新兵器投入の『チーム・スズキ・エクスター』の力を見たかったけど……
先の8/8(日)に行われたMotoGP第10戦スティリアGPから1週間後、同じコースでの連戦となる第11戦オーストリアGPが終了しました。
先週にもお伝えしてますけど、スズキは先の第10戦より新しい電子デザイスを投入し戦闘力をアップ。
生まれ変わったMotoGPマシン『GSX-RR』の実力を測るのに、このレースはとても注目していたのですが……
ものすごい乱戦に!?
原因は雨です。全チームが雨に振り回されたと言ってもいいと思います。
予選は#36ジョアン・ミルが7番手スタート、#42アレックス・リンスが13番手スタートで、この1週間の間にライバルチームも相当、気合入れてきたな……という印象でしたが、レースがはじまったらもうそれどころじゃない(笑)
路面ドライでスタートした決勝レースは1周目にすぐ白旗。雨に備えたサブマシンへ交換することが許可されましたが、雨は強く降ること無く、そのままレース続行。
トップグループも団子状態できわどい競り合いが連続……
そんな先頭集団に食らいつくミルが健闘するなか、レース8週目には再び雨となります。
しかし、各ライダーはピットインせずギリギリの勝負を繰り広げていましたが……28周中、残り5周で雨脚が強くなりリンスがマシン交換でピットイン。
雨による転倒も多くなり、残り3周でトップグループもたまらず一斉にレインセッティングのバイクに乗り換えるためにピットインしました。
ミルを含む先頭集団はギリギリの競り合いを繰り広げていたので、これは当然の判断だったと思います。
だけど、ここで『そのまま行く』判断をくだしたトップ集団の中に一人だけいた。
KTMのB・ビンダーです。
雨の中でのスリックタイヤっていうのは、マトモに走れる代物じゃありません。
なにせ排水のためのグルーブが無いんですから当然のこと。ちょっとバイクを寝かせたらツルッ。すこし強めにブレーキかけたらツルッ。いかに電子デバイスが優れていても、どうしようもない状態になります。
レインセッティングのバイクに乗り換えたライダーは、ドライコンディション用のバイクのままで走るトップを猛追。まともに走れた状況じゃない中でヨロヨロでも『そのまま行く組』は逃げ切りを目指します。
まさに大混戦。誰が勝つか、最終ラップまでまったく読めず。
そして結果は『そのまま行く』を選択したB.ビンダーが逃げ切りました。あと1周レースが長かったら、結果は違っていたと思います。賭けに勝った。そういうしかありません。
いやぁ、今回はさすがにスズキ贔屓も何も通用しない乱打戦でした。見応え的には最高のレースでしたけどね。
その大混戦の中で、最終的にリンスは14位フィニッシュ。
レインコンディションのマシンに乗り換えた後のミルは、ピットイン前は6番手だったのですが、猛追を見せて最終的には4位フィニッシュ。
スズキのGSX-RRの真の実力を見せてもらうのは、次戦に期待しておきましょう。
あ、そうそう!
(下に続きます)
4位フィニッシュのジョアン・ミルですが、チャンピオンシップの中で現在ランキング3位につけていますが、この第11戦を終了した時点でポイントはランキング2位と同点の134ポイントになっております。
もうひとつ加えると、ランキング1位のライダーとの差もジリジリッと縮まっています。
残るは8戦、まだまだレースは面白くなりそうです。
とまぁ……最後はきっちりスズキ贔屓で。
それではみなさま、次戦も楽しみに!