軽量フレームに搭載。
4ストロークエンジンよりもエンジンそのものがコンパクトにできる2ストロークエンジンならではの利点を活かした唯一無二(後にも先にもスズキのみ)のエンジンレイアウトを採用していました。
4つのシリンダーを正方形のように並べたスクエア4エンジンは、並列4気筒よりも横幅を抑えられ、V型エンジンよりも低重心で吸排気系のレイアウトがしやすいなどの利点があり、スズキが2ストロークのレーシングエンジンの戦闘力を極限まで突き詰めた末に誕生させたものでした。

RG400Γ(1986)後期型<2型>
しかしながら、超本格レーサーレプリカとして登場したRG500Γが発売された1985年頃は、国内で400cc以上のバイクに乗るために、合格率10%とも言われた大型二輪免許の「限定解除」試験を受ける必要があった時代。
RG500Γは多くのバイクファンの憧れ的な存在でしたが、同年には早くも排気量を400ccにスケールダウンさせた「RG400Γ」を登場します。
水冷2ストローク・スクエア4気筒のボア×ストロークを、56×50.6mmから50×50.6mmのスクエアタイプに変更しつつも、エンジンパワーをできるだけ落とさないように改良。最高出力は64ps/8500rpm(RG500Γ)から、当時の400クラスにあった馬力規制の最大級となる59PS/9000rpmまで高められていました。
しかもRG400Γ(前期型)の登場から僅か1年後の1986年には、アンダーカウルまで装備されたRG400Γ(後期型)が登場。RG500Γと同様のSAECを採用して排気効率を高めたほか、フロント16インチ、リア17インチのチューブレスホイール、アンチノーズダイブサスペンションをさらに進化させたPDF(Positive Damping Fork)などの機構も備わっていました。
RG500/400Γは現在でも新作プラモデルが発売されるほどで、レーサーレプリカ好きのライダーたちから絶大な支持を受けていた名車です。
現行車に例えるならどんな車種?
さて、ここからはあくまでもスズキのバイク編集部 岩瀬の個人的な主観で「現在のバイク」に置き換えてみる妄想企画です。
「RG500/400Γ」は2ストロークモデルのスクエア4エンジンでしたので、現代のマシンでそのままの比較ができるモデルはちょっと見当たりません。
そこで今回は、少し見方を変えて、スズキ独自のエンジン技術を搭載した“現代の油冷エンジン”である250フルカウルスポーツの「ジクサーSF250」と比較してみたいと思います。

新開発の249cc油冷単気筒エンジンを搭載し、日本では2020年に登場したスズキの新しい250フルカウルスポーツモデルがジクサーSF250です。
最高出力26PSを誇るスズキの新しい油冷単気筒エンジン「SOCS(Suzuki Oil Cooling System)」は、水冷エンジンほど複雑な構造にならないことで軽量&コンパクトに設計することができ、カウル付きの車体にも関わらず車両重量は158kgを達成。250ccフルカウルスポーツではトップの軽さを実現しています。


また、新型油冷エンジンは低回転域にしっかりとしたトルクを持たせつつ、中~高回転域でもパワフルな加速を実現し、メリハリのある走りを楽しめるエンジンとなっています。
エントリーユーザーには優しくありつつ、走りを楽しみたいライダーにはしっかりとファンライドできるライトウェイトスポーツが『ジクサーSF250』です。
スズキは今も昔も新しい技術や独自機構を積極的に取り入れることで、徹底したバイクの軽量化を行っている。
「RG400/500Γ」を、もし“スズキの現行モデル”に置き換えたとしら、メーカー独自技術や軽さにこだわりを感じるフルカウル250スポーツ『ジクサーSF250』が相応しいのかもしれません。











