ニセブサ拡大に暗躍する『古参組』の存在について
以前より我々『スズキのバイク!』は隼駅まつりにおける「ニセブサ」を追跡してきましたが……それを語るには毎年、偽装潜入を試みる古参のニセブサについて言及しなければなりません。
事態の詳細は以前の報告書をご覧ください。そして、それら古参組ですが、新参に負けじと勢いを増している可能性があります。
本記事は本年度の新たな傾向をまとめた『ニセブサ白書2024』として作成されています。
残念ながらオーナーさんには出会えなかったニセブサたち、何台いたと思う?
スズメさん……成長、した?
こちらの個体は、おそらく昨年2023年に捕獲したスズキ目GSX科250cc属スズメ種に分類される亜種の『隼』が再び帰ってきたものと推測されます。
スクリーン、燃料タンクなど昨年よりも大幅に成長している様子。今後さらなる成長を遂げると『隼』に『雀(すずめ)』ロゴという逆転現象の希少種が誕生する可能性を示唆しています。
ウインドスクリーンにはSマークにSUZUMEの文字。
未解明ですがSUZUMEというブランドが存在する可能性も残されています。
カラーリング変更で『隼』らしさを強調
こちらも昨年に捕獲された亜種の『隼』ですが、今年はロゴを張り付ける紙テープのカラーをスズキイエローにマイナーチェンジ。さらに強い主張を手に入れていました。
自作で起こしたであろうロゴデータを昨年から1年間、大切に残してあるところなどから隼駅まつり(ニセブサ駅まつり)の常習者であることが推測されます。
【上級者向け】もはやクイズのレベル……
昨年、一昨年と会場への潜入に成功している黒い怪鳥を再逮捕。
伝統的な「A4コピー紙組」の古参兵ですが、今年は「隼ロゴ」ではなく謎の暗号文が……
気になる人はググッてみましょう。へぇ~!? ってなるかもよ?
おそらくHayabusaの『H』と推測
シュラウド部分の『H』はおそらくHayabusaの頭文字でしょう。下に「フリガナ」みたいにそう書いてあるので間違いありません。
決してスウェーデン生まれのアレではありません。あしからずご注意ください。
累計1億台突破の金字塔まで……
世界中で愛され、シリーズ累計1億台生産突破という偉業を成し遂げたバイクに非常によく似た隼ですが……
車名どころかメーカー名さえも徹底的に偽装。しかも手書きと思われる『隼ロゴ』の精密さは隼オーナーすらも二度見する完成度。
レベルの高い贋作者が関与していると思われる案件です。
さらにはリアフェンダーにGSX1300Rの車名。ということは、こちらの個体は初期型『隼』の亜種と予想されます。
ここまでくるともはや芸術。車名だけでなくメーカー名まで完全に捨てた「秀逸な作品」といっても過言ではないでしょう。
オフロード走破性を高めたアドベンチャー『隼』も
フロント21インチホイール装備で、砂漠や荒野すらも乗り越えていけるタフな『隼』を発見!
細部まで潤沢にお金をかけて仕上げられたアドベンチャーなスポーツですが……
どうやら『隼ツイン』という名前のバイクのようです。ごめんなさいホ〇ダさん……
でもそのネーミングセンス、大好きよ?
