『SV650X』ならもっと自分好みの走りを実現できるかも?
前回で表向きな『SV650X』の試乗レポートは一区切りつけましたが、実はワインディングを走っている最中、どうしても気になることがひとつだけ。
フロントの感触がもっとダイレクトに欲しい……。
季節は大寒の近づく1月中旬。
路面やタイヤのコンディションもあったとは思いますが、どうしてもフロントのセッティングにむず痒さを感じていました。
そこで目を付けたのが『SV650X』に採用されているフロントサスペンションの「プリロードアジャスター」!
この装備、無印の『SV650』には搭載されていない、『SV650X』の固有装備です!
これを調整したらもっと気持ちよく走れるかも……?
興味本位で前々から調べまわっていたものの「プリロード調整」については素人知識で書くととんでもない地雷を踏み抜きそうなので、今回は「どう調整したらどうなった」という個人的な感想のみをお届します!
正直、ライダーの体格やライディングの速度域、そしてどういった乗り味にしたいのかでかなり変わってきてしまう部分なので、興味のある方だけ続きをご覧ください!
「頓珍漢なこと言ってんなぁ、コイツ」と思っても、私はまだまだ修行中の身。温かい目で読んでいただければ幸いです(汗)
とりあえず、ざっくりとした説明をすると、プリロード調整はサスペンションに内蔵されるバネの初期荷重を調整し、沈み込み量を調整するものです。
……まぁ他にもた~くさん複雑な要素が詰まっているので決してこんな一言で片づけて良いモノではないのですが……。
で、プリロードは強めれば乗り心地が硬くなり、弱めればやわらかくなります(本当はもっといろいろあると思います)。
まずはプリロードを強める(初期荷重を強く掛ける)方向に1メモリ分閉め込んでトライ。
すると、確かに乗り心地が硬くなり、フロントからの情報量が求めていたものに。特にコーナー進入時のブレーキングで接地感が増したように感じられてかなり好印象です!
……ただ、ギャップでけっこう弾かれるのと、今度は突っ張ってしまう感触があり曲げづらくなった!
これはやり過ぎたかも。
ということで、今度は標準から半メモリだけ閉め込んでリトライ。
すると今度こそ個人的には理想的なセッティングになりました!
フロントに安心感を持ってコーナーに進入でき、標準で少し暴れ気味だった立ち上がりのラインもビシッと決まります!
理想の走りに近づくとどんどんライディングが楽しくなる!
ひとしきり走ったら、ものの試しに(標準から)1メモリ緩めた状態も試してみます。
……が、これはやっぱり違いました(笑)
同じ速度で走るとフロントの感覚は標準値より感じづらく、立ち上がりもかなり暴れてしまいます。
コーナリング中の安定感も少し下がってしまったように感じます。
でもこの状態、乗り心地はすこぶる良かったんですよねぇ。
そもそも前傾姿勢がキツく腕に負担がかかるので、硬くセッティングすると振動がよりダイレクトで押し寄せます。
車載工具のマイナスドライバー1本でできるなら、シーンによって使い分けるのもアリかも……?
その後一度標準の設定で走ってからもう一度半メモリ締め込みで走ってみましたが、やはりこのセッティングが一番自分好み。
よもや数ミリ、ネジを締め込んだだけでここまで変化してしまうとは……。
そんな数ミリで何が変わる、なんて以前の自分なら思っていたかもしれませんが、キャスター角数°、トレール量数ミリで旋回性能が左右されるのがバイクです。
きっと違いが出るに違いない!
『SV650X』にはサスペンションが動く速さに影響するダンパーの細かな調整をする機能はないけれど、プリロード調整だけでもかなり得るものが多かったように思います。
正直、この機能でSV650Xが更に魅力的に見えてきました!
ワインディング好きのライダーさん!
自分好みの走りにアジャストできる『SV650X』、最高に楽しいですよ!
(下に続きます)
ただし、冒頭でもお話しした通り、プリロード調整は本来もっとややこしい話のはずです。ダンパーの調整はできないので基本は乗り心地の問題で、ライダーの体重によっても調整の仕方は左右されるでしょう。
今回、私が「これだ!」と思ったセッティングも他の人には必ずしもマッチするとは言えませんし、そもそもこのセッティングで大丈夫なのか個人的に多少の不安も残ります。
なので、今回の話は本当に試乗レポートのオマケ編!
でも、個人的にはかなり優秀な機能だと感じたので、自分のバイクにプリロード調整が付いていて、バイクの走りにピンとこない部分があったら試してみる価値はあるかもと思います!
もちろん、プリロードやダンパーの調整は走りに大きく作用してしまうのでしっかり調査してから行ってみてくださいね!