贅沢な悩みをぶち壊す『Vストローム800』試乗開始!
バイクに携わるこの仕事について早3年。
……来る日も来る日もバイク、バイク、バイク!!!!
死ぬほど贅沢な悩みですが、ちょっと最近、五月病というか……
たくさんの人たちにバイクの楽しさを伝えたいと思っているのに変わりはないんだけど、何故かバイクはあまり乗る気になれない。
一体どうすれば……。
デスクで脱力していると北岡センパイが(めずらしく)会社に現れたので相談してみると……
北岡センパイ「じゃあ『Vストローム800』乗ってきな! ダイジョウブダイジョウブ、ぜっっったい楽しいから!」
うーん……話、聞いてた?
いま気力が出ないって話をしてたんだけど……まぁ、この人はこういう人か。
しかし、乗れと言われれば乗らねばならぬのがサラリーマン。※普通のサラリーマンは乗れと言われてバイクに乗ることはまずありません。
仕方ない……。
やってやろうじゃないの!!
※茶番には多少のフィクションを含みます
街中でも親しみやすい大型アドベンチャーモデル『Vストローム800』
ということで始まった『Vストローム800』の試乗。
まず自分のテンションを上げていくため、今回は珍しくスズキさんにカラーをオーダーして車両をお借りしました!
それがこちら!
マットスティールグリーンメタリックです!
これ、発表された時から一番気になっていたカラーなんですよねぇ。
以前作成した「スズキのバイクカラーチャート」において、あの時点では唯一の緑系枠を埋めたカラーで、派手過ぎず、地味過ぎない絶妙なグレイッシュグリーンが市街地、郊外問わずマッチするのが魅力的なポイント!
深みのある美しいビガーブルーや力強いスパークルブラックも魅力的ですが、やはり個人的にはこのグリーンがイチオシかも!
試乗前にしっかりテンションを上げ、スタンドを払ったときに感じたのは、取り回しの良さ!
『Vストローム800』は装備重量で223kgあるので、押し引きが大変そうだな、と思っていたのですが、押しはじめてしまえばスッと車体が動き、ハンドルの位置や重心の関係でグラつきもなく、非常に取り回しがしやすく感じました!
跨ってみるとシート高は825mmあるため両足とも足つきがベッタリとはいきませんでしたが、細身なフレームと絞られたシートにより足が下ろしやすく、片足で支える分には不安感はありません。
長距離のツーリングを想定した乗車姿勢は上体が起きた優しいもので、市街地でのライディングでも十分な快適性を予感させます。
ただ、走りだしての感想はやっぱりコレ。
やっぱ新型ツインエンジン、とんでもなくパワフルだな!
『GSX-8S』に試乗した際にも感じましたが、標準のAモードでなんとなくスロットルを開けると、身体を置き去りにするような加速を体験できます。
アドベンチャーモデルということで、ネイキッドスポーツの『GSX-8S』に比べ更に上半身が直立していることもあり、更に加速のダイレクト感が強く感じます。
まぁ、上には『GSX-S1000』みたいなさらにとんでもないモンスターも潜んでいますが、それにしたって力強く元気なエンジンだと思います。
それでいて、低回転から滑らかで扱い易い出力特性を有しているので意外と気疲れすることもありません。
SDMS(スズキ・ドライブ・モード・セレクター)でBモード、Cモードをチョイスすれば比較的ラフなスロットルワークで快適に乗ることが出来るのも新型エンジンの魅力です。
ワイドなハンドルと大きく取られた切れ角、高い視点により大型バイクにしては市街地でのUターンや小回りがしやすいのもポイントで、こういった場面でも極低速で粘り強くパワーを発揮するエンジンはとても頼りになります!
そして、クイックシフターの標準搭載によりストップ&ゴーの多い市街地においてクラッチレバーの操作回数が激減し、ストレスの少ないライディングを楽しむことが出来ます!
『Vストローム650』に試乗した際にも思いましたが、アドベンチャーモデルの市街地での扱いやすさにまたも驚かされました。
アドベンチャーモデルってもっとこう、重くて大きい長距離向きバイクだと思っていたのですが、なんだか最近の試乗で認識が大分変化してきましたね……。
それくらい、『Vストローム800』は市街地でも乗りやすいバイクでした!
(下に続きます)
とはいえ、やはりロードアドベンチャーなら郊外のツーリングが一番得意に決まってます!
それに、『Vストローム650』に試乗した際はワインディングでのスポーツライディングが異常なまでに楽しかったので、今回もかなり期待できると思う……!
というワケで、高速道路に乗っかって郊外へワープ!
……でもなんだかこのバイク、兄弟と違うのはホイールだけじゃないような……。
To be continued……
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】