MotoGP第二戦インドネシアGPは決勝直前の大雨で劣悪なコンディションの中スタート。そんな中でもスズキは『強さ』を見せてくれました!
クレバーなリンスとアグレッシブなミル?
MotoGP第二戦は25年ぶりにインドネシアで開催。予選もドライ路面だったりウェットだったり、安定しない天候で各チームが初開催のマンダリカ・サーキットに苦戦を強いられた様子。
スズキもそこは同じくで、予選でゼッケン42アレックス・リンスのバイクがトラブルで出火するわ、ゼッケン36ジョアン・ミルはセッティングに苦戦しまくりで17番手スタートになっちゃうわ、見ている側もソワソワしちゃう展開でした、
しかも決勝レースのスタート直前に、再びドシャ降りの雨。決勝はスタート時間を遅らせたうえに周回数を27周から20周にサイズダウンしてのレース開催となりました。
このレースは荒れるな‥‥誰もがそう予測したと思います。
そんな中で!
アレックス・リンスが劣悪コンディションの中にも関わらず得意のロケットスタートに成功!
8番手スタートから一気に表彰台圏内の3番手までジャンプアップ! 予選で苦しんだジョアン・ミルも17番手スタートから一気に9番手までポジションを上げます。
この序盤の展開に『いっけぇー! スズキー!!!』と、心の中で快哉を叫んだのは、私(北岡)だけではないでしょう。
ミルは予選で苦しんだのとは裏腹に、決勝ではきちんとセッティングを見つけたようで『周回を重ねるごとにフィーリングが良くなってきた』というレース後の言葉どおり、終始アグレッシブな走りを見せつけます。
普段だと、今回みたいな熱い走りかたは、チームメイトのアレックス・リンスの得意分野なんですが、今回はそのお株を奪うかのごとく、ミルが猛烈にプッシュ!
普段のミルはクレバー系のキャラに思えるけど、内側はなんだかんだで熱い人なんだろうなぁ‥‥と思わせてくれる走りに、ちょっとワクワクでした、
一方、普段は熱い走りを見せるアレックス・リンスが今回はクレバーさを発揮。
序盤からトップ3を争う走りを見せていましたが、実際はかなり雨に苦しんで、あわや転倒!というシーンも。
その後、ヤマハとドゥカティに抜かれた際、ライバルのバイクをじっくり観察して『今回は無理をしない』という冷静な判断を下した様子。
こういうクレバーな判断は、ジョアン・ミルのキャラかな?と思ってました。
なんだか2022シーズンは『チーム・スズキ・エクスター』の二人がメンタル的に成長してるのかもしれません。
ミルのクレバーさをリンスが学び、リンスのポジティブさをミルが吸収してるようなイメージです。
今回は『安定感のスズキ』らしい良いレースでした!
最終的な結果としてはリンスが5位、ミルが6位でのフィニッシュ。
大雨スタートからのレースで『スズキらしい安定感』を武器に、それぞれのライダーが確実にポイントを獲得しています。
でも今回、注目したいのは、先にも言ったライダーたちの『走りかた』です。
2022シーズンのMotoGPマシン『GSX−RR』はトップスピードを含め、戦闘力をアップさせています。
そこにまたがるライダー2名も、技術的な部分だけじゃなく、メンタル面も成長してる!
まだレースは2戦を消化しただけで、残り19戦もあります。だから、現時点でのランキングはほとんど意味をなさないでしょう。
(下に続きます)
だけどこの時点から『今年もスズキが大いにレースを引っかき回してくれそうだな』っていう予感がします。面白くなりそう!
次戦は約2週間後の4月3日にアルゼンチンGPの決勝がスタートとなります。
第1戦でバイクの進化を感じ、第2戦でライダーの進化を感じさせたチーム・スズキ・エクスター。
さて、第3戦は‥‥どうなる!?