タンデムをしてみて分かったスズキ「スウィッシュ」の二人乗りポテンシャル
50ccと原付二種の大きな違いは二人乗りもできる、ということでしょう。街でも125ccスクーターでタンデムをしている人をよく見かけますよね。
というわけで、スウィッシュでもタンデムをしてみました。
スウィッシュの特徴は、車体のコンパクトさ。そのため、タンデム性能は不利かと思われましたが、じつは意外なほどに快適だったのです。
まず、シート。前後一体型シートですが、ライダーとパッセンジャーの着座位置に段差をつけることではっきりと分かれています。
そしてパッセンジャーの掴まりやすさも特長。
タンデムグリップとともリアキャリアが標準装備。そのためライダーにがっちりしがみつかなくても大丈夫。(もちろん、しがみつくこともできます)
タンデムステップは格納できるタイプ。位置が絶妙でがっちりと踏ん張れます。
ライダーとパッセンジャーの距離感はこんな感じ。
広々しているとは言えませんが、しっかりとそれぞれのスペースがあるため、ライダーの運転に支障が出ることはありません。
僕の場合、普段よりほんの少しだけ前に着座して運転しましたが、窮屈さを感じるほどではありませんでした。
二人乗りをすると、リアサスペンションがグッと沈みます。後席に収まるのが細身の女性でも、足つき性が高まったことが分かりました。
そのままでもいいのですが、スウィッシュの場合は、リアサスペンションの3段階のスプリング調整が可能。タンデム時や荷物の積載時など好みの硬さに変更できます。
実際に運転をしてみても、力強いエンジンのおかげで、街中でストレスを感じることはありませんでした。
そして、しっかりとした2本サスの効能をここでも発揮。
(下に続きます)
ライダーの僕は、しばらくすると何にも気にならなくなり、ほとんどひとりで乗っているのと変わらない気分に。同乗者も快適だったとのこと。
それは高性能なリアのツインショックが大きく貢献していると思いました。
前後10インチの小径ホイールでキビキビとした走りを楽しめるスウィッシュですが、並みの装備では路面のショックがきつすぎます。
そこでリアサスを強化することで、快適性をアップ。
それはタンデムでも力を発揮し、快適な二人乗りにつながっています。
また、車体全体が非常にかっちりとできているということにも気づきました。
スウィッシュの税込価格は32万4500円。
スズキの原付二種スクーターでは高級車の位置づけとなります。そのため、各部の精度も高いのでしょう。
走行中や取り回しに、クオリティの高さを感じさせてくれます。
充実した装備の分が価格に反映されているのかと思いましたが、どうやらひとつひとつのパーツをはじめとする全体の完成度の高さが特長のようです。
文:西野鉄兵/写真:岩瀬孝昌・西野鉄兵/モデル:加藤みゆ
スズキ「スウィッシュ」の主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 1830×690×1095mm |
ホイールベース | 1250mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 760mm |
車両重量 | 114kg |
エンジン形式 | 強制空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 124cc |
最高出力 | 6.9kW(9.4PS)/7000rpm |
最大トルク | 10N・m(1.0kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 5.5L |
変速機形式 | Vベルト無段変速 |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-10 56J・100/90-10 56J |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・ドラム |
メーカー希望小売価格 | 32万4500円(税込) |