約223万円もするのに『隼』が高いとは思えない10の理由
バイクの新車価格に対して『高い』と感じるか『安い』と感じるか、というのはライダーそれぞれの事情によるところもありますが、実のところけっこう主観によるものだったりします。
心の底から惚れてしまうと価格に対する考え方が大きく変わってしまう……
例えばスズキの最終兵器『隼』なんてその最たるものではないでしょうか?

今回は私(北岡)が現在所有している『2型の隼』を買った時の感覚と、現行モデルの新型『隼』に憧れる気持ちを基にしての記事となります。でもこれ、いま新型『隼』に乗っているオーナーさんたちには理解してもらえると思います。
ぶっちゃけ言えば、私にとって223万3000円(10%消費税込み)という隼の新車価格はおいそれと手が出るものではありません。
だけど……手が出ないのに、その値段を『高いと思っていない』のが自分でも恐ろしい(笑)

そこで今回は、隼に惚れると約223万円という価格が『妥当』あるいは『お買い得では?』と思えてしまう理由を10個まとめてみました。
恋は盲目、ではありませんが「隼好きあるある」のようなものだと思って少々お付き合いくださいませ。
①これなら223万円するよなぁ……と思える迫力ボディ
まずはいちばんわかりやすいところから。
隼に惚れている人でなくとも知っていることですが、隼はとにかく『デカい』と感じるバイクです。

寸法とか重量とかの数字もそうですが、それだけが理由じゃない。
感覚的な部分ですが「バイクのデカさ」というのは、例えばVストローム1050などのアドベンチャーバイクに代表されるように全高の高いバイクは大きく見える傾向にあると思います。

でも隼はスポーツバイクとして低く構えたスタイルにも関わらず『デカい』と感じる。
バイクの佇まいというか、そこに置いてあるだけである種の『迫力』や『オーラ』があって圧倒される。機械としての性能とかはあっさり棚に上げて
『これは200万円以上するわ……』
と、理屈抜きで納得させられてしまうのです。おそるべし隼。
②跨って見える『アレ』にやられる
次に、隼に憧れている人が「やられてしまうポイント」がこちら。

5連メーター!
です。
こいつがヤバい。
昨今のバイクが電子化が進み、ちょっとお値段が張るバイクはメーターもフルカラーTFT液晶があたりまえ。もはやメーターというよりも『必要情報を表示するためのモニター』といったほうが正しいかもしれません。高級感あるし、いいと思います。本当に。
しかしっ!

隼のアナログメーターに感じる『計器感』もしくは『コックピット感』は種類が違う。そこにあるのは『ロマン』です。
その気になれば時速300kmのトップスピードに到達するモンスターバイクを自分で操る高揚感。
走行中にそれを支えてくれるのは、今や唯一無二と言っていい隼の『5連メーター』ではないでしょうか。

本当にカッコいいのよ、隼のメーターって。
隼に惚れてしまった人間のひいき目も大きくありますが、これだけでも「200万円以上のバイク」としての『価値』を感じるのです……
③タンデムが映える
隼は前傾姿勢のスポーツバイクなので一般的に考えると『タンデム向きのバイク』ではありません。
ところが隼乗りの祭典『隼駅まつり』に行ってみるとタンデムで来場する人の多いこと多いこと。

隼は前傾姿勢なのですが、後席に座るパッセンジャーも安心できるシート座面の広さや頑丈なグラブバーも完備しているので運転するライダーには思ったより負担が掛かりません。
しかも200馬力級の大出力エンジンにも関わらず、そのパワーフィーリングは獰猛ではなく、優しく豊か。運転するライダーが節度を守る限り、バイクに不慣れな人が後ろに乗っても安心を提供してくれます。

ちなみにこれは3型に限った話ではありません。歴代の『隼』はみんなそうで、中にはタンデムしながらデカいツーリングバックを積んでくる人もいます。
ガチのツーリングバイクも真っ青(笑)
セパレートハンドルのバイクのタンデム率では世界一かもしれません。ちなみに私(北岡)は愛車でタンデムしている時の信号待ちで、隣に停まったファミリーカーのドライバーから最高の笑顔と共に力強いサムズアップを頂いたこともあります。
隼はソロだけじゃなく『タンデムもカッコいいバイク』なのです。ちなみに、ふたりでも楽しめるなら妻帯者の人でも「家庭内で言い訳が効く」かもしれません。ここ重要です。
④足つき性は正義
冒頭の『① 迫力ボディ』の部分で言いましたが、隼というバイクはとにかくデカいです。
バイク慣れしていない人であれば『跨ってみるだけ』でもためらってしまうほどに……
ところが!?

実際に跨ってみると『え?』と思うほどに足つき性が良好だったりします。
実際にもシート高はスポーツバイクとしては低めで800mm。一般的に考えれば『ベタベタに低い』という数値ではないのですが、そこが実用性も捨てないスズキ車らしさ。私の個人的な感覚で言うとシート高780mmくらいに感じられます。
足つき性が悪くて『良いこと』なんて何ひとつありません。足つきが良いならそれに越したことはない。足つきの良さとは正義なのだッ!
⑤重くてデカいのになぜか扱える不思議
隼の車両重量は実に264kg。普通に『ヘビー級』と言っていい重さです。
総排気量1340ccの4気筒エンジンを搭載する訳ですから、ある程度の重量があるのは仕方ないことでしょう。
なのに……

サイドスタンドからの引き起こしが謎レベルで軽く感じる。
ヒョイと起こせます~、なんてことは言いません。でも日本人の平均的な男子諸君であれば特にがんばる必要もありません。一般的に、車両重量が264kgのバイクというのはサイドスタンドからの引き起こしで、ある程度『ヨイショーッ!』となるのが常ですが隼にはそれがない。
これは隼の大きな謎のひとつです。
また、それに付随して……

エンジン停止状態での取り回しも「平地であれば」わりと普通にできちゃう。
ハンドル位置とリアシートの高さがちょうどいいと言うか……私はパワー系キャラではなく、ガチのもやしっ子ですが、そんな私にも普通に取り回しができる。さすがに斜面だと重さを感じますけど、それはまあ仕方ない話です。
話が長くなるので続きは【後編】で……

今の私は新型『隼』に対する『欲しい気持ち』が強すぎるせいか、このネタはいくらでも引っ張れそうな気がしています。
最初に、今回は約223万円の隼の値段を高いと思わない理由を『10個』にまとめてみます! なんて言いましたが、これ10個でまとまるんだろうか……
(下に続きます)
後編の最初は『走って感じること』からはじめてみようと思います。
200万円オーバーの高級車なのに、きっちり『高いバイク』のはずなのに……
我ながら脳がバグっているとしか思えませんが、よろしければ引き続き『隼に魅了されてしまった人』の普通とは言いがたい独特の感覚をお楽しみいただければ幸いです。