何をしても『なんだかいい感じ』がするバイク
アドベンチャーバイクのスタイルなのにオンロード志向のキャストホイール仕様。排気量も650ccとそれほど大きい訳じゃない。
だけど、走らせると『なんかいいなコレ』と無条件に感じてしまう。
キャストホイール仕様の現行Vストローム650(2022モデル)に乗って感じたのは、2013年に国内初登場を果たしたVストローム650の面影でした。
2013年のVストローム650はある意味、特殊な存在で。だけど他にはないものを持っていて。
そのあたりは【懐古編】でお話した通りですが、ふと気になって調べてみたところ……現行Vストローム650のスペックと2013年モデルのスペックが”わりと近い”ということがついでに発覚。
エンジン最高出力は2013モデルがMAX66馬力を8800回転で発生。現行モデルがMAX69馬力を同じく8800回転で発生。
最大トルクに関しては2013モデルが最大6.0kg・mを6500回転。現行モデルが最大6.2kgf・mを6300回転で発生します。そして車両重量は2013モデルの214kgから、現行車は2kg軽くなって212kg。
ざっくりまとめると、現行Vストローム650のほうが『ちょっと軽くて、ちょっとパワフル』くらいのイメージです。でもまぁ、だいたい一緒と言って良い範囲かと。
バイクの構成要素としては、スズキの隠れ名機エンジンたるV型2気筒エンジンを、ロードスポーツばりに高剛性なアルミツインスパーフレームに搭載しているところも変わってない。
なるほど~コレなら現行モデルに乗って2013モデルを思い出したのも分かるわぁ……って。
そういうことじゃないのよっ!
ここまで(自分から)スペックだの何だの言っておいてアレですが、そういう話じゃないんスよ、Vストローム650っていうバイクは!
これね、たぶん今『Vストローム650』シリーズに乗ってるオーナーさん達には、なんとなく共感いただけるものだと思うんだけど……
何をしても『何となく良い』と感じること。
私(北岡)としては、そこにVストローム650の真髄があるような気がしています。
それこそ信号待ちからクラッチをつないでの発進とか、交差点を普通に曲がるだけとか。不満が無いんじゃなくて、もっとポジティブに『いいなコレ』と思えるんです。
650ccとは思えない巨体にも関わらず、クラッチミートからのダッシュは思った以上に元気いっぱい。そこから過不足の無いパワーで軽く回っていくエンジンが単純に気持ちいい。
交差点で車体を寝かせれば、どっしり安定していて安心感しか感じない。
特筆して『ものすごく速いっ!』 とか『鋭いハンドリングがっ!?』みたいなものは特に無いんだけど、なんとなく全部がいい感じ。あやふやな感想で申し訳ないんですが、本当にそう感じるんです。
本領は当然『街乗り』じゃない
しかもそれを、ちょっとした街乗り程度でも感じられるんだからスゴいとしか言いようがありません。
見た目からも分かることだけど、Vストローム650の本領はツーリングなんですから。
で、話はここから『本領』のツーリングパフォーマンスの部分に入っていく訳ですが、これがまた笑っちゃうくらいにレベルが高いんです。
キミ650ccだよね?
100万円以下で買えるんだよね?
と、心の中で何度もツッコミたくなるほどの完成度で、なんなら200万円級のバイクにも負けないほどの走りを披露してくれます。
(下に続きます)
しかも、その走りっていうのが、これまたタダモノじゃない。単純に『快適』とか『スポーティ』といった表現では言葉が足りないんです。だってこのバイク、基本的に何をしてても『楽しい!?』って感じるんですもの。
その素晴らしさを、手っ取り早く『強烈に』感じられるのが高速道路!
ということで、次回はVストローム650の高速クルージング性能についてお話をさせて頂きますが……なんていうか、私としては『指定席の特急列車 or 新幹線』みたいに感じているのです。バイクなのに電車みたいって、自分でも変な感想だと思うんですけどネェ……