この『違い』は乗らないとわからない
エキサイティングな走りに関しては排気量400ccの枠を超えたスーパーパフォーマンスを発揮するスズキの400ccモタードDR-Z4SM。
だけどそのバイクを『普通のツーリング』でじっくり乗ってみることで意外な事実も発覚しました。最初は驚いて、DR-Z4SMの大きな弱点かと思ったけど……
そして、その事実の他にも今回、DR-Z4SMでツーリングしたことで大きな発見がありました。実はスーパーモタードDR-Z4SMと兄弟車のオフロード・トレールDR-Z4Sでは高速道路のクルージング性能に大きな違いがあるんです。
でもそれはスペック表からじゃ絶対に読み取れません。これは乗らないとわからない!

まずハンドリングに関わるキャスター角とトレール量ですが……
DR-Z4S:キャスター角 27° 30′ /トレール量 109mm
DR-Z4SM:キャスター角 26° 30′ /トレール量 95mm
という数値になっていまして、ココだけ見るとハンドリングがより軽快、あるいはクイックな特性を持つのはモタードのSMということになります。オフロードの4Sのほうがハンドリングは穏やか傾向。
街乗りやワインディングでバイクが軽快なのは大歓迎ですが、これが高速道路などのシチュエーションでは「不安定」と感じたりする要因にもなったりします。


さらに直進安定性に関わる軸間距離(ホイールベース)ですが
DR-Z4S:軸間距離 1490mm
DR-Z4SM:軸間距離1465mm
こちらもDR-Z4Sのほうが軸間距離が長いので直進安定性が強いということになります。ただしこれらはすべて『数字の上での話』です。
ところが実際に高速道路を走ってみると……

断然、DR-Z4Sのほうが快適。
それはもう『安心感がまったく違う』と言えるほどに差がありました。実を言うと私(北岡)自身もこの違いにはけっこう驚かされたのですが……
その要因は「前後17インチのオンロードタイヤ」と「最終減速比の違い」にあるものと予想しています。

やっぱりオンロード専用のタイヤを履いているDR-Z4SMは、ブロックタイヤの4Sよりも接地感が出るのは当然のこと。ちなみにDR-Z4SMとDR-Z4Sでは車両重量として3kgの差がある(SMのほうが3kg重い)のですが、これはおそらくタイヤ&ホイールの重量差と思われます。
そのタイヤ&ホイールが高速回転することで生まれるジャイロ効果も無視できないはず……もちろんオンロードに寄った前後サスペンションのセッティングでも違いは出ると思う。
そして極めつけが……

ファイナルギア、最終減速比です。
オンロード重視のDR-Z4SMのほうがドリブンスプロケットの歯数(丁数)が少ない『高速型』なのでエンジンに伸びがある。
体感としての話ですが『クルージングの巡航速度』も全然違いました。

以前の林道ソロアタックで感じたDR-Z4Sの高速道路巡航速度は以前にお伝えしたとおり『ざっくり90km/h前後に落ち着く』というものでしたが、DR-Z4SMでは普通に時速100kmのクルージングが普通にできます。
なんならそれ以上にスピードを上げていっても余裕が消えない。新東名高速などの時速120km区間でもストレスがありません。
そして、巡航速度が上がれば当然、慣性も強くなります。

それらの要因が絡み合って、結果的に高速道路のクルージング性能はDR-Z4SMが圧倒的に上。もちろんそれは「純粋なツーリングバイクの快適性」とは違いますが、DR-Z4SM/DR-Z4Sのような特化型バイクにおいては大きな差だと感じられます。
さらに付け加えておくと……

4Sよりも厚みのあるシートのSMは『お尻が痛くなる負担』もまるで違うものでした。経験としてDR-Z4Sのシートでもツーリングに耐えられたけど、やっぱりシートそのものの性能差(主に厚みによる)は埋められない、ということでしょう。
でもシートの座り心地に関して、このバイクでああだこうだと言うつもりはありません。この2台のシートは快適性よりも「路面の接地感を感じるための機能部品」という性格が強いので!
(下に続きます)
ただし『現実的な差』としてモタードのDR-Z4SMのほうが長距離・長時間の走行では快適なのも事実。私の感覚だと、SMならそれなりに長距離のツーリングもいけるなと感じました。
だけど……これまでに何度も言っていることですがDR-Z4SMの本領は『走り』ですからね?
ツーリング先の『はじめて走るワインディング』でもDR-Z4SMはやっぱり無敵なのでした……








