ミルが予選2番手、リンスが23番手スタートって!?
いつもの感じ、だとスズキのMotoGPチーム『チーム・スズキ・エクスター』は予選がちょっぴり苦手。だいたい7~10番手あたり、3列目くらいのスタートが多いです。
レース本番に強いんですけど、我々スズキファンとしてヤキモキするところでございます。
ところが………
なんと!
ゼッケン36 ジョアン・ミルが予選を2番手で突破! 『ほぼ先頭』の状態で決勝レースに臨むことになりました。
しかし……その裏側でゼッケン42 アレックス・リンスは予選でタイムアタックを仕掛けたタイミングに他車が転倒してラップタイムがキャンセルとなり『ほぼ最後尾』の23番手からスタートに。
リンスは運が無かったとしか言いようがない……2番手と23番手からのスタート。いつもと違う様相のレースとして第6戦ポルトガルGPはスタートしました。
これがまた熱くなる展開だったのですが、ミルは華麗なスタートを決めてトップに躍り出ます。
スズキのバイクが決勝レースでオープニングラップから先頭を走っているという、ある意味では見慣れない状況(笑)
だけど、スズキファンとしてはテンション上がりまくりです。
そして、ミルが華々しいスタートを切っているため目立ちませんでしたが、リンスもしっかり11番手まで浮上。
23番手から1周目で10台以上を一気にパスしての11番手です。リンス、めちゃくちゃ速いって!?
スズキにとっては明暗の分かれたレース展開だったけど……
だけど今回は昨シーズン王者のF.クアルタラロ(ヤマハ)がやたら好調でした。最近はうまくバイクのセッティングが出ていないのか苦しんでいる様子でしたけど、彼も地力はハンパじゃありません。
そして今回はうまくセッティングが出たみたい。残念ながら、4LAPめにストレートでミルはパスされてしまいます。
スズキのMotoGPマシン『GSX-RR』は毎レースとも安定した強さを見せますが、それを上回ってくるとは……敵ながら天晴としか言いようがありません。
そして、波乱はここからでした。
後方からミルを追撃するドゥカティ勢2台。
19周目、残り7LAP。コーナーの進入でミルに仕掛けたジャック・ミラー(ドゥカティ)がスリップダウン。
アウト側にいたミルを巻き込んでのクラッシュです……
スタートから好調を感じさせたミルだけに、全世界のスズキファンの悲鳴が聞こえた(気がした)瞬間でした。
しかし、その裏側で……
23番手スタートだったはずのリンスは、なんと6番手にまでポジションを回復させていたんです。
ほぼ最後尾からスタートなのに……リンスがヤバい!?
そして、スズキが強い!?
だってそうでしょう?
片やミルは予選を2位で突破し、トップグルーブで激闘。片やリンスは23番手から最終的に4位でのゴールですよ?
これまでは『様子見』もあって明言を避けてきた私(北岡)ですが、もうそろそろ……言ってもいいでしょう。
2022シーズンのスズキは、強い!
間違いないです。
今シーズンのスズキは速い。バイクも速いし、ライダーもいい。チームのサポートもうまく機能してる感じがする。
だから……
あとは流れに乗れば、勢いがつけば!
MotoGP2022のチャンピオンシップは年間21戦の予定で、まだ5戦を消化したのみ。
だけどこの時点で、今シーズンのスズキが強いことは明白になってきています。
各チームの所属ライダー2名が獲得したポイントの合計点で競われる『チームチャンピオンシップ』は、ミルが転倒でノーポイントだったにも関わらず、前戦に続いてスズキがトップ。
そして、今回4位フィニッシュだったアレックス・リンスは年間のライダーチャンピオンシップにおいて1位と同ポイントでのランキング2位!?
(下に続きます)
レースの世界は甘くないので、迂闊なことは言えませんが……なんならジョアン・ミルがチャンピオンを奪取した2020シーズンよりも『チーム・スズキ・エクスター』全体がうまく機能しているような印象があるんです。
たぶん、みなさんも内心で、うっすら私と同じことを感じているはず。
『今年のスズキ、イケるんじゃね?』
まだ先は長いけど、2022シーズンのMotoGPは、スズキファンにとって面白い展開になってきました!