暗雲たれこめる第三の峠『磐梯山ゴールドライン』へ
第二の峠レークラインから第三の峠『磐梯山ゴールドライン』へは北からアプローチすればすぐにエントリーできます。
でも今回は、そのあとに西吾妻スカイバレーへチャレンジする予定なので(同じ道をピストンしたくないから)あえて遠回り。
国道459号線で南下し、一旦、山から下ります。というか、このあたりは道が良すぎて国道さえも爽快ワインディング同然でした。
稲穂の中をのんびりと……あれ? ちょっと天気悪くなってきた?
上空が怪しさ満点……
それでも先に進むしかないので、磐梯山ゴールドラインを猪苗代方面、南から駆け上がります。
ゴールドラインの序盤はストップ&ゴーの連続。ある程度のストレートの先にヘアピンカーブという構成で、これはこれで楽しい。
4気筒エンジンならではの滑るような加速とブレーキ性能を味わえるワインディングです。
それにしてもGSX-R1000Rはブレーキが本当にいい。ツーリングペースでの話ですが加速したあと車速のコントロールが自由自在です。魔法のように減速できる。走っている間は本当に集中できるから疲れなんて感じません。
しかし……ここにきて、すこし『変化』を感じました。
高度が上がるにつれ天候は怪しくなり、軽く小雨がパラつくシーンも。途中でやけにのんびりとしたペースと走るクルマの後ろにつくことになり、そのままウェット路面の中を淡々と走ることになったんです。
この時、はじめて『疲れ』を感じました。
そりゃまぁ既にワインディング3本、連続100kmくらいを走ってる訳ですから疲れて当然ですけどね。
磐梯山がそびえ立つ絶景を拝めるはずのスポットも、すぐ上空が霧で真っ白。雨の心配もあるので、早々にゴールドラインを後にします。
ここで学んだのは、前傾姿勢の強いライディングポジションの場合は『自分のペースで走れないと疲れやすい』ということです。
スーパースポーツの旅は意識的に早めの休憩を入れていくことが楽しむ秘訣だと知りました。
最高の西吾妻スカイバレーとGSX-R1000Rの底力
しかし、山の天気は本当に読めません……
ゴールドラインから第四の峠『西吾妻スカイバレー』へ至ることには、すっかり青空です。
それなりの疲れもありますがテンションは回復!
そして、ここにきてGSX-R1000Rの真価を思い知ることになったんです。
西吾妻スカイバレーは走ったことが無かったんですが……眺望、舗装の状態、コーナーのバラエティのどれをとっても及第点。
楽しいワインディングロードです。先ほどまでの疲れも吹き飛ぶレベルですが、朝よりはやっぱり運転が雑になりがち。
ここでGSX-R1000R、スゴいと思った……このバイク、リカバリーできる余裕が半端じゃない!
コーナーの深さを読み違えたり、すこし早めにインについてしまったり……
バイクで走っていればよくあることですけど、その時にGSX-R1000Rは走行ラインの修正がラクにできる。
サーキット走行でもきっと同じなんでしょうけれど、疲れてきた時にバイク側がライダーを支えて、フォローしてくれる感覚がすごく強い。
シフトダウン/アップもOKなオートシフターもその一因です。
確実に私よりも機械のほうがシフト操作が上手い。完全に負けてます。これに慣れたら、たぶんもうこれ無しではいられないと思う。
ヤバい……と感じるほどの完成度です。
それなのにGSX-R1000Rには『バイクに乗せられているだけ』という、スーパースポーツによくある感覚があまりありません。200馬力の高性能を使いきれるなんて思ってませんけど『バイクと一緒になって走る』一体感が強いんです。
他にもスーパースポーツに乗った経験はありますけど『バイクとの二人三脚感』はGSX-R1000Rがいちばんだと感じました。
懐が深い、というのとも少し違います。
GSX-R1000Rが私の走りをあらゆる角度から助けてくれてるのは感じる。でも、あくまで自分で操っているという感覚が残っている。
西吾妻スカイバレーを堪能した後に、バイクを停めてふとそう思いました。
(下に続きます)
ほどよい疲れと共にある達成感。
GSX-R1000Rはスーパースポーツだけど、旅の醍醐味もちゃんと感じさせてくれています。もちろん一般的なツーリングバイクやネイキッドと違って、状況によっては手首などがちょっと痛くなることは避けられないとわかりました。
でもぜんぜん許容範囲。ツーリングを諦めるほどではありません。
そして最後の峠へ。 そこは『走る峠』じゃないけど、一度は行ってみるべき価値のある『峠』です!