文:岩瀬孝昌(編集部)写真:岩瀬孝昌、西野鉄兵(編集部)
アドレス125を買っておけば、きっと手放さなかったのに…
スズキの“アドレス”シリーズといえば、ボクの中でスクーターの“スタンダード”といったイメージ。
今から3年ほど前の2017年、とあるキッカケで“数ヶ月間”だけ街乗りで使うためのスクーターが必要になり、アドレスV50かアドレスV125のどちらかを買おうと迷った末、アドレスV50を増車しました。
ちょうどその年はアドレスV125が生産終了となり、この新型「アドレス125」がもうすぐ出るというタイミングでしたが、ボクがアドレスV50にした理由は2つ。
ひとつ目は、その時は少しでもコストがかからないものが欲しかったから。
ふたつ目は、その時は少しでも早くスクーターが必要になったからです。
50と125の価格差は数万円しか違いませんでしたし、原付二種モデルの方が二段階右折も不要。法定速度もクルマと同じでいいから、後々まで考えると少し待って新型アドレス125を買っておけばよかったのかなぁ…と今さらながらに思います(笑)。
改めて考えてみると不思議なことですが、数あるスクーターの中から、なぜかアドレスシリーズのどれかを買うことだけは決めていました。
それは多分、ボクの中で「スクーター=アドレス」というスタンダードなイメージがあったから。
覚えやすくて親しみやすい“アドレス”という名前は、住所の「Address」という意味じゃなくて「add(加える)」と「dress(ドレス)」を組み合わせた、遊び心のあるネーミングだそうです。
その後、アドレスV50は手放すことになってしまいましたが、この新型アドレス125を買っていたら、きっと手放さなかったでしょうね(笑)
(下に続きます)
前モデルの“アドレスV125”と新型“アドレス125”の違いって?
そんな元アドレスユーザーのボクとしては、新型アドレス125はとても気になっていた原付二種スクーターです。
これまでの“アドレスV125”とドコが変わったの? というところが知りたくて、新型アドレス125の一週間インプレッションを志願したワケであります。
偶然にも身近な人に前モデルのアドレスV125オーナーがいまして、新型アドレス125を並べて比較することができました。
並べて見るとデザインの違いは一目瞭然。より近代的で親しみやすくリニューアルされています。
新型の車体がひと回り大きく優雅になった印象ですね。数値で見ても全体的に大きくなっているのがわかります。
旧アドレスV125→全長:1750mm ✖️ 全幅:635mm ✖️ 全高:1030mm
新アドレス125 →全長:1900mm ✖️ 全幅:685mm ✖️ 全高:1135mm
ヘッドライトも大きく明るいものになり、フロントタイヤが10インチから12インチにスケールアップしています。しかも前後ホイールともにアルミホイール化され、足周りの軽量化にも貢献しています。
10インチのコロコロと転がるような旋回性も捨てがたいですが、速い速度域でも直進安定性が高い12インチの方が125ccクラスのスクーターには合っているように思いました。
他にもフットボードのスペースとシートが少し大きくなっていたり、前後カウルともに大型化されていて、より優雅なラインのスタイルになっています。
コンパクトさが人気のひとつでもある原付二種クラスのスクーターですが、新型アドレス125はライダーの居住スペースも大きくゆったりになったおかげで、跨っただけでも快適性がアップしているのがわかります。
現行モデルのアドレスシリーズは「排気量別に選べる3種類+α」
アドレスシリーズは種類も豊富で、その沿革は長く、初代アドレス50が1987年に登場してから30年以上の歴史があります。
では「現行モデル」はどんな種類があるのか、ここでちょっとおさらいしてみましょう。
2020年4月現在のアドレスシリーズは排気量別に、50cc、110cc、125ccと3種類のラインアップがあります。
●アドレスV50
1987年に登場した初代アドレス50からモデルチェンジが繰り返され、30年以上も愛され続けている排気量50ccの原付一種スクーターです。
車両重量が74kgと軽く、税込でも20万円を大きく切る価格が魅力。ネーミングには「V」が付いていますね。
ボクはこのアドレスV50の2017年モデルに乗っていました。
●アドレス110
1998年に2ストロークモデルのアドレス110がリリースされ、2015年に4ストロークモデルとして復活した110ccの原付二種モデルです。
フロントタイヤと泥除け(フェンダー)が一緒に動くフレックスフェンダーを採用し、フロント&リア共に14インチの大径ホイールを履いているので、凹凸のある路面やちょっとした悪路でも走りやすいのが魅力です。
●アドレス125 /(フラットシート)
2017年に“アドレスV125”シリーズの後継モデルとしてリニューアルされた、新型「アドレス125」。全体的に車体が大きく優雅になり、デザインも現代的に大幅リニューアルされたにも関わらず、なんと価格が2万円以上もプライスダウン!
ラゲッジスペースの容量をアップし、シートがフラットで乗りやすい「フラットシート」仕様が別ラインアップされているのも嬉しいですね。ネーミングから「V」の名称はなくなりました。
以上の3種類がラインアップされています。
近年、その人気がさらに高まっている“原付二種クラス”に、110ccと125ccの2つをラインアップしているところがユーザーには嬉しい限りです。
(下に続きます)
他にもスズキの原付二種クラスには、上位モデルとなる「スウィッシュ」もラインアップされていますから、選ぶのに迷ってしまいそうですけどね(笑)。
でも今回、新型アドレス125を一週間乗ってみて「これほどコスパに優れた原付二種スクーターは他に無い!」って本当に思いましたよ。
その理由は“5つ”の『低』が揃っているから!