日が昇る前に青森へ向け出発!
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北岡センパイとの熾烈(?)なやり取りを経て、北海道を目撃するための弾丸青森ツーリングの敢行が決定。
当日は最初の目的地「津軽岩木スカイライン」を目指しますが、現地までは約700km。
陽のあるうちに竜飛崎で北の大地を拝みたいので、先に言ったとおり前日はものすごく早くから就寝。
秘策のステーキ作戦も併せて、体力的な安全マージンをしっかり確保し、午前2時半に東京を出発!
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まず東京を脱出するまでに大いに助かったのが、『GSX-S1000GT』に標準で備わっているETC2.0車載器!
首都高速ではETC搭載車両しか通れないゲートが増えていて、途中通過するゲートもたくさんあるので、手間の面でも料金の面でも非常に助かりました。ETC深夜割引が炸裂です!
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3時半に浦和ICを抜けあとは、ひたすら東北道を走り続けます!
人の動き出していない深夜の高速道路は快適そのもの。
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道路環境的には目立ったストレスなく歩を進められていますが、正直、距離の問題で体力的に途中でダウンするんじゃないかと心配していました。
しかし、日が昇り始めた6時手前。
給油の関係で立ち寄った福島県・安積SAでは意外にも身体はピンピンしています。教えてもらった編集者の徹夜対策ステーキ作戦、本当に効いてるかも。
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▲流石に朝早かったためあくびを一つ
メーターを確認すると255.4km。
……あれ、もうそんなに走ったの⁉
でも確かに、タンク容量19Lの『GSX-S1000GT』の残量メモリが1になるくらい走ってるんだからそんなものか。
それにしてはやっぱり体力はまだまだ有り余っています。MAX10とすると体感で9くらい残ってる感じ。
高速道路を走ってきただけとはいえもう少し疲労も溜まりそうなものですが……。
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次の区間は疲労軽減の秘密を探りながら走ろう、なんて思いながら売店のカレーパンをほおばります。
……コンビニじゃないのに6時前でも売店開いてるんだな……どうでもいいことに感心しつつ、走り出す前に燃費の確認。
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ここまでの走行距離は前述のとおり255.4km。給油量は14.36Lで満タン方式で算出した燃費は17.79km/L。
あれ、高速巡行ならもう少し稼げそうでしたが、意外と燃費が……?
そのあたりもどこかで検証しておこうと思いながら安積SAを後にしました。
ウィンドスクリーンと快適な姿勢で超長距離クルージングもなんのその!
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その後も至極順調に『GSX-S1000GT』でのクルージングは続いてきましたが、その中でいくつかの要因が疲労軽減に大きく貢献していることに気づきました。
一点目は最適なライディングポジション。
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ハンドルがベースモデルである『GSX-S1000GT』よりも高い位置に設定され、上体の前傾が優しくなり、肩や腕の負担が減っています。
上体が起きることによる臀部への負担が大きくなりすぎないよう、適度に腕や膝に体重を分散させられているようにも感じ、ニーグリップしやすいタンクまわりの形状も疲労軽減に役立っていると思いました。
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また、ラバーマウントされたハンドルやステップのラバーのほか、『GSX-S1000』よりも乗り心地が優しく感じられるシートも高速道路での快適性を向上させるのにひと役買っているのでしょう。
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電子制御スロットル搭載によるクルーズコントロールも忘れてはいけません! 左右スイッチボックスの簡単操作で、走行中の速度を維持するよう設定でき、ブレーキを掛ければすぐに解除されます。
長距離を移動する上でスロットルを開け続けるのは、自分が思っている以上に手に負担がかかっています。
疲労軽減に繋がるクルーズコントロールは今回のツーリングで非常に重要な機能となりました!
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そして、これが無ければ途中で引き返していたと言っても過言ではない最強武装がウィンドスクリーン!
走行中に何度かスクリーンの効果範囲を確認してみたのですが、私の肩あたりまでをしっかり走行風から守ってくれていました!
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ベースを共有する『GSX-S1000』や『KATANA』での高速走行では、かなり走行風に悩まされた記憶がありますが『GSX-S1000GT』は東北道の120km/h区間でも走行風をものともしません!
スペシャルサイトでも大々的に紹介しているだけあって『GSX-S1000GT』の空力性能は、これがない状況を考えられなくなるほど強力なものでした……。
長距離走行でのメンタルを保ったのは『GSX-S1000GT』固有のあの機能!
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身体的な疲労面も重要ですが、超長距離走行においてもうひとつ重要なのはメンタル面。
特に高速道路は延々と似たような一本道を走り続けるため、高速道路で退屈を感じるライダーだとだんだん精神的が追い詰められてきます……。
そこで大活躍したのが『GSX-S1000GT』に搭載された固有機能「SUZUKI my SPIN」!
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スマートフォンと連携してマップや連絡先を表示できる機能ですが、中でも重宝したのが音楽再生機能です!
むしろ今回のツーリングで個人的MVPと言ってもいい!
「SUZUKI my SPIN」を連携すると自分のスマホのミュージックアプリをインストルメントパネルに表示でき、走行中に左ハンドルのボタンで再生設定を操作できるため、いちいち停車してスマホを操作する必要がありません!
聴いているプレイリストに飽きてきたら最近聴いていなかったプレイリストなどを再生すればずっとテンションを維持することができ、眠気も襲ってこない!
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音楽を聴くか歌を歌っていないと心臓が止まってしまう、一日半分以上リビングデッドな私にとってはこれ以上ない神機能で、正直「SUZUKI my SPIN」はすべてのスズキ車種に採用してほしいレベル……。
無駄に時間をロスすることも少なくなったので、高速道路セクションの予定進行もスムーズになったように感じました。
ただし、運転中の操作は前方不注意になる可能性があるので、使用する際は画面を注視することのないよう事前に使い方をマスターしておくことが重要!
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▲ボタンがたくさんの左ハンドルも慣れれば見なくても操作できるように。
ちなみに(心配性の)センパイから時折「大丈夫かー?」と電話がかかってくるのですが、着信の際に相手の名前がパネルに表示されるのは便利でした。
仕事なんて忘れて気持ちよく走っている最中に会社の上司からの着信が視界に入るとちょっとドキッとしますが……おや、誰か来たようだ。
目的地はもうすぐそこ(?)!
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そうこうしているうちに東京からはどんどんと離れていき、高速道路の風景もどことなく変わってきました。
道路脇の野生動物注意の看板も、なんだかワイルドかつ物騒なものになってるし……。
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安積SAから300km弱走った紫波SAで一度給油のため休憩を挟み、目的地はもうすぐそこ!
といってもまだ津軽岩木スカイラインまで200km強あるんだけど、それを「すぐそこ」と言えてしまうほどの『GSX-S1000GT』の快適性には恐ろしいものがあります……。
(下に続きます)
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残り170kmほどの高速道路も難なくクリアし、大鰐弘前ICでようやく高速道路から降ります。
正直ここまで来るだけでヘトヘトになってしまうのでは、と予想していたんですが、『GSX-S1000GT』のおかげで、かなり体力に余裕をもって到着することができました。
一応ここまで700km弱も走ってきてるはずなのに、バグか……?
でもこれなら「津軽岩木スカイライン」も目いっぱい楽しめそう!
しかし、意気揚々と高速のゲートを抜けたところでまさかの……?
To be continued……
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】