写真・文:岩瀬孝昌(編集部)
ビッグスクーターならではの良さを残しつつ、コンパクトになった新しい“400cc”のバイク
スズキ・バーグマン400はビッグスクーターブームを牽引した“スカイウェイブ”シリーズの後継モデルとして、2017年の夏に登場しました。
2020年9月現在、国産メーカーで400ccクラスのビッグスクーターは、このバーグマン400だけです。
もともと“バーグマン”という名は“スカイウェイブ”のグローバルモデル名として付けられていた名称ですから、日本でも統一してリニューアルされたと言った方が正しいでしょうか。
そんなバーグマン400は“新しい時代のビッグスクーター”として開発が進められていました。
しかし、これまでと同じようなモデルをラインアップしても、ブームが爛熟した今では、きっと日本のユーザーの心を掴めない。
だからこそ、従来のビッグスクーターの良さを残しつつ、時代や用途に合ったスタイルとして、ものすごく研究されているのがわかります。
「バーグマン400」のライバルは「バーグマン200」!?
「バーグマン」シリーズは、グローバルモデルも含めれば650cc、400cc、200ccなどの種類がありましたが、現在の国内市場ではバーグマン400とバーグマン200がラインアップされています。
偶然にも2台を一緒に揃えることができましたので、バーグマン400とバーグマン200を少しだけ比較してみました。
<バーグマン400> ■最高出力:31PS / 6300rpm ■最大トルク:3.7kgf-m/ 4800rpm ■車両価格:81万4000円(税込)
<バーグマン200> ■最高出力:18PS / 8000rpm ■最大トルク:1.6kgf-m/ 6000rpm ■車両価格:53万3500円(税込)
こうして並べて写真を撮ってみると、見た目こそよく似ているものの、シート形状やスクリーンの大きさなど、排気量だけではない違いがたくさんあります。
価格や用途、好みなどによって選べるのはユーザーにとって嬉しい限り。
バーグマン400に乗る前からバーグマン200も気になってしまいました(笑)。
今となっては国産メーカーで比較対象のバイクがないので、バーグマン400のライバルはバーグマン200なのかもしれません。
バーグマン400がこれまでのビッグスクーターと違う“3つの特徴”
①大きすぎない「ボディサイズ」
これまでのビッグスクーターは街乗りで使うにはちょっと大っきいかな、と思うことがありました。
バーグマン400がこれまでのビッグスクーターと大きく違うところは、400ccクラスでありながら、250ccクラスのスクーターと同じくらいのサイズ感で登場したところです。
■バーグマン400 全長:2235mm ✖️ 全幅:765mm ✖️ 全高:1350mm 車両重量:215kg
■スカイウェイブ400 全長:2270mm ✖️ 全幅:825mm ✖️ 全高:1385mm 車両重量:227kg(STD)
先代モデルのスカイウェイブ400と数値で比べてみると、全体的にコンパクトになっていることがわかると思います。
実はこの進化に気づいていない人、けっこう多いんですよ!
②操縦安定性が高いフレーム構造
そしてバーグマン400は“車体の造り”から理にかなった構造になっています。
水平に近いくらい傾いた水冷単気筒エンジンに、リンク式のモノショックリアサスペンションが直接マウントされているユニークなシャシーは、低重心とマスの集中化に貢献しながらも快適な乗り味を生み出しました。
アンダーボーンとなるパイプフレームから新設計されただけあって、軽量化とコンパクト化に優れ、先代モデルのスカイウェイブ400と比べると、車両全体でなんと約8kgもの軽量化を実現しているんですね。
(下に続きます)
③旋回性も直進安定性も高いフロント15インチタイヤ
先代モデルのスカイウェイブ400はフロント14インチでしたが、バーグマン400のフロントタイヤは15インチが採用されています。
このおかげで旋回性を損なうことなく、直進安定性も高まっているので、高速道路を使ったツーリングにも向いているんです。
ちなみにリアホイールは13インチのままですが、幅150mm、扁平率70%のやや太めのタイヤになっていて、グリップ力もトラクション性能も高く、車体をグイグイ押し出してくれる感じです。