写真・レポート:山口銀次郎(ミスターバイクBG)
次世代サスティナブル燃料で100km走行テスト!バイオマスを原料としたクリーンエネルギー技術「raBit」とは?

昨年の話ではありますが電動化や水素といった次世代パワートレインに注目が集まる中、スズキがもうひとつのクリーンエネルギーの可能性に目を向けました。そして実施されたのは、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合が製造した新しいバイオエタノール燃料を用いた公道走行テストです。
研究所で燃料を給油した車両は、高速道路走行を含むルートを通り、約100kmにわたって実際の交通環境下で走行。EVや水素とは異なるアプローチで、内燃機関を活かしながらカーボンニュートラルを目指す取り組みとして、その実力と可能性が検証されました。

この公道走行イベントでは、研究所で製造されたバイオエタノールをガソリンと混合した自動車用燃料を車両に給油しました。
福島県大熊町の研究施設を出発し、高速道路区間も含めたルートを通って、福島市大笹生にある「道の駅ふくしま」まで走行しています。走行距離はおよそ100kmで、実際の使用環境に近い条件でのデモ走行となりました。



ここで、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)について簡単にご紹介します。
同組合は2022年7月に設立された比較的新しい研究組織で、「カーボンニュートラル社会の実現に向けた自動車用バイオエタノール燃料の製造技術研究」を主な目的としています。原料となる植物は研究所のある福島県内で栽培されており、環境負荷の低減だけでなく、地域振興や震災復興にもつながる取り組みとして位置づけられています。
製造されるバイオエタノールの原料には、非可食植物であるソルガム(稲科)が使用されています。
一般的なサトウキビのように搾汁した糖分を利用する方法ではなく、茎や葉といった植物体そのものを原料とするため、工程が増えるという課題はありますが、その分、純度の高いエタノールを製造できる点が特長です。

研究所で製造されたバイオエタノールは燃料メーカーに持ち込まれ、ガソリンと混合された後、自動車用燃料として活用されます。今回のイベントで使用された燃料はエタノール混合率10%で、走行に用いられた車両も特別仕様ではなく、市販車と同様のガソリン仕様車でした。
スズキからはHayabusaが参加

SUZUKI
Hayabusa
次世代グリーンCO2燃料技術研究組合の構成員にはスズキ株式会社も名を連ねています。この公道走行イベントでは、四輪のフロンクスに加え、二輪車として唯一「Hayabusa」が参加しました。大型スポーツバイクの登場は、イベントの象徴的な存在として強い印象を与えました。

福島県大熊町・吉田 淳町長

経済産業省 資源エネルギー庁 燃料供給基盤整備課長 東 哲也氏
福島県大熊町の研究所で行われた出発式では、大熊町の吉田淳町長をはじめ、経済産業省 資源エネルギー庁 燃料供給基盤整備課長の東哲也氏らが登壇しました。関係者による挨拶の後、デモ車両への燃料給油とテープカットが行われ、イベントが正式にスタートしました。

次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 中田浩一理事長
次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 中田浩一理事長の「持続可能燃料、今走り出す! 福島産バイオエタノール!」の掛け声のもと、デモ車が隊列を組み約100kmの旅へ出発!

約100kmの走行を無事に終え、車両は「道の駅ふくしま」に到着しました。到着式では、経済産業省 福島復興推進グループの佐野究一郎氏や、福島県 福島イノベーション・コースト構想推進監の佐藤安彦氏らが登壇し、走行成功を労うとともに、環境問題への対応や復興に向けた将来像について語り、イベントは締めくくられました。
ゴールは「道の駅ふくしま」! 無事100kmを走破

「道の駅ふくしま」で執り行われた到着式では経済産業省 福島復興推進グループ 佐野究一郎氏や、福島県 福島イノベーション・コースト構想推進監 佐藤安彦氏らによる、走行した無事を労いつつ、環境問題や復興等の未来構想実現への手応えや想いで締められ閉会となりました。

経済産業省 福島復興推進グループ 佐野究一郎氏

福島県 福島イノベーション・コースト構想推進監 佐藤安彦氏
乗り心地は普通のガソリン車と同様!

スズキ株式会社・システム制御設計部エンジン適合実験課主幹 芝野 謙氏
最後に、スズキ・Hayabusaにバイオエタノール燃料を使用し、100kmの実走行を行ったスズキ株式会社・システム制御設計部エンジン適合実験課主幹 芝野 謙氏に感想を伺ってみました。
「Hayabusaは完全にノーマルですが、普通のガソリンと乗り心地は変わりませんでした。天気も良く、快適な気温でとても楽しめました。今後は、国内でもエタノール含有量20%に向け規制やルールも決まってくると思いますので、スズキとしてもクルマを合わせ込んで対応していきます。グローバルな観点でもエタノール濃度の高い、その国の事情に合わせた車両を用意していきます」
福島産バイオエタノール燃料「raBit」の紹介ページはこちら!
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