DR-Z4Sは『デュアルパーパス』らしいんだけれど……
スズキさんのお招きに預かり参加した新型『DR-Z4S/SM』の試乗会。今回は会場がクローズドコースということで緊張感バリバリです。しかも技術説明を聞いてみたら、開発スタッフが公道走行不可のモトクロッサー開発に携わっている人物も多く……
これ普通の人に乗れるバイクなのか? 走り出す前にはそんなことばかり考えていました。
とはいえ試乗会のタイムスケジュールは待ったなし。
急いでオフロード装備を整えて軽く準備体操してから、いざDR-Z4S!
……の前にまずは跨った瞬間の第一印象から。

今回のDR-Z4シリーズでよく焦点になりやすいのですが、まずシート高が890mmあります。
ですが身長176cmの私(北岡)として、跨った瞬間に思ったのは『まぁオフ車ってだいたいこんなもんだよね』という感覚でした。特に『足つきが悪い』という印象は無かったです。
ちなみに私は過去に200ccのトレール車を所有し、現在も250ccのオフロード車を1台持っています。日常の足として現役で活躍中のソレと比較しても大差があるようには思えませんでした。

両足を着こうとすれば写真のようにカカトは大きく地面から浮きます。ですがオフ車はだいたいこうなるのがデフォルトなので……オフロードバイクの扱いに馴染みのある人であれば「シート高890mm」という数値は特に警戒する要素にはならないと思います。
跨るとけっこうサスペンションが沈んでくれるようです。もっと足つきツンツンの予感だったのでけっこう意外。気になる人は数字だけで判断せず、一度跨ってみることをおすすめします。
そして……

エンジンが、ヤバい。
コースインするまえに駐車場で試し乗りした時の印象なのですが、この400cc単気筒エンジン……かなり良いです。
基本的にはスムーズなんだけど、ちゃんと単気筒らしいフィーリングやリアタイヤの蹴り出し感がある。でも「スムーズすぎないのが逆に良い」という表現ができない。極めてスムーズなままに単気筒らしさを感じられるという不思議なエンジンに仕上げられていました。
なんだか……過去にないフィーリングかも? ちゃんとパワフル。なのに扱いやすい気がする。このフィーリング、かなり好き!?

そのエンジンの第一印象に勇気をもらってコースインを待つ私。クールを装っているつもりですが、心拍数は爆上がり中です。
ちゃんとしたオフロードコース、10年以上走ってないと先に言いましたがよく考えたら15年以上かも。ですがこの場においてそんな言い訳は通用しません。
実力を感じるためにSDMS(スズキドライブモードセレクター)をフルパワーの「A」に設定して走り出し!!!
……ヘルメットのなかで絶叫した。

パワーありすぎぃぃぃーーー!?
先に言いましたが普段の足として、いちおう250ccのオフロード車を所有している私ですが……これは完全にレベルが違う。その昔、公道走行不可のモトクロッサーをコースで乗った時の記憶が瞬間的に甦りました。
感覚としてはモトクロッサーというよりも、足まわりのしなやかさとエンジンフィーリングから“エンデューロバイク”に近いフィーリングかもしれません。
(下に続きます)
先に駐車場で「いい感じにパワフル」と感じたエンジンは、250ccのつもりでアクセルを開けようものなら(電子制御のサポートがあるにも関わらず)リアタイヤは即座に空転。ケタ違いすぎる……すみません、2周でフルパワー「A」モードを挫折しました。
到底、扱える気がしなかった……とんでもねぇ。
でもSDMSを「B」モードにしたら何とか走れる……というか「B」モードでもギリギリのパワーだけど!
でも、あれ?
さっき言ったけどオフロードコースを走るのが久しぶりの割には何とか走れてる、かも?







