鈴鹿の教訓を活かしてEWC最終戦「ボルドール24時間」で優勝!シリーズランキング……
2025年シーズンの EWC(世界耐久選手権)第3戦となった「2025 FIM世界耐久選手権”コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会(8月1日~3日)」は、今年も熱戦が繰り広げられ、スズキGSX-R1000Rを駆る「ヨシムラ SERT Motul」は並み居る競合を抑えて3位表彰台を獲得する大健闘をみせました。

鈴鹿8耐を終えた時点で、73ポイントを獲得しているヨシムラ SERT MotulのEWC2025シリーズランキングは4位で通過。年間チャンピオンの行方は、9月14日から15日にかけ、フランスのポール・リカール・サーキットで開催されるEWC2025最終戦「ボルドール24時間」に持ち越されることになりました。
伝統と過酷さを兼ね備えたボルドーる24時間は単なるレースの勝利だけでなく、年間チャンピオンシップの行方を決める重要な舞台。ライバルチームとのポイント差はあるものの、このボルドールでの勝利がそのままタイトルの獲得に直結する状況。
「ヨシムラ SERT Motul」は最終戦までもつれ込んだ激しいタイトル争いの渦中、プレッシャーと期待を一身に背負い、ボルドール24時間耐久に臨みます。

ボルドール24時間に向けた予選は、ヨシムラ SERT Motul にとって非常に好調な滑り出しでした。
予選1回目にグレッグ・ブラック選手がコースレコードとなる1’51.311をマーク、さらに予選2回目にはエティエンヌ・マッソン選手がコースレコードをさらに更新する1'50.932のトップタイムを叩き出し、予選を1位で通過。決勝はポールポジションからスタートできる絶好の滑り出しで向かえます。

決勝スタートはグレッグ・ブラック選手が担当。ホールショットを決めて1コーナーをリードし、オープニングラップから序盤にかけて先頭を保持する素晴らしい立ち上がりを見せました。
ヨシムラ SERT Motulチームのライダーは、エースのグレッグ・ブラック選手、経験豊富なシルバン・ギュントーリ選手、そして抜群の安定感を誇るエティエンヌ・マッソン選手という鉄壁のトリオ。
レース序盤は、タイトルを争う最大のライバルであるYART(Yamaha Austria Racing Team)チームとの激しいトップ争いが展開。互いに一歩も譲らない極限のプッシュが続くレース展開になっていました。

しかし、ヨシムラ SERT Motulの強みは、その攻める姿勢の中でも決してミスを犯さないという緻密な戦略にあります。
ブラック選手は、ライバルとのバトルにおいて常に冷静さを保ち、GSX-R1000Rのタイヤと燃料をマネジメントしながら、確実にチームに貢献する走行を継続。この序盤の攻防で、チームはトップ集団にしっかりと食らいつき、24時間の長丁場において主導権を握る準備を整えました。
その後はブラック → マッソン → ダン・リンフットという3名のライダーがスティントを繋ぎながらライバル勢とのバトルを展開。序盤は各チームの動きも活発となり、激しいトップ争いが繰り広げられました。

丸一日かけて走るボルドール24時間は、夜が深まるにつれて、レースはさらにタフさを増していきます。
3人のライダーはそれぞれ与えられたスティントを着実にこなしていきます。給油・タイヤ交換・ライダー交代といったピットオペレーションもミスを許されない状態で極限の集中力が試されます。

途中、給油後のピット作業違反により10秒のストップ&ゴーペナルティを課せられる場面もありましたが、8時間経過時点でトップの位置にいたヨシムラ SERT Motulはボーナスポイント10ポイントを加算。
さらに16時間経過時点では、2番手のチームに対して 1ラップ差 をつけるリードを築きながら、再び 10ポイントのボーナスポイントを獲得し、トップのポジションを維持し続けました。


残り時間が少なくなっていく中で、焦りとプレッシャーがどのチームにもかかる局面が続きましたが、ヨシムラ SERT Motul は冷静に最終ラップまでトップを維持。2位のYARTに対して3周差つけ、728周回でチェッカーを受けます。
ボルドール24時間の過酷さを物語るように、エントリー53チーム中、20チームが次々リタイアする中、ヨシムラ SERT Motulはボルドール3連覇へ向けて最後まで集中を切らすことなく、最高のパフォーマンスでトップフィニッシュを果たしました。
しかもこのボルドール24時間大会では、3連覇を達成するという快挙! GSX-R1000Rの信頼性とヨシムラ SERT Motulのチーム力を改めて証明する結果となりました。

ヨシムラ SERT Motulはボルドール大会の優勝とボーナスポイントを合わせてトータルで138ポイントを獲得。
しかし、シリーズランキングでは、ボルドール第4戦終了時点で YARTが 139ポイントを獲得し、最終的には YARTに僅か1ポイント差で惜しくも年間タイトルは譲る形になりました。
しかしながら、EWC2025のシリーズランキング2位を獲得する素晴らしい結果となりました。
(下に続きます)
このボルドール24時間における完全勝利は2025年シーズンを通じたヨシムラ SERT Motul の積み重ねの集大成とも言えます。第1戦ル・マン、第2戦スパ、第3戦鈴鹿と、それぞれ異なる難しさをもつレースを通じて、チームは着実に成長し、データを蓄積してきました。
EWC 2026 シーズンは、2026年4月16〜19日のル・マン24時間から開幕予定です。ヨシムラ SERT Motul が次の舞台でどのような戦いを仕掛けてくるのか、今から目が離せません。
2025年FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)ヨシムラ SERT Motulの活躍を振り返ろう!
EWC2025 第1戦 フランス/ル・マン24時間
EWC2025 第2戦 ベルギー/スパ8時間
EWC2025 第3戦 鈴鹿8時間待機ロードレース