実は珍しい『Y社』分類の隼
私(北岡)の経験上、某Y社の気配を感じる隼は珍しいかもしれません。
センターアップマフラーを採用しピークパワーを追求。サーキットで真価を発揮する高いコーナリング性能を秘めた『ハンドリングの隼』です。
『エンデューロ最強のオレンジ』より放たれた刺客
かつて『エンデューロ最強のオレンジ軍団』とも呼ばれたオフロードの強豪ブランド生み出したオンロードバイクに見えないこともない『隼』です。
こちら690ccに見えますが、車体サイドに125と記載があるので、ひょっとしたらファミリーバイク保険が付帯可能かもしれません。その場合は限りなく維持費がリーズナブルな『隼』といえるでしょう。
ちなみにツーマンセルでの潜入工作を謀った様子で……
フルカウル&セパレートハンドルの工作員も発見しました。
同時逮捕です。
隼ロゴをきちんと保護している部分などが『愛』を感じるポイントのひとつ。
隼オーナーたちはみな『隼』の文字(ロゴ)に誇りを持っていることの証明と言うことができます。この傾向は亜種の隼にも同様のことが言えるようです。
雀(スズメ)でいいのだろうか……
かなり強面。猛禽類も裸足で逃げ出す迫力ですが、ウインドスクリーンを見る限り『雀(スズメ)』です。
最高速300km/hの性能を持っているため『雀の最終形態』と言うべきなのかもしれません。
シングルシートカウルにも存在感。ブラックのボディにホワイトのデカール(紙)が強く『雀』であることを主張しています。ただしスズメの愛らしさは一切ありません。
2回書いてあるんだから間違いない
こちらも新種と思われる大排気量ネイキッドの『隼』です。ボディのブルーがレーシングイメージを想起させます。
しかし何よりも……
目隠しされているため正確に判別はできませんが「Y〇〇〇HA」のようなロゴの上に2回『隼』と書いてあるので、おそらく『隼』でしょう。2回書いてあるんだから、そうに決まっています。
主張こそ控えめですが、スズキの伝統である縦目ヘッドライトに通じるデザインを感じます。
がんばって走ってきたんだね!
推測ですが、おそらく家を出る時点からコピー紙を張ったままで会場まで走行してきたのでしょう。走行風を含む過酷な環境に、さすがの隼ロゴも音を上げてしまった様子。
会場でペロッと貼るのではなく、この状態のまま走ってきた。そこに敬意を表したいと思った『隼』の亜種でした。
ナチュラルにデザインされた650ccの隼
車両重量166kgにまで抑えられ、オフロードでもダイナミックに羽ばたくことが可能な650cc単気筒エンジン搭載の『隼』の姿も!?
こちらの隼の特徴はナチュラルなデザイン……
ホワイトのボディに、おなじく白を基調としたデカール(紙)で仕上げてあるため、一瞬、ニセブサではないとスルーしそうになりました。
かなり巧妙に偽装されているので、バイクに詳しくない人が見たら『へぇ、これって隼っていう名前のバイクなんだね!』と誤った認識を植え付ける危険性を持った要注意の海外(逆輸入)種です。
車体側面に感じる新型『隼』の遺伝子
さりげないワンポイントで『隼』ロゴがあしらわれているため、容易に偽装と判別可能……摘発の対象となりました。
しかしながら後日、証拠写真を見ていると『車体サイドのデザイン』に共通項が見受けられたため誤認逮捕の可能性が浮上。捜査は混乱を極めました。
偽装『隼』のシュラウド部の曲線と新型『隼』のサイドカウルのメッキパーツ部デザインに近いDNAを検出。真相は闇の中。事件は現在も迷宮入りとなっています。
首謀者は女性!? 大規模な集団偽装工作も発覚
2024年の隼駅まつりオリジナルTシャツが水色だったため、うっかり見過ごしてしまいそうでしたが、実際は13名(総勢14名)での大規模かつ組織的な偽装工作が新たに発覚。
すべてVストロームに分類される『隼』を複数台摘発しました。
驚くべきことに中心人物は女性(@aisakabikeさん)で、神戸を拠点に活動をしているとの情報が確認されています。
その他、潜入した車両にはすべてに何らかの偽装工作が行われていたとの報告も受けています。
偽装方法に統一性はなく、ロゴの色や場所などにルールなどは見受けられません。そのため同一グループによる潜入工作と見分けることが非常に困難となっています。大胆にも某SNSでは『Vスト友の会』として隼駅まつりに潜入した声明が出されていました。
これまでにない新しい手口として、2025年以降では警戒が必要となるでしょう。
レッツエンジョイ! ニセブサ!
ご覧のように隼駅まつりでは今『ニセブサ』が多発しています。
運営側ニセブサ代表となるヒラヤマ氏などは高速型のスプロケットに換装し、さらなるクルージング性能を手に入れた! と『リアサスペンションが無い隼』を順調に進化させていました。
(下に続きます)
これが水面下で成長を続ける『もうひとつの隼駅まつり』の実態……昨年に比べ、著しくその勢力は拡大しています。
来る2025年。
この勢いに乗じ『我こそは!』と思ったバイク乗りのみなさまは、次なる「隼駅まつり」にて奮ってご参入ください。
レッツエンジョイ! ニセブサ!
【文/北岡博樹(モーターマガジン社)】