公開されている『GSX-8T』の情報から“今”わかること
2025年7月4日、スズキが発表した新型はレトロテイストの800cc大型ネイキッドバイク『GSX-8T』と『GSX-8TT』の2台。
実際のところ現時点ではかなり『情報が少ない』というのが正直なところです。
なので、いまわかる部分をまとめて報告しますが、ちょっと面白いことにも気づきました。たぶんこのバイク、ただの『レトロ系』では終わらなさそう……そのあたりも後述していきます!
GSX-8Tのスタイリングについて

まず全体のスタイリングですが、スズキ側の公式発表として『過去の名車の個性的で魅力的な要素と現代的なデザインを融合させつつ、最新の技術やエンジン、車体を採用したネオレトロのストリートバイクです』という記述がありました。
スズキ流のネオクラシックバイクと考えて良いと思います。デザインにはTitan(タイタン)の愛称で知られる1960年代の高性能ネイキッド『T500』のイメージを取り入れているようです。

私(北岡)の個人的な趣味嗜好ですが、左側のデザインがけっこういい感じ。現代のバイクだけど水平基調でレトロ感も感じさせてくれる。
タンクのデザインもかなり凝ったものになっているようです。ちなみに燃料タンク容量は16.5Lが確保されているとのこと。GSX-8R/8Sよりも2.5Lの容量アップです。
今年2025年の夏ごろに欧州やアメリカで販売が開始される予定。現在ではマットグリーン、ゴールド、マットブラックの3カラーがスタンバイしているようです。

GSX-8Tの装備・ディテールについて
今の時点で公式に出ている写真資料が非常に少ないのですが、まずエンジンについて。
搭載されているのは『GSX-8S』や『GSX-8R』と同系エンジンとなる総排気量776ccの並列2気筒エンジンです。『GSX-8T』として最高出力の記載は海外サイトで見ると82.9馬力という記載も。
8Sや8Rと同じであれば最高出力は80馬力となるはずですが……海外と日本では測定方法が違うので『GSX-8Tのほうがパワーがある』ということにはならない気がしています。

※写真はGSX-8Sのエンジンです
しかも、スズキはけっこう『車両のキャラに合わせて』エンジンのフィーリングを変更してきます。
わかりやすいところでは最終減速比(ファイナルギア)などでアレンジしてきたり。しかし『GSX-8T』の今発表されているスペックにギア比の表記が見つけられませんでした。
電子制御SDMS(スズキドライブモードセレクター)を搭載しているので、電子的な方向からもエンジンフィーリングをアレンジしてくる可能性もあります。とにかくエンジンに関しては不明な部分が多い!

そして目を引くのがレトロ感の中核となる丸目1灯のヘッドライト。ヘッドライトもウインカーもLEDで現代的ですが、うまいサジ加減にまとめられていると思います。

足まわりに関して、タイヤはGSX-8R/8Sと同じダンロップの「Road Sport 2」を標準装備となります。
フロントフォークはKYB製の倒立フォーク、リアショックもKYB製のリンク式モノサス。フレームもおそらくですがGSX-8Rや8Sと同じでしょう。
フロントブレーキはラジアルマウントされたNISSIN製のキャリパーにΦ310mmのディスクブレーキを組み合わせてダブルで搭載しています。

メーターはフルカラーTFT液晶。ハンドルバーはアルミ製テーパードハンドルでトップブリッジも含めてブラックアウトされています。

そしてスズキ初となるバーエンドミラーがお洒落です。
ちなみに「スズキ初」としてはもうひとつあって、軽量なリチウムイオンバッテリーが採用されることになりました。
あれ……これひょっとして『GSX-8S』と車体側のスペックが?
さて、この記事を書き進めていく中で気がついたことがあります。
あくまで予想の範囲を出ませんが『GSX-8T』はレトロ系だけど「優しいだけ」ではなさそう、ということです。
その根拠はストリートファイター『GSX-8S』です。

まず車両重量ですが新型GSX-8Tが201kg、GSX-8Sも同じく202kgです。だいたい同じですね。
そして車体の寸法なのですが……
GSX-8T ▶ 全長2115mm×全幅775mm×全高1105mm
なのに対して既存モデルの8Sは
GSX-8S ▶ 全長2115mm×全幅775mm×全高1105mm
まったく同じだ!?
しかもホイールベースも同じで1465mm。最低地上高も同じ145mm。さらにはキャスター角とトレール量も両車とも25° / 104mmとなっています。

ということは……
新型GSX-8Tは見た目こそレトロですが、走行性能に関してはストリートファイター『GSX-8S』に近い走りかたをするバイクなのかもしれません。考えてみれば前後サスペンションもKYB製で同じだし。
ただし、これまでの経験から『既存モデルと同じ走りにしてくる』というのは考えにくいです。スズキ製のバイクですからね……なんにせよ『見た目だけ』ということは無いと思いますが!
(下に続きます)
なにより驚くべきは、このバイクが『来年2026年の新型』ではなく『今年発売されるバイク』だということ。
まずは欧州やアメリカからの販売なので日本への導入がどうなるかは完全に未定です。
仮に日本導入されるとしたら価格も気になる! 発売日も「まさかの今年中」なんてことがあるのか!?
いろいろ不明な部分ばかりですが……ちょっとおもしろいことになってきました!
【速報】もうひとつの新型『GSX-8TT』も同時発表!
GSX-8T“だけ”のオフィシャルムービーも公開
GSX-8T | Official Promotional Video| Suzuki
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