気が付いたら『スピード出しすぎ』になりがち、の理由
そういえば……前回までのお話の中で『街乗りでのVストローム800はどうなのか?』 ということをお伝えするのを完全に失念しておりました。
なぜかというと『あまりにも気軽だから』です。
これは先の【変更点 編】の最後のほうでチラリと触れたことですが、Vストローム800は取り回しが気楽なんです。
実際の重量223kgよりも10kgくらい軽く感じます。
バックとかもヒョイヒョイいける感じ。フロントホイールが19インチになっているとはいえ、それなりに大柄なボディサイズなんですが、不思議なほどに気軽です。でも、こういうの『オーナーになる』としたら実はすごく大事。取り回しが軽いことは正義です!
そして、もちろん足つきも!
Vストローム800のシート高は825mmで数値的には低くない部類ですが、跨ると思ったよりサスペンションが沈むので足つき性は数値以上に良好です。
身長176cmの私(北岡)だと両カカトが軽く浮くけど、気分的には両足べったりの安心感とほぼ変わらない印象でした。これも街乗りが安心な理由のひとつです。
当然、片足だったらもっと余裕があります。なので日本人男性の平均的な体格であれば、普通に扱えるだろうと予測できます。
やっぱりねぇ、足つきが良いバイクって『跨った瞬間から安心』だもん。これ本当に。
それに、ハンドリングだって素直で軽い。
そりゃまあバイク通勤・通学に使うようなタイプじゃないかもしれないですけど『やろうと思えばそれもイケる』という程度には街乗り機動力も備えてます。800ccの大型アドベンチャーバイクとして考えれば破格に扱いやすいと言うべきかもしれませんが……
でも『Vストローム800』の本質はそこじゃない
とはいえ、Vストローム800が街乗りバイクな訳はありません。私としても『伝えたいところ』はそこじゃない。
やっぱり街から飛び出してナンボ!のバイクです!
ということで飛び出してみた後の高速道路なんですが、これが……なんだか不思議な感じです。
この時の高速道路は新東名で時速120km区間も走りました。パワーとか安定感なんて言うに及ばず。そこは800ccの新設計エンジンかつ『スズキのVストローム』ですから太鼓判です。
乗り心地に関しては『一般的なアドベンチャーバイク』と『純粋なロードスポーツ』の中間くらいっていう感じ。ごくたまに高速道路の継ぎ目を感じることがある……でもそれは「サスペンションのしっかり感」と捉えて良い範囲だと思います。
純粋な直進安定性に関して言うなら、ホイールベースが55mm長いVストローム800DEのほうが直進安定性はあります。クルージング中の『ゆったり感』はサスペンションとかハンドリングも含めてDEに軍配でしょう。
ただ、Vストローム800も1515mmのホイールベースなので、普通に高速道路を走るには十分すぎる安定感。でもなんだか『キビキビと動かしたくなる』衝動にライダーは駆られるかもしれません。
ダイレクト感のある足周りがそうさせるのかも?
あとはこちらのウインドスクリーンですが……
この威力、絶大だ!
予想以上に良かった。快適です。ウインドスクリーンは高さを3段階に調整できるんですが、デフォルトの「いちばん下」でも十分。胴体部分だけでなく腕に当たる風まで防いでくれます。ただし手には風が当たるので、そこは純正オプションの“ナックルカバー”追加で防ぐ、といったところなんでしょう。
ちなみにヘルメットには風が当たるので、超ロングツーリング前にはスクリーン位置をすこし高くしてもいいかもしれません。
Vストローム800DEでもウインドプロテクションに不足は感じてなかったけど、この防風性能&快適性を知ってしまうと、後戻りはできません。こういうのはメーカー純正オプションがやっぱり優れてます。風洞とか実験設備のレベルが違うから当然の結果ですが……
それよりもねぇ……なんかちょっと困ったのが……
気が付くと新東名の制限速度ですら、しれっとオーバーしがちだったこと。
スピードを出そうなんて思ってないのに、ふとメーターを見ると『え、あ、やばっ』ってなるんです。足周りのしっかり感と高い防風性能の合わせ技か、あるいはDEより重量が7kg軽いせいか。
いずれにせよVストローム800での高速道路は、速度感に慣れるまではちょくちょくメーターを確認する必要がありそう。俊敏に動くことが楽しいうえに快適すぎる……そんなイメージのクルージング感でした。
(下に続きます)
で、いま言った『俊足だけど快適』が、この後に続く【ワインディング編】でもフル発揮されることになるんです。
それも半端じゃないレベル……むしろ『エグい』と言いたくなるほどに。
もう先に言っておきます。Vストローム800は個人的に完全な『スポーツバイク』の印象です。Vストローム650や800DEとは全然違う。
これは、アレだ……
いわゆる『リッターキラー』のレベルかもしれないっ!?