正直『Vストローム800DE』の足つき性は……だけど!?
スズキの新型800シリーズにおいて「ひょっとして普通のツーリングでいちばん快適なのはVストローム800DEなんじゃないの?」というお話をここまでさせて頂いてきました。
ですがここで『そうは言ってもさぁ……』と引っかかる人がいると思います。
だって……
Vストローム800DEのシート高、855mmなんだもん。
この数値は大型バイクとしても「高いほう」になると思います。
ちなみに私(北岡)の身長は176cmです。正直に言ってしまえば大型バイクでも足つき性に不安を感じることはそんなにありません。なので参考にしにくいかもしれませんが、常々「バイクの足つき性」について感じていることも含め、正直にお伝えします。
現実問題としてVストローム800DEは、身長176cmの私でも両足を着こうと思うと足つき性はご覧のとおり。
ツマ先立ちというほどではありませんが「立派に両足カカトとも浮いている状態」になります。体感的には足の裏の母指球あたりまでは接地している感触で、この状態であれば特に不安はありません。
だけど! これは「平坦な場所でのこと」です。
しかし、世の中の道路は「平坦なところばっかり」ではないのです。むしろワダチやら傾斜になっている場所のほうが多い!
それを踏まえたうえで言いますが、身長176cmの私の場合で「Vストローム800DEのシート高は不安は特になし」です。
ですが、逆に言えば「安心できるギリギリのレベル」でもあります……
それがなぜって、先に言った「両足の足の裏の母指球は接地させられている状態」というのは、仮に道路に傾斜や凹凸があった場合でも「つま先ツンツン状態でなんとか耐えられるレベル」だから。
つまり、ツーリングなどのシチュエーションにおいても足つきに安全マージンがある状態なんです。これは実体験による感想になります。
このバイクに限った話ではありませんが、両足接地で『足の裏の母指球が着く』というのは、ひとつの判断基準になるかもしれません。参考までに。
この場合、もちろん片足であればカカトまでべったりいけます。
しかしっ!
私としてはやっぱり両足接地の安心感が欲しい……根性が無くてすみません。
余談ですが、小柄な女性などで「どんなバイクでもだいたい片足しか着かない人」はある程度の身長がある男性よりも、片足でバイクを支えたり、極低速でのバイクの扱い(Uターンなど含む)が上手い傾向にあるそうな。
昔、販売店の人に聞いたんですが、身長のある男性のほうが「両足がちゃんと着かないと不安に感じる」そうです。ぶっちゃけその時に『まさしく私ことだ……』と思ったので、それを聞いた時は小柄な女性ライダーに尊敬の念を覚えました。
足つき性の不安を技術で克服……その情熱に頭が下がるばかりです。
ただ実際、Vストローム800DEというバイクは『シート高の数値以上に安心感がある』というのも嘘ではありません。
これは足の下ろしやすさや車体のスリムさに徹底してこだわった設計だと言うのもありますが、それだけじゃないんです。
2年前、初見のインプレッション記事で私は『250ccのトレール車に乗っているような気分になってくる』と言っていますが、その感覚は今回もやっぱり同じでした。
すごく感覚的な話で申し訳ないのですが『これはたぶん大丈夫!』って思えるんです。実際の足つき性以上に、なぜか妙に自信が持てる。重量は230kgで一般的に見て「すごく軽いバイク」という訳でもないんですけどね……
これは私にとって「Vストローム800DEの大きな謎」のひとつ。だけど事実です。ただし、この判断はある程度の距離と時間を乗ってみないとわかりませんのでご注意ください。
さておき……
こんなにもVストローム800DEの足つき性で長くお話をすることになるとは自分で思いませんでしたが、今後のデビューを考えている人に、すこしでも参考になれば幸いだと思っています。
(下に続きます)
ちなみにVストローム800DEの足つき性に関して購入を真剣に検討する場合は、一度自分で跨ってみて「マージン含めてなんとかなりそう」と感じられるならまず大丈夫。
なぜって仮に購入してから「思ってたよりキツかった」となっても、純正オプションにローシートという選択肢が用意されています。そこに飛び込めば「大丈夫レベル」になるはず。
今回は長々と足つき性についてお話させて頂きましたが、次回は再び本題へ!
『Vストローム800DE』が普通のツーリングバイクとしておすすめの理由に戻ります。次回は「ワインディングでの走りが実はちょうどいい」ということを中心にお伝えしていく予定です!