パニアケースを装着してスタイリング的に完成! しかもあまり重くなった印象もない。これは期待できるかも!? と走り始めたのですが……

ハンドリングが予想以上に変わったGSX-S1000GT

画像1: ハンドリングが予想以上に変わったGSX-S1000GT

パニアケースを装着で本来の姿となり、エンジン停止状態では体感的に目立った重量増も感じなかったので『パニア付きでもけっこう走れそう?』なんて内心思っていたんですが……

結果的に、ハンドリングはかなり変わりました。

だいぶ優しくなるっていうか、いきなり『グランドツアラー』な感じになって逆に驚くほどです。

ちなみに高速道路を含め、真っ直ぐ走っている時にはパニアあり/なしでそれほど大きく違いを感じることはありません。

イメージとして、パニアなしは弾丸状態、パニアありだとどっしり戦艦状態といった、主に気分的な部分で違いを感じることはあります。けれど荷物を積んでも高速クルージングの直進安定性や快適性はどちらも盤石。

むしろ荷物を積んでいたほうが、リアサスペンションのセッティングに合うのか、乗り心地は快適に感じるほどでした。

画像2: ハンドリングが予想以上に変わったGSX-S1000GT

これなら本当、東京から短期決戦で北海道上陸を果たすことすらできそうです。別にGSX-S1000GTは弾丸ツーリングバイクって訳じゃありませんけど、そういう適性も高いのかもしれません。

で、肝心の走りのほうですが、【前編】でお伝えしたとおり、停止状態でサイドスタンドから引き起こしたりするぶんには、特に重量増などは感じなかったのですが、走り始めてみるとかなり違いを感じます。

画像3: ハンドリングが予想以上に変わったGSX-S1000GT

パニアケースなしの時はスッと軽快に動いていたのが、ケースをつけた途端にふわっと優しい動きに変化。

そのフィーリングはまさしくツアラーそのもので、ライダーを疲れさせない穏やかさが印象的でした。けっこうハンドリング変わるけど、これはこれでイイねぇ~、なんて鼻歌まじり。パワーまかせで一気に距離を稼ぐのも、穏やかに走るのも自由自在です。

ところが……

一般道に降りてワインディングに入った時、混乱した。『え? これどうすりゃいいの!?』って軽く脳が混乱しかけました。

GSX-R1000譲りのエンジンが走りたがる……

画像1: GSX-R1000譲りのエンジンが走りたがる……

ちょっとしたジレンマとも言えます。

パニアケースを装着したGSX-S1000GTは、ハンドリングこそ『グランドツアラー』に変化しますけど、エンジンはGSX-R1000譲りの強心臓。

そこで何が起こるかと言うと……

画像2: GSX-R1000譲りのエンジンが走りたがる……

どうしてもこうなる。主にライダーの気分のせいで……箱がついてる旅バイクなのに。

だってこのエンジン、SDMS(スズキドライブモードセレクター)の走行モードをAにして走ると、グイグイいこうとするんだもん。

GSX-S1000GTは4000回転以下だと極めてシルキー&スムーズに整えられているんですけど、そこから上は一般的な『ツアラー』から少々脱線します。スーパースポーツ感が強すぎる。

画像3: GSX-R1000譲りのエンジンが走りたがる……

なのでエンジンの誘いに乗ると、コーナー目掛けて突進したくなっちゃう。

だけどパニア無し状態のようにはクイックに動かないので、コーナーの進入で、車体が狙ったバンク角に落ち着くまで、すこし『待ちの時間』が発生するんです。

待ちの時間なんて言っても、実際にはほんの1秒も無いんでしょうけど、それでさえGSX-S1000GTが本来持っているスポーティさの前ではもどかしく感じる……

画像4: GSX-R1000譲りのエンジンが走りたがる……

わかるでしょうか?

思いっきり行きたいのに、それは本来できるのに、ガマン。なんとなく『お預け』をくらっているような心境に近いです。

どうすりゃいいんだ?

このバイクは一体オレにどうして欲しいんだあぁぁぁっ!!!

……ものすごいジレンマを抱えました(笑)

たぶん既にGSX-S1000GTのオーナーになっている人は、私と同じような感覚に陥ったことが何度かあるはず。

問題の解決は簡単なんだけど

画像1: 問題の解決は簡単なんだけど

でもまぁ、問題の解決方法は極めてシンプルです。

大人として、ガマンすればいいだけ。

せいぜい上体を軽くイン側に入れるくらいで、ほどほどに走ればいい……って、それが素直にできるなら困りませんけど。私(北岡)はどうやら大人失格みたいです。

画像2: 問題の解決は簡単なんだけど

ただし、私と同じように大人失格のお仲間がいらっしゃいましたら……

頼りましょう、電子制御サマに。

深呼吸して、一息ついて、ボタンをカチカチ……SDMSの走行モードをB(Basic)へ。

パニアケース状態は『Bモード一択』のGSX-S1000GT

画像: パニアケース状態は『Bモード一択』のGSX-S1000GT

それだけでOK。乗り手の心は完全に救済されます。

不思議なもので、溢れるパワーを電子制御で抑えた途端に、ライダーの気持ちまで穏やかになるんです。

しかもまた『Bモードのパワー特性』と『パニアケース装備状態のハンドリング特性』がベストマッチ!

(下に続きます)

パニアケース無しでコーナリングする時の『GSX感』はどこいった? と思うくらいに従順なグランドツアラーに化けます。

パニアを装備してのツーリングはBモード一択です。Aモードは自らを苦しめるので、使用には十分ご注意ください。

それにしても、パニアケース&Bモードの組み合わせでGSX-S1000GTを走らせていると……

『コイツ、猫かぶってんナァ~』

としか思えないのは、一体どうしたらいいんでしょう?

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