正直に言おう！ GSX-8Rはネイキッド『8S』みたいにはならなかった！ だがしかし……
ネイキッドのGSX-8Sよりも『より高負荷に耐えられる』というGSX-8Rの秘密の一端はリアサスペンションの初期設定にあるのでは？ という予測のもとにワインディングへ出発。
フルカウル＆セパレートハンドルの8Rに8Sみたいな軽快感をプラスできるはず……と意気込んで実験をスタートさせようとしたのですが……まず8Rのリアサスペンション調整がなかなか手強かった……というのが前回までのお話。
でも何とか設定変更に成功！
これまでの数多くのスズキ車に乗ってきた経験から、GSX-8Rにもかなり大きな変化が現れるだろうと期待に胸を膨らませつつ再びワインディングへ。
タイトなワインディングでも（標準設定以上に）リズミカルに駆け抜けられるGSX-8Rになってるはずだ。たぶん。
そして、こういうのは第一印象がとても大事。私（北岡）の体内にあるスズキセンサーの感度をMAXにまで引き上げて走り出します。
さぁ行くぜっ！
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うん？
なんか……
あんまり変わんないな。
誤解のないように言っておきますが、変わってはいるんです。
でもGSX-8Sに感じるような「グリッ！と一気にバイクの向きを変えて強い加速でコーナー脱出」って感じじゃない。
8Sっぽくはなってない。走りのフィーリングはあくまでGSX-8Rの延長線上にあります。結論を申し上げますとリアサスペンションの設定を変えても『8Rは8Rのまま』だという感じです。
ただぁ……
悪くはないのよ。
というか、純粋に『峠で走るスポーツバイク』としてはけっこういいと思う。
フィーリングとしてはGSX-8Rの動きが全体的に『しっとりする』感じ。劇的な変化ではないんだけど、乗ってる側としてはそこかしこに余裕が生まれているのがわかる。
例えば……
標準設定の時よりも安心して、より深くバイクを寝かせていけるんです。でも……タイヤの接地感が大幅に増して感じられる、とかではない。もともと高性能なフロントフォークの性能に、すこし後輪の接地感がプラスされたかな？ というイメージ。
だけど走りながら走行ラインを見極める余裕があって、狙ったラインを外さない。クイックさで言えば標準設定のほうが「わずかに」クイックだと思う。けれど大きな違いって訳じゃない。
ちょっとふわっとした言い方になるけど『大人のスポーツバイク』という雰囲気になってる。もしくはスポーツツアラーみたいな風味が増す。
とはいえワインディングを楽しむペースの範囲で言えば、特にネガティブは感じません。サーキットだと不都合に感じる部分があるかもしれないけど、公道ならむしろ運転の自由度が高くなると思います。
このフィーリング、安心感があってわりと好きかも。
あとコーナーだけじゃなくて、ブレーキが扱いやすくなってると思う。
超ハードブレーキングする訳じゃなければ、ブレーキの制動力の立ち上がりをつかみやすい。なので自信をもってブレーキを掛けていけます。これもリアサスの設定変更によって生まれた『余裕』のひとつです。
性能のいいフロントフォークにリアサスペンションが合わせて動いてくれるイメージ、かな？
総じて言うと、さっきも言った通りだけど『全体的にしっとりする』というのがいちばん表現としてあってると思います。
このバイクをツーリングメインで使う人にはおすすめかも？ 後ろにデカい荷物を積みたい場合は標準のままがいいと思うけど、1泊2日レベルのシートバッグならこのままのセットで問題ないと思えます。
（下に続きます）
なんだか予想とは違う結果になってしまいました……やっぱりGSX-8Sの魅力は8Sならではのもの。8Rの走りはどこまで行っても8Rのもの、ということなんでしょう。
ただね、何度も言うけど『劇的な変化ではない』とはいえ何だかいい感じなんです。私（北岡）が自分で8Rを買ったら、自分の愛車は今回のセッティングにすると思う。
これからGSX-8Rを買いたい人、既にオーナーの人は参考までに。作業がすこし手強い部分があるけど『やってみて損はない』と思いますよ！
よろしければ最初の【前編】からお読みくださいね！
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