今となってはなかなか見ることが難しくなった貴重な「スズキの歴代バイク」を紹介する連載企画。 そんなスズキの歴代バイクを振り返りながら、もし「今のバイクに例えるなら…?」と、編集部 岩瀬が独断と偏見で選んでみたいと思います。今回はTシリーズからGTシリーズへと進化した『GT500』です!

SUZUKI GT500(1971年)

「スズキの大ヒットモデル“T500”の後継機」

画像1: SUZUKI GT500(1971年)

SUZUKI GT500(1971年)

1968年に「2ストで500cc」という、当時画期的なエンジンのマシンとして登場し、世界中のライダーから支持を受けた「T500」。

そのT500が1971年にモデルチェンジして登場したのが、今回紹介する「GT500」です。

画像2: SUZUKI GT500(1971年)

SUZUKI GT500(1971年)

エンジンは500ccの「空冷2ストローク並列2気筒」を搭載。最高出力は6500回転で47馬力を発揮し、最大トルクは5.5kg-m/6000rpmまで向上しました。

当時としては大容量の14.5Lガソリンタンクを備え、ダウンタイプのマフラーやクロームメッキフェンダー、長距離ツーリングでも疲れにくいタンデムシートなど、現代でも通用するほど完成されたスタイリングで登場しました。

その後、エンジン型式は違えどスズキの「GTシリーズ」は、GT100、GT125、GT185などの小排気量モデルから、GT250、GT380のミドルクラス、さらにはGT550、GT750の大型クラスまで幅広い排気量のモデルをラインアップしていきます。

「2ストロークのスズキ」と言われるほど、高性能な2ストロークモデルを次々と発表していきました。

SUZUKI GT550(1972年)

「ラムエアーシステムを搭載した空冷2スト3気筒へ進化!」

画像: GT550(1972年)

GT550(1972年)

そして、GT500の登場からわずか1年後の1972年には、550ccとなる「GT550」を発表します。

GT550は排気量を50ccアップさせただけではなく「空冷2ストローク並列3気筒」という、全く別のエンジンを搭載し、冷却効果の高い「ラムエアーシステム」を新採用した次世代のGTマシンとして生まれ変わりました。

また、3気筒エンジンでありながら、エキパイを組み合わせた4本マフラーを装着することで、排気音を低周波音に変え、低速での出力増大にも貢献しています。

さらに、制動効率の高い油圧式の「ディスクブレーキ」を前輪に新採用するなど、バイクの高性能化による、安全性や信頼性も格段にアップしました。

現行車に例えるならどんな車種?

さて、ここからはあくまでもスズキのバイク編集部 岩瀬の個人的な主観で「現在のバイク」に置き換えてみる妄想企画です。

「Tシリーズ」から「GTシリーズ」に生まれ変わった「GT500」を、もし現在のスズキ車で選ぶとしたら、現代版のリッターキラー「GSX-S750」に近いかもしれません。

GT500は500ccの2ストローク2気筒エンジンを搭載した当時の“スーパースポーツ”と言えるモデルなので、排気量は異なりますが、スズキのスポーツモデルの末裔とも言えるGSXシリーズの『GSX-S750』と比べてみたいと思います!

画像: 「GSX-S750 ABS」車両価格:98万7800円(消費税10%込)<マットブラックメタリックNo.2>

「GSX-S750 ABS」車両価格:98万7800円(消費税10%込)<マットブラックメタリックNo.2>

GSX-R750のエンジンを継承し、最先端のテクノロジーが投入されたストリートスポーツ「GSX-S750」。

749ccの水冷4ストロークDOHC4気筒エンジンを搭載し、3モードの「トラクション・コントロール・システム」や「ローRPMアシスト」などの最新の電子制御システムを装備しています。

(下に続きます)

GT500のような2ストロークの500ccエンジンは、現在の4ストロークモデルなら1000ccクラスに匹敵するマシンかもしれませんが、現行車のミドルクラスネイキッドなら「GSX-S750 ABS」が近いかもしれません。

GSX-S750 ABSの2021年モデルは、ニューカラーが登場し、「グラススパークルブラック/トリトンブルーメタリック」「オールトグレーメタリックNo.3/グラススパークルブラック」「マットブラックメタリックNo.2」の3色ラインアップで、2021年2月22日から発売されています。

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