GSX-S1000GTと『牡鹿コバルトライン』へ!
日の出と共に東京を出発し、全国でも有数の生マグロ水揚げ量を誇る塩釜港へ。
目的は最上級のカタチで達成されたもののイレギュラーが複数発生し、主に胃袋の許容範囲という意味で過酷さが増してきた日帰り宮城『生マグロ』ツーリング。
このままでは牛タンに辿り着けない……そこで私(北岡)が向かったのは……
まずは『日本三景』として名高い名勝「松島」です。美食を堪能できる塩釜港からすぐ近く!
だけどさすがにバリバリの観光地のため渋滞もすごいし、松島自体も人でごった返していました。

とはいえ、さすがに良い眺め。
……なのですが、混雑しているところはどうにも落ち着かない。
観光地で渋滞をくらってもGSX-S1000GTは軽くて足つき性が良いので、そこまでストレスは感じないんですが、気分的にね。

ライダー身長/176cm
そしてこの時は、満腹状態で動くのが億劫なのにバイクが軽くて足つきに不安がないと「よし次へ行こう!」という気力が湧いてくるものなんだなぁ……なんて考えていました。
リッタークラスのGT系大型ツーリングバイクなのに車両重量は比較的軽めの226kg。そしてシート高が810mmというのは「疲れた時」などにやっぱり心強い!
気を取り直して向かったのは……

地元ライダーにも人気らしい野蒜(のびる)海岸です。
その爽快な景色の中で、改めて思い知りました。

この色、本当にいい……GSX-S1000GTに限った話じゃないですが、スズキのキャンディダーリングレッドは本当に魅力的なカラーです。
深みと艶がある。正直に言うと、私自身がバイクを買うとき『バイクの車体色が赤』というのはあまりイメージがありません。だけど、この赤は「欲しくなる赤」だと感じます。
そういえばうちの若手スタッフ・石神クン(26歳)は「この赤は『ジュエル感』があっていいですよねぇ」なんて言っていた。言い得て妙。さすが美大出身者は言う事が違うぜ。

なんてことを考えつつ海辺でぼんやり。
すこし満腹感も落ち着いたけど、まだまだ『牛タン』を美味しくいただけるほどに私の胃袋は回復していません。
そこで奥の手……
仙台エリアの猛者どもが集うと言う聖地『牡鹿コバルトライン』へ!

余談ですが【後編】で立ち寄った「塩釜港」にて食事をしたあと、今回は『松島→野蒜海岸』というルートを採っていますが、塩釜港から通行料無料の「三陸沿岸道路」という道を使って、牡鹿コバルトラインまで一気にショートカットするというルートもあります。
今回走ってみて、帰り道に気付いたことです。
そして……

待ってろよ? コバルトラインに棲むという仙台エリアの猛者ども!
GSX-S1000GTの懐の深いスポーツ性能を持ってすれば、初見のワインディングでも後れを取ることなどないはず。いざ尋常に……

ひとり相撲!
平日ですからね……ほとんどライダーなんていませんでしたよ。
でも牡鹿コバルトラインはかなり走り応えがある道で、近くにこんな場所があったら通いたくなる気持ちがよくわかる。たまに荒れた部分もあるけど路面状況も悪くない。それでいてトリッキー&ツイスティ!?

そこでのGSX-S1000GTはまさに水を得た魚でした。
アップライトな乗車姿勢による視界の広さで初見のワインディングでもマージンを取りながら走れるし、ここぞという時はコーナリングフォームもビシッと決まる!

そのうえで、しなやかな前後サスペンションと倒立フロントフォークにラジアルマウントされたブレンボ製ブレーキキャリパーも性能をフル発揮。はじめてのワインディングなのに楽しすぎるっ!?
しかも牡鹿コバルトラインは片道で約32kmのロングコースなんですよ?
スーパースポーツ譲りの4気筒エンジンを存分に味わうことができます。ここ、素晴らしい道です。スポーティな走りが好きな人なら一度は走ってみる価値がある!

ちなみに「初見のワインディング」では一瞬のピークパワーよりも、走りを支える『トルクの厚さ』のほうが重要です。
でもGSX-S1000GTのエンジンは4気筒エンジンとは思えないほどに低~回転域がモリモリ。多少のミスなんて涼しい顔でバイク側がカバーしてくれます。今回みたいにズバーンッ! と走りに出て、見知らぬワインディングを攻略する遠征バイクとしてもGSX-S1000GTはかなり優秀だと思う。
もちろん旅先でワインディングを味わうこと自体はどんなバイクでも可能ですが、ここまで体力的な余力を残しつつ、前後17インチホイールならではの“スポーツ感”を楽しめるのはGSX-S1000GTならでは!

ちなみに……その牡鹿コバルトラインですが、ゴールとも言える御番所公園 展望台では絶景が待っていました。
仙台エリアがヤバすぎる。塩釜港での『生マグロ&激うまウニ』だけじゃなく、日本三景『松島』や野蒜海岸みたいなスポットもあるうえに、爽快ワインディングまでパッケージになってるとか……贅沢すぎじゃないか?
さらにこの後、軽く腹ごなしを終えたらトドメに『牛タン』が控えているという完璧な布陣。最高かよ。
(下に続きます)
朝に東京を出発した時は、これほど盛りだくさんな内容のツーリングになるとは思ってもいませんでした。
でもね、やっぱりツーリングっていうのは面白いものでして。
さぁて復路もコバルトラインだ! 俺のGSX-S1000GT(←借り物)が火を噴くぜ! なんてイキっていたところ!
……頭から冷や水をぶっかけられたっ(笑)