いまスズキで最も注目度が高いバイクといえばコレ
スズキ大型バイクラインアップに彗星のごとく飛び込んできたニューモデルGSX-S1000GT。
スズキファンのみならずとも、他メーカーのバイクを乗っている人であっても、流石にこれは気になるバイクだと思います。
これはもう発表時点から私（北岡）がしつこく言っていることですが……
めちゃくちゃカッコイイ！
まずは、そのひと言に尽きます。私は『性能以上に、バイクはカッコいいことが命』というタイプですので、GSX-S1000GTのスタイルはビッシビシと突き刺さりました。
それに走りの性能に関してはネイキッドのGSX-S1000と同じな訳でしょう？
もうそれって走りの楽しさに対しての『メーカー保証付き』みたいなもんじゃないですか。
ところがっ！？！？
私、盛大に間違えてました。
そもそもネイキッドのGSX-S1000と『同じ』じゃない。っていうか、ぜんっぜん違う！
個人的にはGSX-S1000GTが強烈インパクトのフルカウルを纏っていることから、走りもきっと強烈ガチ系のスーパースポーツキラーなんだろうと信じていたんです。
スズキさんはGTを『グランドツアラー』と定義していますけど「そうは言ってもねぇ……このスタイルだしホントはアレなんでしょ？」 みたいに思ってました。
GSX-S1000F
いちおう言い訳をしておくと、先代というかGSX-S1000Fのイメージがあるのも一因。あのバイクは本当に『アップハンドル以外はほぼスーパースポーツ』みたいなバイクでしたから。
でもってGSX-S1000GTは、その後継機みたいなニュアンスあるじゃないですか？
なので完全に騙された……スズキさんに。
まさかそう来るとは!?
新型『GSX-S1000GT』に予想の上を行かれた!?
で、本題のGSX-S1000GTですが……初体面の印象は予想どおりに『大きすぎない』のが好印象でした。
リッターバイクとして小さすぎないけど大きすぎない。デカすぎて持て余す感じがない。見た目がカッコいい＆サイズ感が良さげの、この2項目までは予想的中。
だけど、その後の私の予想は『だいたい外れた』というのが真実です。
まずね、このバイクは旅をバリバリに意識したグランドツアラーなんですけど……
街中での発進が……っていうか、クラッチミートの瞬間からしてネイキッドと全然違うし!?
ネイキッドの新型GSX-S1000も電子制御スロットル搭載の恩恵でスムーズなパワー特性を備えてきましたけど、それどころじゃないっ！
クラッチがつながった瞬間から滑るように走り出します。極上の4気筒エンジン感と言うか、シルキーさと言うか。荒っぽさが、全然ない
こ、高級車や……そういう走り出しをします。
この見た目で、超スムーズかっ!?
思わずツッコミ入れたくなりました。
だってこの時まで、SDMS（スズキドライブモードセレクター）はフルパワーの『A』で走ってましたから。
どうやらGTは3000回転以下のパワー特性にかなり気をつかって仕上げてきた印象があります。たとえばタンデムで後席に大切なパートナーを乗せて走る場合でも、極上のジェントルマンライドを約束できるレベルです。
さらにーっ!?
かっるっ!?
ナニコレ……動き、めちゃくちゃ軽い。
交差点を普通に曲がってびっくり。
GSX-S1000GTはネイキッドGSX-S1000に対して重量が12kg重くなってるはずなのに、ネイキッドより断然、軽快です……低速での左折もクルッと曲がれる。
ちなみに私、過去（2021年のGT発表当時）の記事で『12kgくらいの重量増はツアラーの場合、安定感につながるから歓迎したい』みたいなことを書いてるんですが、もはや赤面するしかありません。口は災いの元。今からこっそり、その記事を削除したい気持ちです。
そりゃあね、GSX-S1000GTはネイキッドと違ってヘッドライトとかの重量物がフロントフォークにマウントされてない（フレームに直マウントされてる）から、ハンドリングがニュートラルで軽快感が出るのはわかります。
でも、それにしたって変わり過ぎ。だってキャスター角やトレール量はネイキッドと同じなんですよ？ さすがにここまで動き方が変わるとは予想できません。
となると、軽快さの理由は……
これ、か？
ハンドル位置です。スペック上で見るとGSX-S1000より全幅が15mm広いし、ネイキッドのGSX-S1000よりも14mm手前になってる。
もうひとつ加えておくとタイヤもGT専用設計だとか。あとはサスペンションのセッティングの妙かなぁ？ あ、そうそう!? 後でまた詳しくお伝えしますけどGSX-S1000GTは前後サスのセッティングも、ネイキッドとまるで違うんですよ！
乗車姿勢そのものは、体感的にはネイキッドGSX-S1000と大きく変わった印象は無かったんですけどね。
新型『隼』様のご降臨から、スズキは最近『ハンドル位置を●●mm移動』っていう、一見とても地味な変更を行ってくるんですが、それによる変化がすさまじいです。
GSX-S1000GTのハンドル位置変更は『快適な乗車姿勢のため』じゃなくて『ハンドリングのため』の変更ですね。これたぶん間違いない。
（下に続きます）
そして、この時点で感じていたのは『GSX-S1000Fの後継機』って表現は、ちょっと違うだろ？ っていうこと。
いかに鈍い私（北岡）でも、うすうす勘づいてきました。
GSX-S1000GTって、ひょっとして……
ガチガチのスーパースポーツ系バイクではない、のかも？
GSX-S1000GTの正体はスポーツか、ツアラーか。気になる人は、このまま続編へお付き合いくださいませ！
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