パニアケースをつけた途端に印象が変わったGSX-S1000GT
昨年2021年9月の発表では、その斬新スタイリングで話題をさらい、今年2月に発売。スズキさんからバイクが借りられるようになって、我々『スズキのバイク!』でも早速乗ってみたのが4月のことです。
で、その時の印象はと言うと……
『確かにツアラーだけど、なんか普通じゃねぇな』
っていうのが、じっくり乗ってみての第一印象。でもその時は『パニアケース無し』状態でした。
ただ、やっぱりGTと名乗るからにはパニアケースありの状態こそが真の姿。
なぜってほら? 箱がついてるほうが……
単純にカッコいい!
そして今回は、パニアケース付きのGSX-S1000GTが借りられるようになったと聞きつけて、再びスズキさんからGSX-S1000GTをお借りしてみた次第です。
ついにGSX-S1000GTが真の姿を現す時がやってきたぞ!
一般的に言うとパニアケースって
ちなみに、こういった大排気量ツアラーやアドベンチャーバイクについているパニアケースって、パニアあり/なしの状態でけっこう印象が変わります。
だってまぁ、なにせパワーのあるバイクでしょう?
パニアケース自体の強度も必要だし、日本だけじゃない海外での使用も想定したハイスピード走行にも耐えられるガッチリの取付けじゃないとダメ。そうなると必然的に、ある程度パニアケース自体も頑丈かつ重くならざるを得ません。
なのでパニアケースをつけると、バイクをサイドスタンドから引き起こすだけでも『お、ちょっと重いな』って感じることは、よくあること。
もちろん、それら重量物が車体に装着されることで、走行中のバイクの動き方/ハンドリングも変わってきます。
パニアケース状態でも『GSX-S1000GT』は重く感じない?
結論から言っておくと、パニアケースをつけたGSX-S1000GTにはけっこう戸惑いました。ちょっとジレンマを抱えるハメになったと言ってもいいです。
そこはまぁ、後にお伝えしますが、まずは順を追って。
パニアケースを装着した状態からのサイドスタンドの引き起こし。これはけっこう驚いたんですけど、あまり『重くなった』と感じませんでした。
もっとこう……ヨイショ、みたいな感じになると予想していたんですけど、そういうのはほとんど無し。少なくとも停止状態では、ここ数年乗ったバイクの中で、最もパニアあり/なしの印象の変化が少なかったと思います。
これには(リッタークラスのツアラーとして)もともとの重量が軽いことや、バイクの重心位置・重量のバランスも関わってくると思いますが、なにより『パニアケースあり状態』できちんと設計されているんだろうなと感じた部分でした。
こういうの、オーナーにとっては地味に大事なことです。ツーリング中の疲れや使い勝手にも関わってきますからね。
で、使い勝手といえば、そのサイズ感。
パニアケースを両サイドに取り付けた場合、ハンドル幅よりもわずかに広い。でもミラーの左右ミラーの幅の中にはギリで納まる。そういう感じです。
ライダー側の体感的な認識としては『ミラー幅とほぼ一緒』だと思えば、間違いないかと。
GSX-S1000GTはパニアケース装着の前提でシートカウルがややスリムに設計されていて、ケース容量を稼ぎつつ、ミラー幅に収まるように開発の人ががんばったに違いない……という努力の痕跡が見て取れました。
ちなみに容量は片側36L。合計72Lあるので、ソロでツーリングするぶんには十分すぎる収納力と言えます。
もうすこし具体化すると『フルフェイスヘルメット(Arai/Mサイズ)』がギリギリ入らなかった、といえばイメージしやすいでしょうか。無理やり押し込めば入るかも、でもやっぱやめとこう、みたいな感じです。
ちなみにヘルメットホルダーは別に用意されてますので、パニアケースにヘルメットが入らなくても特に困ることはありません。まぁ……パニアケースにヘルメット入れて走ることなんて、ほぼ無いですから、あくまでサイズ感の目安として。
(下に続きます)
全体として言えば『ちょっと小振りなパニアケース』といったところ。
でもGSX-S1000GTはこれでいいんだと思います。タンデムで2泊3日以上の長旅をするならVストローム1050をどうぞ、ってことなんでしょう。
だってGSX-S1000GTはツアラーだけど、ちょっと普通じゃないっていうか、時にスプリンターすぎることがありますから(笑)
そして本題。問題はその走り。
なんというか……パニアケース付きGSX-S1000GTで走りはじめたら『ちょっと困ったこと』になってしまったのです!