期待のアレックス・リンスがまさかのクラッシュ
うまく流れに乗れない……そんな感じがしているチーム・スズキ・エクスターです。
スズキがMotoGPから2022年末をもって撤退する意向を表明し、協議中となっている現状において『勝ってほしい!』と思うこと自体が無茶な話だとは思うんですけどね。
本当にスズキは『速いチーム』だからファンとしては期待してしまうのです。
第9戦 カタルニアGP。私(北岡)の敬愛するゼッケン42 アレックス・リンスが予選を7番手で突破。一方でゼッケン36 ジョアン・ミルは17番手からの苦しいスタートとなりました。
こうなると、否が応にもリンスに期待がかかります。
そして、その期待に応えるかのごとくリンスは得意のロケットスタートに成功。ポジションアップして1コーナーへ飛び込んでいく……かと思った瞬間に!?
うぉいっ! なにしてくれとんねーん!
心の中で盛大にツッコミました……1コーナーで転倒した他バイクがリンスに突っ込んだのです。リンスもGSX-RRも派手に吹き飛ばされ、一瞬、肝が冷えました。
レースにアクシデントはつきものとはいえ、恐ろしい。
当然ながらリンスはスタート直後にリタイヤです。無念というか……呆気にとられました。
幸いリンスに大きな怪我はありませんでしたが、左手首にダメージがあるようで、今後のレースに影響が出ないかを心配しています。大事なタイミングだから……軽傷であることを祈っています。
そしてレースに話を戻しますが、好調だったリンスが1周目でクラッシュ&リタイヤとなったことで、私は『あ、今回のレースは1周で終わりか』と思いました。だってミルは後方17番手スタートだったし。
だけど、やっぱりね……いつも言ってるけどスズキって速いんですよ。
なんと17番手スタートのミルが一気に11台をゴボウ抜き! 2LAPめには6番手までポジションを上げてきたんです。
リンスは不運だったけど、スズキには2020シーズン王者のジョアン・ミルがいる!
予選は不調だったけど、そこは『本番に強いスズキ』です。その後もミルは持ち前の堅実さを200%発揮し、安定した走りと強さを見せてくれました。
後続もミルに食らいつこうとしますが、このあたりはもう『役者が違う』というレベルです。
じりじりと後ろのライダーを引き離し、安定して5番手をキープ。最終LAPまで揺るがない走りを見せてくれました。
しかも最終LAPでさらにひとつポジションを上げて4番手でレースフィニッシュ。
17番手スタートで絶望かと思いきや、蓋を開けたら表彰台目前のポジションまで追い上げたんです。スズキはバイクもライダーも、本当に速い!
年間チャンピオンシップ自体は、ここ数戦の苦戦によってリンスが7位、ミルが同ポイントで8位となっています(※カタルニアGP終了時点)。第6戦まではチームチャンピオンシップでトップにいたスズキですが、現在はそのチームチャンピオンシップでも5位となっています。
なんとも悔しい話です。調子が良かっただけに、今回のリンスは本当に残念だったと思う。
けれど、ミルが17番手スタートからの4位フィニッシュを決めたことで『やっぱりスズキは強い!』っていうことを再認識できたレースでした。ミルに感謝。
(下に続きます)
ここまで9戦を消化し、残り11戦。まだ、わかりません。
ライバルも強いけど、スズキも強い。ここからの反撃を大いに期待したいと思っています。
次戦は6/19日(日)に決勝レースとなるドイツGPです。
強いスズキが調子を取り戻して大暴れする。そういうレースを期待します。ここから華麗な逆転劇を決めて、年間チャンピオンを勝ち取ることだって十分にできる! スズキなら、きっとできると信じています!