バイクをライダー側に合わせる、という発想も大事
GSX250Rは250ccフルカウルスポーツだけど、エンジン特性が他とは違うオンリーワンのキャラクター。だから走らせかたも、必然的に変わってくる。
そのことを熱弁するあまり、長話になってしまったので、足まわりの話はこちらでお話させて頂きます。
まず、GSX250Rのノーマルの足まわりのセッティングですが、乗ってみると『フロントが柔らかめで、リアサスペンションは硬め』だと感じると思います。
で、その硬めのリアサスペンションのおかげでコーナリングではダイレクトに路面を感じやすい。フィーリングとしては(ノーマルの設定は)スポーティ方向だと言えます。
ただ、それが必ずしも正解、だとは私(北岡)は思ってません。
ライダーにはそれぞれ好みがありますし、私の場合はもうすこし『サスが動いている感じがする』ほうが安心できます。
それに私は身長176cmですが、筋金入りの『もやしっ子』ですので体重も54kgくらい。正直、ノーマルのサスペンションセッティングは硬すぎるナァ……って感じるんです。
なので、もしGSX250Rが自分のバイクだったら、絶対にリアサスペンションのバネの強さを調整します。いわゆるプリロード調整ってやつです。
やりかたは特に難しいことはありません。オーナーズマニュアルにも普通に書いてあるレベルのことです。
シートを外して、車載工具で調整できる。ただ、GSX250Rの場合、バッテリーを外すのがちょっと面倒なので、行きつけのバイク屋さんに協力してもらうのもアリだと思います。
標準のセットが『3』なので、私の場合は『1』までバネの強さ(初期荷重)を弱くします。
ちなみに『2』だと、あまり変わった感じがしませんでした。
で、これをすると何が変わるか?
まず、街乗りでの乗り心地が抜群に良くなる。それまで感じていたゴツゴツ感が嘘みたいに消えます。
GSX250Rの乗り心地に硬さを感じている人で、使用用途がソロ(1名乗車)での街乗りメインなら無条件でバネの強さを弱めるのはおすすめできます。
ちなみに高速道路のクルージングも同じ。
高速道路の継ぎ目などで感じる不快感が消える。確実に快適になります。
ただ、ロングツーリングで大荷物を積んでいる場合は、この限りじゃないと思ってください。デカいバッグ積んで荷物満載で走ることが多いなら標準のセッティング、もしくは『2』くらいにしておくのがいいかも。
体感として「乗り心地が硬いと感じる場合」にバネの強さを弱くしてみる。手間はそれほどでもありませんが、走りはずいぶん変わります。試す価値はあると思う。ちなみに標準『3』よりバネの強さを強めるのはタンデム走行の時くらいだと思います。まぁ、2名乗車時でも標準『3』で十分ですけどね。
ただし『やりすぎ』には注意です
ちなみにワインディングでも、節度を守って走る場合には、私の場合は『1』が最も好みでした。
サスペンションにストローク感が生まれて、後輪の接地感を感じやすくなります。バイクを寝かせている時にギャップを踏んでもハネたりしなくなりますし。
ただし、バネの強さをいちばん弱めた『1』の状態で、バイクを深く寝かせた状態からアクセルを一気にドカン!と開けると、若干リアサスペンションがついてこない。揺り戻しが来るような不安定を感じるシーンが出てきます。
まぁ、それだって破綻するような怖さではないんですが、なんかちょっと気持ち悪い。エンジンの力強さとバランスが取れない瞬間がたまにあるんです。
なのでリアサスペンションのバネの強さを最弱の『1』まで弱めた状態で、スポーティにワインディングを楽しむ時は、スロットルワークに『丁寧さ』をプラスして運転してやる必要があります。
でも、そういう『ひと手間』がかかったとしても、標準設定より『1』のほうが私は好み。
なんと言うべきか……ちゃんとリアサスペンションが動いているとを感じられることで『これ以上は危ない』という、セーフティとしての怖さを察知しやすくなる。ここ、私的には大事なポイントです。
まぁでも、これはあくまで私の体格の話ですし、ライダーそれぞれの『好み』もあるので、無条件でおすすめとは言いません。
(下に続きます)
ちなみに『リアサスペンションの調整とか、自分にはわかんない』という人ほど、変化の恩恵を体感できると思います。
そして、試行錯誤して好みのバネの強さを見出したら、GSX250Rと過ごすバイクライフが、今以上に楽しくなること間違いなし。
GSX250Rのオーナーさん、もしくなGSX250Rが欲しいと思っている人は、是非とも1回は試してみてください! たぶん、それまで知らなかったGSX250Rの新たな魅力に出会えるはず。そしてGSX250Rを、これまで以上に『好き!』になるはずですから!