鈴鹿8耐に想いを馳せて……
バイク乗りとして一度はやってみたいことっていうのは、けっこうある。
でも、実際にやるとなると、何となくあと一歩が踏み出せない……
例えば流行のキャンプツーリング、大掛かりな愛車のカスタム、もしくは鈴鹿8耐などのレース観戦もそうだろうか。
バイクを趣味として楽しむ中で、こういうのはライダーとしてよくある悩みのひとつだと思う。
ちなみに私(北岡)の場合の『あと一歩が踏み出せなかった』は“コレ”だ。
存在自体は知っていた。
いつかはっ! という憧れを胸に秘めつつ、しかし年月だけが過ぎ去っていく。
そして今、日本最大級のバイクのお祭り『鈴鹿8耐』が3年ぶりに開催される運びとなり、大きな盛り上がりを見せている。
……私は『その時がきた』と直感した。
それがライダーの聖地、鈴鹿サーキットのある三重県鈴鹿市の名物
『ライダーもなか』だ!
自ら『鈴鹿の駿風』を名乗る
そして、いま私の手の内にあるクラシック感の漂うムーディなパッケージは、落ち着いた大人の雰囲気の中にもスポーティさを匂わせている。
デザインは墨画の技法を用いてレースシーンを表現するアーティスト“垂井ひろし”氏が担当。
外観から既に、並々ならぬオーラを感じることができる。
だが、真に驚くべきはそのパッケージではない。
これだ。この美しいスタイリングデザインである。
手のひらに十分収まるコンパクトな車体を持つ(たぶん)オーソドックスなネイキッドスタイル。
体感としては軽く扱え、中身にぎっしりと詰まっているであろう餡子の重量を感じさせることがない。車両重量を計測しても良かったが、おそらく餡子の量などで個体差が出るだろうし、スペックは公表されていないので、ここでは計測を控えた。
リアサスペンションはコンベンショナルな2本サスを採用しているが、ご覧の通り直立安定性は抜群。ワイドな前後タイヤはトラクションを感じやすく、お皿に確かなグリップ力を発揮する。
ただし小回りのきく車体なので、クルリとUターンも軽快。
そして、リアビューで気づいた……なんと、エキゾーストシステムは左右2本出しの迫力スタイルだ。また、予想以上に車幅があることもあり、おそらくだが2気筒以上~4気筒エンジンを搭載しているのではないかと推測される。
ちなみにライダーの名前は公表されていないが、ハンドルを握る腕にまったく力の入っていない綺麗なライディングフォームで、低く伏せた姿勢にも不自然さを感じることがない。
おそらく、相当に手練れのライダーであることは疑いないだろう。『鈴鹿の駿風』なる異名をとることから、著名なレーシングライダーの可能性も否定できない。
メカニズムとインプレッション
内部にはぎっしりと餡子がつまり、マスの集中化に貢献する。
餡子の素材には北海道産のトヨミ大納言を採用。糖度68度の濡れ甘納豆に仕上げた後、糖度70度のもなか餡に炊き上げるという精度の高い工程を経て製造されている。
これにより粒あんのフィーリングをさらに向上。
ライダーの感覚的な部分にも配慮し、味わいのあるフィーリングを実現しているのだ。
また、外装(もなかの皮)は信頼性の高い国内生産のもち米をベースをして用い、餅粉を使用しないというこだわりの手法によって成型される。
軽いタッチが印象的だったが、十分な強度もあり素材の柔軟性も感じることができた。
そして、インプレッションだ。
和菓子というと、重厚な甘みの低速トルクを想像するけれど、実際は拍子抜けするほど軽快に発進。
そこから咀嚼トルクを強めに掛けていくと、サクリと最中種(もなかの皮)を突き抜けて粒あんに到達する……
バカなっ!?
甘くない、だとっ!?
もちろん和菓子だから甘いのだが、それが最新の職人制御によって適度に抑えられている印象だ。
しかしながら、食べ始めの低回転域でも甘みのトルク不足は感じることはない。普段使いも気軽にいけそうな軽やかさが特徴的だ。
セッティングが『見事』としか言いようがない
そして、何よりも印象的だったのは、その加速感。伸びやかなフィーリングは、最中を一気に口に放り込むような高回転域まで、控えめな甘みがどこまでも途切れない。
スムーズなパワーデリバリーは良い意味でパワーを感じさせず「もう一個食べちゃおうかな?」と、体重増加レッドゾーンに向かって一気に(口が)回っていこうとするのだ!
ライダーを(甘さで)疲れさせない設計のおかげで、長時間でも快適に過ごせることは間違いないだろう。
なるほど。
さすがに鈴鹿の駿風は甘くない、ということか。
コイツは確かに羊の皮を被ったオオカミ。伝統的なもなかスタイルの中に、ライダーの感覚を刺激するエキサイトメントを秘めている。
うっかり食べ過ぎリミッター寸前まで突っ込まないように、ライダーには常に冷静さが求められることだろう。場合によっては、日本茶などによる適度なクーリングも有効なはずだ。
このフィーリング、体感して損はない。
なんだか「とらや勝月」のセールスマンのように感じるかもしれないが、私にそういった関係は一切ない。
そのうえで、ひとりのライダーとして言っておこう。
バイクを愛する同志ならば、このフィーリングを一度は体感しておいてほしい。
スペックやプロダクトとしての高いパフォーマンスだけではない。
ライダーもなかは、そこにある作り手(和菓子職人さん)のパッションが熱い!
バイクに乗らない人には「?」となる世界かもしれない。
だがライダー同志ならば、必ず通じ合うことができること、みんなも知っているはずだ。
結論として言うなら、鈴鹿8耐というお祭りをさらに彩るためにも、挑んでみる価値は十分にあると感じている。
(下に続きます)
とはいえ、テレビやネットで鈴鹿8耐を楽しむライダーだって、全国には数多くいるに違いない。
けれど大丈夫。
実はまったく問題ない……
だって『ライダーもなか』は、現地に行かなくても、実は通販で1個から買えるのだから!
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