オシャレな見た目でも、走りはしっかりスポーティー!
久しぶりのセパレートハンドルを採用したスポーツバイクの試乗にウキウキでしたが、心配していたのはライディングポジション。
最近グランドツアラーやアドベンチャーといった「楽」の権化みたいなバイクばかり乗っていたので、快適に慣れ切った身体には辛いかも。
なんて思っていましたが案外どうということはなく市街地はクリア。
そのままの勢いで高速道路を突っ走りワインディングへ向かいます。
1月中旬では昼を過ぎても季節的に路面も気温も暖かいとは到底言えませんでしたが、そこら中に霜が降りていた朝方に比べればなんのその。
とりあえずタイヤを温めがてら慎重に走らせてみるけど、やっぱりこのエンジン滅茶苦茶楽しい!
とにかく路面状況が良くないので前後の荷重を意識しつつ、はじめはフルパワーを発揮する高回転でスロットルをガバ開けしないよう注意しながら走っていましたが、5000回転くらいでも十分に力強い走りを楽しむことが出来ます。
そんな極低回転から中回転域までの押し上げるような力強さもこのエンジンの神髄と言えますが、高回転域でがらりと表情を変える、引っ張られるようなパワフルさも大の魅力です!
これがたまらなく気持ちイイ!
Vツインの2気筒エンジンですが、ストロークはショート気味に設計され10000回転まで回ります。
高回転で美味しい範囲を使うのは慣れないと大変ですが、まず大型バイクでこの回転域を使おうと思えるのがこのバイクの良さ!
……リッターバイクみたいな加速する『GSX-8S』や、150馬力クラスのモンスターが揃う『GSX-S1000』派生モデルはまずこんな走り方はできなかった……。
エンジンに関しては『SV650』の試乗した時と同じく、自分としては持て余すリッターより開けられるミドルの方が性に合っているように感じてしまいました。
もちろん、振り回されるようなパワフルバイクに乗るのもロマン溢れて魅力的ですけど!
そしてやはり、街中で感じたことと同様『SV650』とは本当に双子モデルとは思えないくらい全く別のバイクです。
ハンドル変えただけでこんなに変わるとは……。
バーハンドルの『SV650』よりもコーナリング中の姿勢がバシッと決まり、バンクと共に身体がコーナーの先に吸い込まれていく感覚はこのポジションでしか味わえません!
バーハンドルに比べヒラヒラとした軽快感は劣りますが、しっかりラインを見極めて進入すれば終始安定してコーナーを脱出できます。
また、そもそもの車重が軽いので切り返しも至ってスムーズです。
ハンドルが低いことからブレーキング時に上半身が前に押し出されないよう腕を突っ張る感覚もセパレートハンドルのスポーツバイクならではのものだと思います。
そして少し感心したのが『SV650X』のオシャレさを際立たせるタックロールシート。
ここまでスポーティーな乗り味に仕上げるならば、『SV650』に装着される滑りづらいシートをつけても良いのでは、と思っていたのですが、このシートが存外安定する!
少しシート高が低く、足が長めな人は高いステップと合わせてちょっと窮屈かもしれませんが、概ねリアからの情報もしっかり伝わってきます。
……裏を返せば薄いのですが、そこはしなやかなサスペンションと足つき性の良さで相殺です。
『SV650』の試乗の際と同条件で走れないのは悔しいですが、かなりの悪条件の中でも『SV650X』は十分な走りを楽しむコトができました!
『SV650』に試乗した際もそうでしたが、やはり『SV650X』は良い意味で予想を裏切ってきた!
完全にスタイル重視の街乗りオシャレバイクだと思っていたけど、悔しいなぁ。
でもつまり、『SV650X』はオシャレでカッコよく、スポーツライディングも楽しい無敵バイクってことか……?
(下に続きます)
街中からショートツーリング感覚で郊外までやってきましたが、行きは良かったんです。
体力もまだまだあって元気だったし。
ただ、ひと通りワインディングを走り抜けると、ね……。
To be continued……