初期型『カタナ』のオーナーは悔しいかもしれない……
電子制御スロットルや走行モードを選択できるSDMS(スズキドライブモードセレクター)、そして5段階に介入度を調整できるようになったトラクションコントロールなど、最新の電子制御を手に入れ、第二世代へと進化した新型カタナ。
ぶっちゃけ、乗ったらけっこう驚かされました。だって走り、特に『パワー感』が全然違うんだもん……
ちなみに第二世代カタナのエンジンは基本的にGSX-S1000/GTシリーズと同じ。スーパースポーツGSX-R1000譲りのパワーユニットは、最高出力150馬力を叩き出します。
MAX150馬力のエンジンですから、速いか遅いかで言えば『めちゃくちゃ速い』としか言いようがありません。
でも初期型カタナは、その強烈パワーを、とあるアイデアによって扱いやすく仕上げていたんです。
それがこちら。
スロットルグリップの巻き取り形状を上の写真のようにして、アクセル開度が小さいうちは急激にパワーが出ないようにしてあるんです。
そのおかげでカタナは150馬力のバイクとは思えないほどに扱いやすかった訳ですが、新たに電子制御スロットルを手に入れた第二世代はこの機構が廃止されています。まぁ、スロットルワイヤー自体が無いんですから、当然のことですが。
けれど、人間のセンサーっていうのは優れているもので、そんな大した腕前のライダーではない私(北岡)ですら『カタナはこういう走りかたをする』って身体が覚えているんです。
その記憶、身体が覚えている感覚と第二世代のカタナの走りは大きくズレる!?
初期型がいかに意識的に『扱いやすさ』の面を際立たせていたのかを逆に痛感しました……
言ってしまえばGSX-S1000同様に『エンジンの持てるパワーをフルに堪能できる仕様』になった訳ですが、身体に染みついた感覚というのはなかなか消えないもので……
ちょっとしかアクセルを開けてないつもりでも、ゴォワッ! とか唸って一気に加速しようとするんですよ。
純粋に初期型と比較するなら、ずいぶんパワー系のバイクになったように感じられます。
とはいえ、狂暴って話じゃありません。
電子制御スロットルによって、きちんとパワーは制御されてる。そこに扱いにくさはありませんが、単純にパワー感がスゴい。
メーカー発表の内容には特にアナウンスが無かったので、現状では『GSX-S1000と同仕様のエンジン』と認識していますが、個人的な感想としては『第二世代カタナはGSX-S1000とは仕様が異なります』と言われたほうが納得できる。体感的にはそれほどの変化です。
これには乗車姿勢も関係しているとは思います。
新型カタナはGSX-S1000と比べても(GSX-S1000GTと比べても)上半身が起きたライディングポジションだから、加速時に上半身が置いて行かれるような感覚が強い。そのせいでパワー感を強めに感じているのかもしれません。
それとリアサスペンションのセッティングがわりとハードなので、そこもダイレクトな加速感につながってる可能性アリ。
ただまぁ、ですね……
これらの感想はフルパワー解放仕様のA(アクティブ)モードでのお話。
手元のボタンで走行モードを切り替えられるSDMS(スズキドライブモードセレクター)をB(ベーシック)モードに切り替えれば一気にスムーズです。
さきほどまで感じていた強烈さをBモードではまるで感じない。極めて従順。
街乗りとか普段使いなら『こりゃ常にBモードで走るな』と感じるほどに扱いやすいバイクに早変わりです。
電子制御、スバラシイ……
ということで、個人的に注目なのはAモードでの走り!
そのパワー感が車体とどうバランスするのか? 今回はそのあたりをクローズアップしてお届けしてみたいと思います。
(下に続きます)
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とりあえず、街乗りしてみての第一印象をひと言でまとめるなら……
第二世代カタナ、なんか前より『速いバイク』になってるぞ! ってこと。
だだ……非常に言いにくいのですが……このパワー感、初期型のオーナーさんはちょっと悔しいかもしれないです!